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全国に外食チェーン「串カツ田中」などを展開する株式会社串カツ田中ホールディングス。2008年に東京都世田谷区に「串カツ田中」1店舗をオープン後、直営店とフランチャイズで展開し現在272店舗(2020年12月1日時点)と急成長を続け、2019年には東証一部に上場を果たしています。

「大阪伝統の味である串カツを、日本を代表する食文化の一つにすること」をミッションに掲げる串カツ田中。完全禁煙の導入や小学生以下ソフトクリーム無料など家族連れでも楽しめる工夫や、「チンチロリンハイボール」など、味はもちろん何度も通いたくなる様々なサービスを展開し、常に注目を集めている企業です。

新型コロナウイルス禍でも、感染症対策を徹底しながら業務継続の両立をすべく、テイクアウト商品の強化や、他店とのコラボ商品の販売、「串カツ〇〇」と好きな名前に期間限定で変更できるネーミングライツをクラウドファンディングで募集するなど、様々な取り組みを行っています。

串カツ田中インタビュー
串カツ田中ホールディングスWebサイト:https://kushi-tanaka.co.jp
業種/事業内容/会社規模サービス業、小売業/「串カツ田中」FC本部・FC開発、「鳥と卵の専門店 鳥玉」の運営、店舗コンサルティング、EC事業/連結従業員数: 395名(2019年11月末現在)/東証一部上場(2019年6月21日)
ツールAI電話自動応答システム「mobiVoice(モビボイス)」
https://mobilus.co.jp/voice
期間2020年9月1日~(取材は導入後2か月時点)
チャネル電話
用途代表電話、人事課宛ての電話の一次応答
目的・代表電話対応の負荷軽減、業務効率化
・電話対応自動化による在宅勤務の導入
効果・代表電話、人事課の電話一次対応を月に約800件自動化
・電話対応にかかる人件費を40%コスト削減
・電話対応の業務効率化で、業務全体の生産性が向上
・在宅勤務可能な体制を構築
・採用活動のオンライン化を推進
串カツ田中インタビュー
(左から)串カツ田中 伊藤氏、山北氏

代表電話対応の負担を軽減し、効率化したい

―ご所属の部署について教えてください。

山北氏:

総務課は、総務に関わる契約や株主総会など総務関係、庶務、福利厚生、広報、お客さま相談室、一部労務や法務も担当し、幅広い内容を担う部署で、4名体制です。クレームが入ったときや近隣住民とのトラブルがあったときも総務課が対応します。

伊藤氏:

人事課は、新卒、中途、アルバイト、会社のすべての採用回りを担当している5名のチームです。入社の案内から退職の手続きまで、入り口と出口に関するあらゆる業務を担っています。アルバイトの面接は各店舗で行いますが、募集をかけるなどは人事課の担当です。

―「mobiVoice」を検討される際の目的や、抱えていた課題を教えてください。

山北氏:

「串カツ田中」は2008年に一号店を出してから今では272店舗です(2020年12月1日時点)。ハイスピードで新店舗をオープンするため、出店や営業関連など代表電話宛てに一日30~50件とかなりの数がかかってきます。これを総務課が対応していましたが、新規取引の問い合わせなど営業電話も多く、話を聞いてお断りするのに1回あたり2~3分はかかります。また、各部署への取次することも多々あり、4名の少数チームで多岐に渡る業務をしているため、代表電話対応を効率化できないかと考えていました。

次に電話が多いのが人事課です。総務課、人事課ともに個々のメンバーが非常に忙しく、取材対応や面接などで席を外すことも多々あります。そのため、不在時にフォローしてくれる他部署の人も含めて電話対応に費やす時間を削減し、ほかのやるべき仕事に集中できるよう体制を作りたいと模索していました。

また、新型コロナウイルスの影響拡大による在宅勤務導入も必要となり、そのためにも代表電話を始めとした電話管理を効率的にすることが急務となりました。

(左から)串カツ田中 伊藤氏、山北氏

自動でヒアリング・文字おこし・履歴データが蓄積できるなど、使い勝手の良さが決め手

―どのようなポイントで、導入するシステムを検討されましたか。

山北氏

最初は携帯電話へ自動転送する仕組みなどを中心に調べていましたが、会社で対応しているか外で対応しているかの違いでしかなく、結局全ての電話をとらないといけないので、これだと問題解決にはならない。まずはワンクッションおくことが必要なのではと考え、自動応答システムの検討を始めました。

―「mobiVoice」を認知していただいたきっかけを教えてください。

山北氏

以前、営業企画課で店舗の予約の自動応答を検討していたことがあり、その中の一社がモビルスさんでした。予約の自動応答は弊社側の体制が整わず、一旦保留になっています。今回代表電話の自動応答を検討する際に、経営戦略部長からモビルスさんの名前が出て、我々が抱えている課題をどのくらい解決へ導けるか相談したのが始まりです。

―導入に至った決め手はどのような点でしたか?

山北氏

様々なツールを検討する中で、文字おこしが自動ででき履歴がデータでとれる点、対応状況の確認がしやすい点など使い勝手の良さが決め手です。プッシュを押して進めていくタイプと比べて「mobiVoice」は、聞かれたことにそのまま口頭で答えるだけでよいので、トライアル時に自分で試した際もこれなら取引先やお客さまにとっても負担なく使ってもらえる、という印象を持ちました。

人材採用の機会損失にならないか懸念も解消

―導入においてシナリオ内容の作成や運用体制など、どのように決めていかれましたか?

山北氏

電話対応が多く同じ課題を持つのが総務と人事だったので、伊藤と最初に話をしました。応答のシナリオ作成は、モビルスさんからもらった案を自社に合う形にアレンジし、伊藤と相談しながら確定していきました。

―運用開始までに大変だったことはありますか?

伊藤氏

運用開始前で懸念した点だと、人事課にとって応募者からの電話は機会なので、機会を取りこぼすことがないようにすることです。電話の一次対応を自動化したことで、機会損失にならないために、どういうやり方があるか模索しました。「mobiVoice」は自動応答した内容が終話後ほぼリアルタイムでメールに届くと分かったので、それならすぐに折り返し連絡ができるので問題ないと思いました。導入後、取りこぼしなく運用できています。

串カツ田中MBV活用の流れ
「mobiVoice」活用の流れ

一次対応自動化と二次対応の運用フローの構築で、電話対応の負担を大幅に削減

―現在「mobiVoice」をご利用いただいている内容と、運用方法を教えてください。

山北氏

2つの番号を取得し「代表電話」と「人事課」宛ての電話を「mobiVoice」に転送し、一次対応を自動化しています。「代表電話」は、最初に「管理部門」「物件紹介・FC加盟」「広報・メディア対応」「営業・その他」を選択してもらい、それぞれ担当者名や用件を入力してもらうようにシナリオを作成しました。「mobiVoice」で対応した内容は、担当部署ごとにメール送信先を決めて自動送信される流れです。

そのため、総務課で対応するのは「管理部門」宛てに届いた必要な要件と「広報・メディア対応」だけでよく、代表電話の対応時間を大幅に削減できました。

自動応答のシナリオイメージ
自動応答のシナリオイメージ

―折り返し対応が必要な電話の割合はどのくらいありますか?

山北氏

「代表電話」宛ての内容は、「管理部門」「営業・その他」宛てが一番多いです。次に、「物件紹介・FC加盟」「広報・メディア対応」の順番になっています。

割合で言うと、折り返し対応が必要ない営業電話が全体の半数。残りの半数は、2分の1が各部署へ内線を回すもの、2分の1が折り返しの必要な内容です。この割合は「mobiVoice」導入前とほぼ変わらないです。

代表電話の対応負担の変化
総務課の電話対応負担軽減のイメージ

―人事課はいかがですか?

伊藤氏

「mobiVoice」で一次対応した内容を、人事課のメーリングリスト宛てにメールを自動転送されるようにしています。アルバイト、中途採用、新卒採用と担当を決めているので、各自担当の内容を確認し、折り返し電話など二次対応をする流れです。

基本的にはこのオペレーションで問題なくできていますが、「〇〇店に応募したい・応募した」というメッセージのみで、アルバイト希望か中途採用希望かわからないものもあります。担当が不明な問い合わせは、月曜日はAさん、火曜日はBさんとフォローする人を決めて運用しています。

人事課宛ての電話は、応募者からのものがメインなので、基本的に二次対応することがほとんどです。営業電話も中にはありますが、「mobiVoice」で自動応答になったことで用件を吹き込む前に切っているようで、営業電話は少なくなった気がします。

毎月約800件の電話一次対応を自動化。営業電話は削減傾向に

―月にどのくらい入電がありますか?

山北氏

最初は月1000件くらいで、今は700~800件くらいです。比率は、人事課の方が多いかもしれません。6対4くらいでしょうか。何度かけても自動応答だと諦められるようで、営業電話が減っていると感じています。

―電話が自動応答になりトラブルになったことはないですか?

伊藤氏

人事課では今のところ聞いたことはないです。「メッセージを入れたけど折り返しがこない」など、クレームなどになったことは一度もありません。

山北氏

お客さまからのお問い合わせのときに、タイムリーに繋がらず不親切ではないかと言われたことは数件あります。しかし、今回導入したことで大きな問題になったことはなく、導入理由をご説明するとご納得いただいています。

電話対応にかかる人件費を約40%削減。在宅勤務、採用活動のオンライン化推進も後押し

―導入後の効果を教えてください。

山北氏

総務課、人事課ともに多岐に渡る業務を行う多忙な部署です。人事課は面接対応で席を外すことも多く、また、Webでのお問い合わせ対応などもしています。総務課も広報対応や庶務対応で代表電話にでられないときがあります。そのときに、ほかの部署の人が対応してくれることもありました。そこも含めて代表電話対応の時間数を計算すると、電話対応に割いていた人件費の40%くらいを自動化でコスト削減できていると試算しています。人事課も含めるともっと効果があると思います。

伊藤氏

副次的な効果ですが、応募関連のオンライン化を推進するきっかけになったことです。電話が自答応答になることで機会損失をしないよう、これまで電話とWebの両方で受け付けていたものを、Webでの応募受付へ導線強化するなど、オンライン化推進の後押しとなっています。

山北氏

ほかには、在宅勤務導入を進められたことです。在宅が効果的な部署と、執務室へ出勤することで業務が可能となる部署があるので、全社的に何割がリモート対応していると明示がしにくいですが、総務課は週1~2回の在宅勤務ができています。業務機能を回転させつつ、感染の可能性を低くするための対策の一つとして「mobiVoice」が役立っていると感じています。

串カツ田中は、緊急事態宣言発令後、2週間、全店舗休業を行いました。これまでは、本社が休業になると代表電話は休業案内を流すのみで問い合わせを受けることはできませんでした。それだと人材採用の面などで機会損失が発生する懸念がありました。リモート対応をするためには、何かしら問い合わせ内容が残せる仕組みが必要だと思っていましたが、今は、「mobiVoice」がその役割になっています。

―社内からの反応はいかがでしたか?

山北氏

これまで総務課が不在のときに、代表電話の対応をしてくれていた部署にヒアリングをしました。「業務に集中できるようなった」「取引先に部署直通や携帯に電話をかけてもらう推進になり、効率化につながっている」という声を聞いています。

伊藤氏

チームメンバーからは、特に意見は出ていないです。違和感なく上手く使っているからこそだと思います。

串カツ田中インタビュー
(左から)串カツ田中 伊藤氏、山北氏

新しい価値観やサービスを提供し続ける串カツ田中の基盤を、人のチカラとテクノロジーの融合で支えていく。

―今後「mobiVoice」を活用していきたことや構想などがあれば教えてください。

山北氏

店舗の予約対応に「mobiVoice」で自答応答することも考えていますが、完全に電話対応を自動化するのではなく、ピーク時や営業時間外のみ自動対応、それ以外は電話が鳴るという切り替えを各店舗で、ボタン一つで簡単にできるようになれば良いなと思っています。串カツ田中は活気のある店なので、電話が全くならないというのも寂しい面があるので……。

ただ、最終的には固定電話を減らし代表電話のみで、「mobiVoice」でシナリオの分岐を増やして一括で管理できるとコストダウンになると思っています。直接電話対応をした方が良い場合もあるので、電話機能はなくならない。自動化と人が得意なことで役割分担できるよう、「mobiVoice」を上手く活用していきたいです。

―事業全体を通して目指されている姿を教えてください。

山北氏

串カツ田中ホールディングスは、店舗と本部、それぞれの役割が明確になっている会社です。本部は効率化を追求し、人がやらないといけないところに時間を使える体制を作りたいと考えています。例えば、クレーム対応や採用関連でメンバーの話を聞く場合は、自動応答ではなく人が電話で対話することが必要です。本部は、より人の役割に特化できるよう、作業的な時間を減らしていきたいです。また、店舗は、コロナ禍でも新しい価値観やサービスを串カツ田中として提供し続けていくことが、自社の役割だと思っています。そのためにも、自動化と人の融合など、テクノロジーを活用したシステムやサービスの導入を引き続き検討していきます。

mobiVoice