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大分県別府市は、2019年10月に「別府市LINE公式アカウント(@beppucity)」を開設しました。日英対応ごみ分別案内AIチャットボットや、ほしい情報だけが届くセグメント配信機能に加え、2021年3月から、LINEを活用した学校連絡網「SCHOOL CAST」をご活用いただいています。

「SCHOOL CAST」導入の目的や運用方法、導入後の効果や今後の展開などについて、「別府市LINE公式アカウント」の立ち上げから企画・運用を行う、別府市 企画戦略部 情報政策課 デジタルファースト推進係 主任 明田舞子 氏と、「SCHOOL CAST」の運用・推進を担当する、別府市 教育委員会 学校教育課 藤原良浩 氏にお話を伺いました。

▲インタビューはZOOMで行いました。上段中央が別府市 明田様と藤原様。ほかはモビルスメンバー。

緊急時に一斉連絡できる仕組みを作りたい

―「SCHOOL CAST」を導入した目的や経緯を教えてください。

藤原氏

導入の一番の目的は、別府市内各校の連絡網システムを統一し、 緊急時に保護者へ迅速かつ着実な連絡を行い、園児や児童生徒の安全を確保することです。

明田氏

過去に緊急事案が発生し、一斉下校の連絡が必要になったことがありました。当時は、学校ごとに連絡網システムが異なり、保護者への連絡速度にばらつき(遅延)が生まれてしまったのです。緊急時に一斉連絡できる仕組みを作りたいと考えるきっかけになりました。

藤原氏

これまで各学校が使っていたメールシステムは、ほとんどが有料なので、ご家庭の費用負担にもなっていました。LINEを使った「SCHOOL CAST」の導入は、保護者の費用負担の軽減も目的の一つです。

また、これまでは小学校から中学校へ進級した際や、先生が異動になったとき、その都度メール配信システムの使い方を覚える必要がありました。システムを統一することで、保護者や先生の操作面での手間も軽減できると考えました。

多くの人が日常的に使っているLINEは負担が少ない

―メールのほかにも専用アプリサービスなどもある中で、LINE公式アカウントがよかった点を教えてください。

明田氏:

ほかのアプリはインストールが必要なので、なかなか利用者が増えません。LINEは、多くの方がすでにインストールしていて、普段から使っているので負担が少ないと考えました。

藤原氏

令和元年6月に「BEPPU×デジタルファースト」を宣言し、「市民サービスのデジタルファースト」の一環として別府市LINE公式アカウントを活用した情報配信を行っていました。そこで、連絡網でも活用できないかと明田さんと相談をしながら進めました。

学校の負担を減らすべく保護者向けの配布資料なども準備

―市役所と教育委員会や学校との連携が大変というお話も聞きます。導入を進める上で工夫された点があれば教えてください。

藤原氏

「SCHOOL CAST」開発段階から会議に参加して一緒に進めてきたので、教育委員会と市の連携は問題なくスムーズでした。

学校とは、導入までのロードマップの提示や、モビルスさんと準備した運用・操作研修の日程調整など、毎月の校長会議の場を活用して連携を図っていました。

学校から保護者へ配布する個人情報の同意書や、「SCHOOL CAST」登録の手順書も、明田さんに協力いただきながら作成するなど、なるべく学校側の負担を軽減できるよう準備しました。

相談窓口を私に一本化し、操作方法など困ったことはすぐ聞ける体制も作っています。

▲別府市、学校連絡網「SCHOOL CAST」、保護者の登録の流れ
3ステップで初めてでも簡単に登録できる仕様

休校の連絡、修学旅行の中継、教職員間の連絡など活用の幅は広い

―各学校の「SCHOOL CAST」の利用頻度や利用シーンはいかがでしょうか?

藤原氏

利用頻度は、月一回程度の学校もあれば、毎日のように頻繁だったり、学年や学級単位で配信したりと学校によって異なります。

元々は緊急時の連絡が目的ですが、緊急事態は滅多にないので、普段は学校からのお知らせがメインの使い方です。

最近ですと、修学旅行の様子を写真で撮って、6年生の保護者限定で配信した学校もありました。「今、○○に到着しました」「二日目の朝、みんな元気です」など写真と一緒に送っていて、こういう使い方もあるのだと発見でした。

明田氏

ほかにも、夏休みが終わるタイミングで「○○小学校、○年生のみなさんへ。夏休み明けに会えるのを楽しみにしています!」と校長先生からメッセージを配信するなど、活用いただいている学校はいろんな使い方をしていますね。

7,8月にコロナの感染が拡大していた際には、休校連絡のほか、市が学校に無償で提供した抗原検査キットの配布時間の連絡などでも活用いただきました。

藤原氏

市が学校連絡網の運用方針を決めて学校側へ提示することはしていません。学校ごとにこれまでの連絡網の方針があると思うので、各学校、管理者の責任のもとで自由に活用してもらっています。市としては、緊急時の連絡以外でもどんどん活用してください、というスタンスです。

明田氏

配信内容はこちらでも確認できますが、これまで危惧するような内容は一切ありません。

また、学校から保護者への連絡以外で、教職員間の連絡網として活用されている例もあります。公式アカウントからの連絡だと、お互いプライバシーを確保しつつ利便性もあって良いのではないでしょうか。

▲メッセージ配信設定などを行う「SCHOOL CAST」の管理画面。
配信する日時や対象の選択が簡単にできるようになっている。 

インタビューの続きは下記よりご覧いただけます。

インタビュー全文PDFは、
下記よりダウンロードいただけます

<目次>

・緊急時に一斉連絡できる仕組みを作りたい
・多くの人が日常的に使っているLINEは負担が少ない
・学校の負担を減らすべく保護者向けの配布資料なども準備
・休校の連絡、修学旅行の中継、教職員間の連絡など活用の幅は広い
・成果は、保護者の費用負担の軽減、メールシステムの統一、緊急時の一斉連絡
・ 友だち数の増加に貢献、若い世代に市の情報が届くきっかけに
・ 市のLINE活用ノウハウを学校へ展開
・ 「ポケットの中にもう一つの市役所を」
市民と行政の架け橋にLINEの活用を広げていく

資料概要

・タイトル:別府市様事例インタビュー全文
・ページ数:全7ページ、PDF<1.8MB>

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