PRESS RELEASE
プレスリリース
モビルスの配信するプレスリリースです。新製品や新サービス、会社に関する重要な情報をお伝えします。
2025年8月28日(木)10:00
生成AI活用の新機能「AIエージェント型ボイスボット」を提供開始、SBIいきいき少短に本導入決定 電話口で顧客一人ひとりに寄り添い、人が応対しているような自然な対話で用件を特定し受付完結
~実証実験(POC)で、ボイスボットでの受付完結率は7割超・折り返し対応6割超削減~
コンタクトセンター向けCXソリューションを開発・提供するモビルス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石井智宏、以下:モビルス)は、生成AIを活用した新機能「AIエージェント型ボイスボット」の提供を開始します。本機能は、ワークフロー型のAIエージェントで、顧客一人ひとりの話し方や状況に応じて自然な対話を展開し、曖昧な依頼でも意図をくみ取って用件を深掘り・特定することで、まるで人のように寄り添う応対を実現します。
併せて、SBIいきいき少額短期保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:採田 祐治、以下:SBIいきいき少短)が本導入することをお知らせします。SBIいきいき少短の電話問い合わせ窓口では、2025年8月28日より、本機能を活用した受付対応を自動応答専用ダイヤル窓口にて開始予定です。AIエージェント型ボイスボットの導入により、従来のボイスボットでは対応が難しかった、一人ひとりのご用件や話すペースに合わせた柔軟な対話が可能になります。これにより、シニア世代に寄り添った対応を実現し、顧客の利便性や満足度を高めながら、コンタクトセンター業務の効率化にも貢献します。
なお、モビルスとSBIいきいき少短では2025年6月から1カ月間にわたり、本機能の実証実験(POC)を実施しました。ボイスボットのみで受付が完了する割合(完結率)が7割超に達し、ボイスボットが丁寧に復唱確認することにより、オペレーターによる折り返し対応(コールバック率)は6割超削減されるなどの成果が得られたことから、今回の提供開始および正式導入に至りました。
■ 開発・本導入の背景
総務省の調査※1によると、インターネットの利用率は、60代は約9割、70代は約7割と高い一方、80代は約3割にとどまり、年齢が上がるほど“デジタル格差”が顕在化しています。企業には、こうした幅広いデジタル対応力に合わせ、電話・Web・ボイスボットなど複数の窓口で対応することが求められています。
SBIいきいき少短は、死亡保険・医療保険・介護保険といった、主にシニア世代のニーズに対応した保険商品やサービスを提供しています。そのような中、顧客接点の中心となる電話窓口には、デジタル操作が苦手なシニア世代の顧客からの問い合わせも多く、スムーズかつ丁寧な対応が求められていました。
従来のボイスボットは、顧客の話すスピードがゆっくりであったり、途中で言葉に詰まったりする傾向に十分対応できず、一定時間内に返答がないと会話が自動的に終了してしまうなどの課題がありました。特にこうした話し方の特徴が見られるシニア世代にとっては、非常に使いづらく、ストレスのかかる仕組みとなっていました。その結果、手続きが途中で終わってしまい、再度電話をかける必要が生じたり、オペレーターからの折り返し対応が発生したりと、顧客の手間が増えるだけでなく、企業側の業務負荷や対応コストの増加にもつながっていました。
また、コンタクトセンター業界は、採用コストの高騰や人材確保の難しさ、高い離職率といった課題により、深刻な人手不足に直面しています。そういった中で、生成AIなどの新技術を活用して業務を効率化し、顧客の利便性や満足度(CS)を高める取り組みが求められています。
こうした背景から、モビルスとSBIいきいき少短では、課題解決に向けて生成AIを活用した「AIエージェント型ボイスボット」の実証実験(POC)を2025年6月より1カ月間にわたり実施しました。その結果、ボイスボットによる受付完了率の向上に加え、ボイスボット受付後の音声確認による情報修正作業の短縮やコールバック確認(折り返し対応)の改善など、顧客体験(CX)と業務効率の双方において高い成果が見られました。これを受け、SBIいきいき少短では本機能の本格導入を決定しました。
※1 出典:(令和6年)の通信利用動向調査の結果|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/250530_1.pdf
■ 新機能「AIエージェント型ボイスボット」について
「AIエージェント型ボイスボット」は、生成AIを活用し、まるで人が応対しているかのような自然な対話を実現するボイスボットです。顧客の話し方や状況に応じて柔軟に会話を展開し、曖昧な問い合わせでも意図をくみ取って深掘りし、必要な情報を正確に聞き出して受付手続きを完了させることができます。
従来のボイスボットは、「シナリオ型」と呼ばれ、あらかじめ設定された定型的なフローに沿って応対するため、想定外の会話には対応できず、オペレーターへの引き継ぎが必要になったり、会話が途中で終了してしまったりするケースも少なくありません。
一方、本機能では生成AIによる意図解釈と深掘りにより、顧客からの曖昧な問い合わせにも柔軟に対応が可能です。また、顧客の話すペースに寄り添いながら、会話の途中離脱を防ぎ、スムーズに受付手続きを完了することができます。さらに、会話の中で複数の情報をまとめて聞き取ることができるほか、聞き間違いや言い直し、ゆっくりとした話し方にも対応します。顧客の回答が不完全だった場合には、自然な問い返しを行い、正確な情報を取得します。
このように、「AIエージェント型ボイスボット」は、顧客にとってはストレスの少ないスムーズな応対を実現し、企業にとっては折り返し確認や情報修正などの手間を削減することができる新機能です。なお、本機能は、ボイスボット「MOBI VOICE(モビボイス®)」のオプション機能でありAIエージェント型ボイスボットの利用にはMOBI VOICEのビジネスプラン以上と生成AIオプション(有償)契約が必要です。
従来のボイスボットとAIエージェント型ボイスボットの違い
<AIエージェント型ボイスボットの特徴>
(1)生成AIが顧客の特徴を配慮し、人と話すような自然な口調で応対。問い合わせ受付の完結を支援
顧客の話し方や回答を解析し、一人ひとりの特徴を考慮しパーソナライズされた会話を実現します。人と話しているかのような自然なやり取りで、問い合わせ内容に対応するために必要な情報を的確に聞き出し、受付を完結します。
(2)曖昧な問い合わせにも柔軟に対応し、意図を深掘りして用件や商品を特定。最適な回答へと誘導
話し言葉による曖昧な要望や顧客の意図が不明確な場合でも、生成AIが会話の流れの中で丁寧に深掘りしながら内容を把握し、顧客の目的を素早く特定します。その上で、受付を完了するために必要な情報を顧客から聞き出します。
(3)一連の会話内で複数項目を自動で聞き取り、手続きの抜け漏れを防止。顧客・オペレーター双方の手間を削減
会話の状況に応じて、手続きや申請に必要な複数の項目を自動で聞き取ります。有人オペレーターのように、読み仮名など不確実な情報も理解して問い返すことで、住所変更や給付金請求などの手続きを完結させることが可能で、回答漏れにも柔軟に対応します。一連のプロセスを生成AIが完結させることで、顧客とオペレーター双方の負担・手間を大幅に削減します。
AIエージェント型ボイスボットの聞き取りイメージ
■ 導入実績:SBIいきいき少短での検証結果と成果
「AIエージェント型ボイスボット」を活用し、顧客の状況に応じてボイスボットが臨機応変に対応を切り替え、問い合わせ内容の聞き取りから受付完了までを担う体制を構築しました。これにより、営業時間外や混雑時など有人オペレーターによる対応が難しい場合でも、顧客は自身のペースでストレスなく電話で問い合わせが可能になりました。
一方、コンタクトセンター側では、ボイスボットが正確に情報を聞き取り、記録することで、オペレーターによる確認・修正やコールバックの手間が削減されました。本機能により業務の効率化と応対品質の向上を同時に実現しています。
<成果>
●ボイスボットでの受付完結率70%超を実現:自然な誘導で途中離脱を防止
従来のボイスボットには、顧客の会話が遅れたり途切れたりすると、自動的に会話を切断してしまう問題がありました。しかし、AIエージェント型ボイスボットは、生成AIが顧客の特性を考慮しながら聞き取りを継続できます。例えば、顧客が電話番号の途中で止まっても、AIエージェント型ボイスボットが「市外局番は○○ですね」「続きの番号を教えてください」と自然に誘導します。また、漢字の田の「た」と「たぁ」など不確実な点の誤修正を理解したり、回答が完結するまで確認したりしながら聞き取りを進めます。細かい復唱・正誤確認をしても、70%を超える高い完結率を維持しています。この高い完結率により、問い合わせが途中で終わることへの顧客の不満を防ぎ、CSやCXの向上が期待できます。
●通話中のテレビ音声との混在を解消:AIが顧客の声を正確に識別
従来のボイスボットは、テレビCM放映中の電話問い合わせで、顧客の電話口のテレビの音声も顧客の発声情報として拾ってしまい、必要な情報が聞き取りにくい問題がありました。しかし、AIエージェント型ボイスボットはテレビCMの音声と顧客の声を高精度に聞き分けることができます。これにより、生成AIが会話から氏名などの情報を正確に認識・記録することが可能になり、音声確認による修正の手間が削減され、業務の効率化を実現しました。
●コールバック63%削減:証券番号の聞き取り精度が高評価、顧客・オペレーター双方の負担を大幅軽減
オペレーターは通話後の後処理として、ボイスボットによる文字起こしと音声の双方を確認しますが、聞き取りが不十分で顧客への確認が必要な場合は、コールバックを行います。AIエージェント型ボイスボットによる聞き取りで正確な情報が記録されるようになった結果、顧客へのコールバック確認が63%減少されました。これにより、顧客とオペレーター双方の負担が軽減されています。特に、証券番号の聞き取り精度は、SBIいきいき少短から高く評価されています。
さらに、ボイスボットのみでの後処理をせずに受付が完了する完結率が3倍に向上し、音声確認による修正作業が2分の1に減少したことで、コールバック等の後処理工数が半減するなど、現場の稼働効率化にも貢献しています。
AIエージェント型ボイスボットの聞き取りイメージ
■ SBIいきいき少額短期保険株式会社さま - コメント
シニア世代のお客さまが主な問い合わせ層である当社にとって、自然な対話が可能なボイスボットの導入は非常に意義深い取り組みでした。お客さま一人ひとりの話し方に寄り添った応対が、想像以上にスムーズに行えており、従来の課題を解消する手段として確かな手応えを感じています。
顧客満足度の向上と業務効率化の両面で、今後の活用にも大きな期待を寄せています。
- 今後の展望
SBIいきいき少短では、顧客接点のさらなる充実を図るべく、LINEでの問い合わせ受付をはじめ、チャネルの拡充とAI技術の活用領域の拡大の推進を行っていきます。顧客一人ひとりに寄り添う応対をさらに進化させ、より快適で安心できる問い合わせ体験の提供をしていく予定です。
こうした取り組みを支える技術として、生成AIを活用したAIエージェント型ボイスボットの導入が重要となります。データの手修正やコールバックを低減できる生成AIのプロンプト※2の構築が進展すれば、より広い業務での生成AIによる顧客対応が可能になります。これにより、構築負荷の高い従来のボイスボットからAIエージェント型ボイスボットへの移行が、急速に普及するものと推察されます。
そして、モビルスは、深刻な人手不足に直面するコンタクトセンター業界において、生成AI活用によるDXが、CSと業務効率化とを両立させるものと認識しています。AIエージェント型ボイスボットをはじめとするCXソリューションの提供を通じて、人と生成AIが共存する次世代コンタクトセンターの実現を推進し、より一層のCX向上と企業価値の向上に貢献してまいります。
※2 プロンプト:AIにテキストや画像などのコンテンツを生成させるための指示や命令文のこと
■ SBIいきいき少額短期保険株式会社について
SBIいきいき少額短期保険は、東証グロース市場上場「SBIインシュアランスグループ(株)」のグループ会社です。「シンプルでわかりやすく」「保険料は手ごろに」というお客さまの声に応える保険商品・サービスを開発・提供しています。死亡保険、医療保険、介護保険はシニア層を中心に支持され、いきいきとした毎日を送れるよう保険商品を通じて安心とやすらぎを提供し、お客さま一人ひとりのより良い人生を応援します。
会社名:SBIいきいき少額短期保険株式会社
代表者:代表取締役社長 採田 祐治
所在地:東京都港区六本木1-6-1
設立:2007年7月3日
事業内容:少額短期保険業
公式HP:https://www.i-sedai.com/
■ MOBI VOICEについて
「MOBI VOICE(モビボイス®)」は電話の問い合わせ対応をAIで自動化するボイスボットシステムです。「MOBI VOICE」を導入することでピーク時のあふれ呼対応や24時間/365日稼働することでCX向上に貢献します。オペレーション支援AI「MooA®」と連携することで対応内容を要約し、そのままCRM(顧客管理システム)などに要約データを流すことでACW(後処理平均時間)の削減も可能です。コールセンターの応答率の向上、オペレーターの業務効率化を実現します。
サービス詳細:https://mobilus.co.jp/service/voice
■ モビルス株式会社について
モビルスは、クライアントの顧客のつまずきや課題へ先回りしたCX(顧客体験)のブランディング設計を行い、企業価値と経営収益向上へ貢献する会社です。そのために、新しいテクノロジーを取り込んだオペレーション支援生成AIサービス 「MooA®(ムーア)」 や、顧客コミュニケーションのノンボイス化とデジタル化を推進する有人チャットやボイスボットなどのSaaSソリューション「モビシリーズ」の開発を行っています。モビシリーズは500社以上に導入実績があり、7年連続でチャットボット市場売上シェア1位※を獲得しています。モビルスでは、「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」をミッションに掲げ、テクノロジーによる企業のCX向上を目的に「CX-Branding Tech. Lab(https://mobilus.co.jp/lab/)」を運営しており、調査レポート、セミナー開催、登壇、実証実験を通した研究開発などを企画・発信しています。
※ 出典:ITR「ITR Market View:対話型AI・機械学習プラットフォーム 市場2024」チャットボット市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2023年度)
会社名:モビルス株式会社
代表者:石井智宏
所在地:東京都港区芝浦一丁目1番1号 浜松町ビルディング15階
設立:2011年9月
上場市場:東京証券取引所 グロース(証券コード:4370)
事業内容:コンタクトセンター向けSaaSプロダクト(モビシリーズ)などのCXソリューションの提供
公式HP:https://mobilus.co.jp
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