射水ケーブルネットワーク株式会社は、富山県射水市に本社を置く、ケーブルテレビ局です。地域情報を発信するテレビ放送を始め、インターネットサービスやMVNO事業などを行っています。地域を支えるインフラ企業として、お客さまが困ったときにいつでも対応できるよう、夜間や営業時間外はコールセンターに委託し、24時間365日問い合わせできる体制を築いてきました。

障害発生時には、同時に40~50件の電話が入り、取り切れない放棄呼が発生してしまう課題を解決すべく、2021年7月からAI電話自動応答システム「MOBI VOICE」をご活用いただいています。

「MOBI VOICE」導入の目的、運用方法や導入後の効果、今後の展開について、技術部副部長/営業企画部副部長 岡田猛史 氏にお話を伺いました。

▲上段右が岡田様、ほかはモビルスメンバー。インタビューはZoomで行いました

障害発生時の応答率50%を改善したい

―「MOBI VOICE」導入に至った経緯や目的を教えてください。

元々、営業時間外の電話対応を自社で運用していましたが、うまく回っておらずお客さまから「電話が繋がらない」とクレームをいただくことがありました。

改善のため、外部のコールセンターへの委託を始めたのですが、障害発生時には同時に40~50件の着信が来ることもあります。

コールセンターの契約回線は1~2回線のため、対応中はほかの電話が取れず、応答率が50%程と低かったため何とかしたいと考えていました。

日曜・祝日の電話は一日30~40件と比較的多めですが、営業時間外は通常一日あたり数件なので、コールセンターの回線数を増やす選択は現実的ではありません。そこで、電話の一次応答を自動化できる「MOBI VOICE」の導入を決めました。

決め手は同時着信数100件

―「MOBI VOICE」の導入に至った決め手はどのような点でしたか?

最初は自動ヒアリングした内容をテキスト化し、リアルタイムでメール受信できる機能に惹かれて検討を始めました。最終的な決め手となったのは、同時着信数100件対応できる点です。

導入の目的が障害発生時の緊急対応なので、同時に100件対応できると取りこぼしなく対応できると考えました。

これまで、障害発生時はコールセンターだけでは対応が追い付かないため、急遽夜中に社員4~5人に出てきてもらうこともあったのです。

電話を受けて「障害が発生しています」と伝えるためだけに対応していたので、この一次応答を自動化できれば、お客さまにとってもはもちろん、社員にとってもメリットが大きいと判断しました。

緊急の内容は即時に折り返しできる体制を構築

―「MOBI VOICE」のご利用シーンについて教えてください。

▲「MOBI VOICE」活用の流れ

営業時間外の電話一次応答として活用しています。テレビ、インターネット、電話サービスの不具合に関してのお問合せは、「MOBI VOICE」で必要事項を自動ヒアリングし、書き起こした内容をコールセンターにメール送信し、順次折り返し電話をかける流れです。

オペレーターがお客さまと話し、何件も同じ事象が発生した場合は障害発生として、技術担当へ連携しています。

「MOBI VOICE」でワンクッション挟むことで、対応もスムーズになっています。折り返し対応の時間を極力短くすべく、コールセンターとの契約も変更しました。

これまでは受電の回線契約だったためオペレーターの数が限られ、折り返しまでに時間がかかっていました。

折り返し対応のみのアウトバンド契約に変更し、同時に複数の電話があった場合も空いているオペレーターが即折返しをするため、お客さまをお待たせする時間を大幅に削減できています。

なお、契約内容や新規加入についてのお問合せは、担当部署へヒアリング内容をテキストデータ化したメールを送信する設定にしており、翌営業日に折り返し対応しています。

「人間が電話に出ないこと」より「繋がらないこと」の方がストレス

―運用開始までに大変だったことはありますか?

「電話は人間が対応しないといけない」という認識が会社の内部にも、お客さまにもあると考えていました。

そのため、いきなりすべて一次応答を自動化するのはハードルが高く、最初は影響の少ない時間帯から始め、次に電話件数の多い日曜・祝日の日中時間帯を切り替え…と段階を経て導入していったのです。

しかし、これまでにお客さまから「なんで人が出ないんだ」といったクレームは一度もありません。むしろ繋がらない状態の方がストレスで、自動応答でも必ず繋がり折り返しが来る状態という方が大事だったことが分かりました。

慎重に段階的に進めましたが、お客さまは思っている以上に抵抗がなく良かったです。

応答率100%、障害発生時も取りこぼしなく対応できた

―「MOBI VOICE」導入後の効果や、良かった点について教えてください。

▲導入前後の変化

応答率が格段に上がったことです。「MOBI VOICE」には月平均200件ほど受電があります。30%くらいのお客さまは最初の案内で切られていますが、70%はご用件まで吹き込んでくれています。

これまでは月数百件かかってくるうち、対応できたのは40~50%ほどでしたが、「MOBI VOICE」を入れて100%対応できています。

導入直後に障害が発生し、同時に数十本の電話がかかってきましたが、「MOBI VOICE」ですべて一次応答でき、コールセンターから一本ずつ取りこぼしなく対応ができました。

コールセンターとの連携も非常に親和性が高いと感じました。コールセンターの方も「MOBI VOICE」との連携の良さを感じてくれています。お客さまから「電話が繋がらない」といったお叱りの声をいただくことが全くなくなりました。

さらに意外な効果もありました。携帯電話からフリーコールで電話をかけてくる方が8割ほどなのですが、一件の対応が10~20分と長く、数百円ほど電話料がかかっていました。

「MOBI VOICE」で必要な用件をヒアリングした上で折り返しをすることで、対応時間も短縮できフリーコールで受電する場合と比較して一件あたりの電話料金が10分の1の数十円に削減できたのです。

▲射水ケーブルテレビンネットワークの公式サイト(https://www.canet.ne.jp/

24/365稼働のコールセンターを活かして、地域の総合窓口的な役割を担いたい

―今後の展望について教えてください。

「MOBI VOICE」導入で一番の目的だった、障害発生時の放棄呼をなくすことができました。電話一次応答を自動化することで「電話が繋がらない」といったお客さまの不安を解消でき、さらにコールセンターのスタッフや社員の業務改善や電話コスト削減といった副次効果も実感しています。

今後は、「MOBI VOICE」活用の時間を増やすことや、電話やWebフォーム以外の問い合わせ手段としてLINEの活用も考えています。

緊急時の問い合わせ電話対応の体制を作れたので、次の段階として、例えばLINE上でのチャットボットなど「電話せずともお客さまが自己解決できる仕組み」を作っていきたいです。

ケーブルテレビは地域に密着した存在です。「MOBI VOICE」を活用して、地域の総合窓口のような役割を担えないかと考えています。

例えば、インターネット回線やテレビについてだけでなく、「道路の損傷を見つけた」「水道から水漏れしている」など生活の中で困ったことがあったら、ケーブルテレビに電話する。「MOBI VOICE」で受け付けた内容をコールセンターで振り分けて、当社と連携した地元の信頼できる業者と連携をとり対応するというイメージです。

24時間365日稼働しているコールセンターを活かして、生活のお困りごとは何でも相談できる、地域の総合窓口的な役割を担っていける活用ができれば、と構想を膨らませています。

AI電話自動応答システム「MOBI VOICE」とは?

MOBI VOICEは、音声認識・音声合成エンジンを活用し、電話での問合せに24時間365日、自動で応答できるシステムです。管理画面へのログイン後、最短5分で電話自動応答サービス公開が可能で、注文や手続きの一次受付やオリジナルで作成したシナリオ・IVRでの自動音声対応や、自動発信で電話をかけ情報発信するなどアウトバンドコールも実現できます。

採用難で人手不足が深刻化するコールセンター業務や自治体の住民相談窓口、レストラン・店舗での問合せ対応を効率化し、顧客満足度やサービス品質向上をサポートします。最大で1,000件の同時対応が可能です。サービス障害・災害・新型コロナウイルスによる顧客や住民からの電話が殺到した場合にも、状況に応じて自動音声シナリオを即時作成できるため、BCP対応にも活用できます。