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茅ヶ崎市では、2023年2月に「茅ヶ崎市LINE公式アカウント」へLINEセグメント配信を行う「情報配信サービス(MOBI CAST)」を導入し、ご活用頂いています。

茅ヶ崎市企画政策部 広報シティプロモーション課 広報担当 隅田氏、同 豊原氏に導入の目的や運用方法、今後の展望についてお話を伺いました。

人口規模245,157人(2023年6月1日現在)
お友だち数49,501人(2023年6月19日現在)
導入製品「情報配信サービス(MOBI CAST)」

※インタビューは 2023年6月9日に行いました。

左から、茅ヶ崎市企画政策部 広報シティプロモーション課 広報担当 隅田氏、
モビルス営業担当 藤田

LINE公式アカウントを始めた経緯について教えてください

豊原氏:

LINE公式アカウントは2020年4月に開設しましたが、最初は行政改革推進室が担当でした。他自治体がLINEを活用している中で、茅ヶ崎市でもニーズが高まっているということが予想でき、LINEで情報発信をしてみてはどうかということで、運用を始めました。

運用については想定できない部分もあるので、最初は全市民に関わりのある防災情報や大規模イベント情報など大きな情報を配信する想定でした。

藤田:

防災情報や大規模イベント情報の配信から始めて、今年で約3年目になると思います。お友だち登録者数はもうすぐ5万人となりますが、例えば年代層などについては、どういう人が多いのですか?

豊原氏:

茅ヶ崎市民の方が多く、年代は40代、50代の方が中心です。最も大幅に増加した要因は、新型コロナウィルスワクチン案内の封筒に、新型コロナウィルスの情報をLINEで発信していると掲載したことです。そこで2万人から4万人まで急激に増加しました。その後は、徐々に増加している形です。

LINEニーズが高まる中、どのように情報配信を行うか

今春に弊社製品を導入頂きましたが、解決したいと思っていた課題、導入時にあたって重視された点について教えてください。

豊原氏:

LINEのニーズが高まっている中で、増加する登録者に対してより「細かな情報発信」が必要なのではないかという話がありました。庁内でも、LINEで様々な情報発信をしたいという話は出ていたのですが、利用者のニーズと配信内容のギャップによるブロックなどを考えると、市民の方に広く影響がある情報を配信することとしていました。。ただ、登録者の増加を見ると、やはり利用者である市民も情報が欲しいと思っているということで、「細かな情報発信」ができるように製品を取り入れるという形になりました。

隅田氏:

コロナの施策についても、対象者を限定しているものが多かったのですが、当時のLINEでは対象者ごとに情報発信をすることができなかったので、広く市民の方に影響がある施策を中心に配信していました対象者を区分できないことから、各課のターゲットを絞った取り組みを中々発信できていなかったので、区分ができて良かったです。

隅田氏:

導入した結果、モビルスの製品は、受信設定画面で例えばある分野を選択すると画面が遷移し、階層を辿ることができ、操作性が高いと思います。他社はスクロールがかなり長くなり、利用者の方が使いにくいのではと考えていました。

豊原氏:

受信設定のチェック入力操作をしていると、途中で何をどこまで行ったのか忘れてしまうこともあります。項目ごとに遷移する形の方が、利用者の方も使いやすいのではないかと思います。

行政目線ではなく、利用者目線にこだわったセグメント分類やメッセージ設計

運用体制や工夫されているポイントについて教えてください。

藤田:

このセグメントの分類方法については、広報課内で計画されたのでしょうか?

隅田氏:

導入時に各課へ発信の可能性調査を行った際に、大まかな規模感も把握して、その上で親和性のある分野ごとに分類しました。担当課の使いやすさも重要なので、担当課とも協議しました。その中で特に子育て関係は議論が必要でした。子供は年代によって受けられるサービスが違うので、年代をどう区切るかという問題があったのです。

豊原氏:

どうしても行政目線で発信したくなるところもあるので、例えば社会教育課だから子供の分野などと決め付けることにならないように、こちらである程度の分類は決めてから各課との協議に臨みました。

藤田:

配信までの流れは、各課から発信したいというリクエストなどが広報課に来て、それを広報課から配信しているのでしょうか?

隅田氏:

さきほどの発信の可能性調査の際に、例えばイベントや講座を開催するために多くの発信が想定された課にはアカウントを付与して、そこから配信できるようにしています。

藤田:

広報課を通さず各課で配信しているのですね。

隅田氏:

その通りです。ただ、方針については一定のお願いはしています。例えば、長い文章は見づらいので、リッチメッセージで送って詳細はホームページに誘導するようにといったことです。一定のルールを決め、お願いをした上で各課にアカウントを付与しているので、今のところは順調です。

藤田:

例えば1日に何回配信するといったコントロールなども行っているのでしょうか?

隅田氏:

1回の配信に1メッセージで、1日に「8時半、12時、16時」の3回と決まっています。

kintoneで、配信スケジュールをカレンダーで管理するようにしています。各課がそのカレンダーを見るとすぐにスケジュールがわかるので、重複している場合は、後から登録した課の担当者が元の予定があった課に電話をして、調整してもらうようにしています。

豊原氏:

また運用の際に気を付けているポイントとしては、『テキストメッセージを避け、送信するのは「リッチメッセージ」か「カードタイプメッセージ」を基本とする』という事を各課にも強くお願いしています。テキストメッセージはごみ収集日の配信と災害情報のみです。

隅田氏:

利用者の方に「読ませる」という事ではなく「視覚的に訴える」ことを優先しています。リッチメッセージが1日3回配信されることで、「市から大量にメッセージが届いている」という印象を持たせないようにしています。

豊原氏:

例えば「昼休みは見てもらえるので、12時に大量の配信をする」となると最新のメッセージしか見てもらえません。便利だからといって配信しすぎるとブロックにつながるので、そうなると配信しても意味がありません。そのような事態をさけるために、各課にも説明しています。

豊原氏:

またセグメント配信とはあまり関係ないのですが、工夫している点としては、以前からこのリッチメニューの部分を災害時には変更するようにしています。

フェーズ1では黄色にして、防災情報を出します。フェーズ2以上になると、更に避難所情報検索ができるようにしています。

災害情報が出る時には切り替えを行って、自分で情報を入手できる仕組みにしているのは、LINEでできる工夫かと思います。リッチメニューを複雑化できるほどの予算はなかったので、我々が色を変更しています。

藤田:

職員が手動で切り替えているのですね。

豊原氏:

はい、LINE本体のアカウントで切り替えを行っています。

全体登録者を増やしながら、セグメント設定者数も増やして反応を上げる

導入効果として、ウォッチされているポイントや反応について教えてください。

セグメント配信のシステム概要図※
※詳細はこちらのプレスリリースをご覧ください。
2023年6月19日発表 <茅ヶ崎市のLINE公式アカウントに、モビルスの自治体向けソリューション「情報配信サービス」を提供>
https://mobilus.co.jp/press-release/34219

隅田氏:

まずは全体の登録者数を増加させて、セグメントの設定者数も合わせて増加させていくというように考えています。ですのでお友だち数とセグメント配信数は見ていますが、どのくらいになれば適正など、目標値をどこに置くか検討しているところです。

もう少しで5万人なので、市民の五分の一となります。Twitterのフォロワー数が約2万人なので、それと比較すると多くの方にお友だちになって頂いています。

セグメントの設定者数は、これまで全体にお知らせの配信を行い、3000人から6000人となりました。このような周知はどのくらいの頻度で行えばよいのか、今後モビルスさんにアドバイスを頂きながら目標値も設定していきたいです。

藤田:

アカウント事態の周知は、どのようにして行っているのでしょうか。

隅田氏:

セグメント配信を導入をしたタイミングで、設定の案内を市のホームページやサイネージなど様々なところに出しました。また、よく協力していただいているイオンモールなどのサイネージにも出しました。あとは地道に公民館に行き、スマホ講座などの参加者にチラシを渡しています。

豊原氏:

定性的な効果としては、例えば、「アンケートのご案内」を送信するとその後の回答数が増加したり、「イベントのご案内」を送信するとその後で申込枠がすぐ埋まったり、という効果は各課から聞いています。

イベントの開催が始まってきたタイミングなので、セグメント配信を導入しておいて良かったと思っています。

市民との双方向コミュニケーションを目指して

今後の展望について教えてください。

隅田氏:

まずは既存のセグメント配信を充実させていきたいと考えています。

モビルスさんの製品を入れているところを生かして、オプションなどを含めてどういう拡充の可能性があるのかは探っていきたいと思っています。

藤田:

本日はお話をお伺いする機会を頂き、ありがとうございました。

今後も市民との双方向コミュニケーションを実現できるよう、サポートさせて頂けますと幸いです。