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株式会社山陰合同銀行|有人チャットの解決率90%達成と生成AI活用で加速する、プロフィットセンターへの進化

視覚的な導線設計とセキュアな対話基盤で、地方銀行の枠を超えた顧客体験(CX)を追求する

地方銀行の枠を超え、先進的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する株式会社山陰合同銀行。2024〜2026年度の中期経営計画では「オムニチャネルプロジェクト」を掲げ、コンタクトセンターシステムの刷新をはじめとする多角的な施策を展開しています。

その一環として、2025年3月より有人チャット「MOBI AGENT(モビエージェント®)」やチャットボット「MOBI BOT(モビボット®)」、最適な窓口へ導く「Visual IVR(ビジュアルIVR)」を導入。さらに、生成AIを活用したオペレーション支援AI「MooA®(ムーア)」や、チャットサポートの運用におけるセキュリティリスクに対応した「Security Suite®(セキュリティスイート)」を組み合わせた高度な運用を開始しました。

導入の背景から具体的な運用、成果と今後の展望まで、プロジェクトを牽引するリーダー陣から現場の最前線に立つオペレーターの方々まで、計8名の皆さまにお話を伺いました。

※上部写真:(左から)株式会社山陰合同銀行 今村氏、長岡氏、林氏、土江氏、池田氏
※記事中の肩書や内容はインタビュー当時(2026年4月9日)のものです。

山陰合同銀行さまの事例紹介をまとめた導入事例PDFは
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企業プロフィール

事業内容
銀行業
用途
・ホームページ上でのお困りごと軸での問い合わせ入口の構築
・コンタクトセンターでのチャットでの問い合わせ対応
・チャットでの応対履歴の自動要約
・本人確認を伴う手続き
導入時期
2025年3月

導入サービス

課題

  • 若年層のニーズに対応する「ノンボイスチャネル」の拡充:20代〜30代のオンライン解決ニーズに応えるため、電話以外の接点強化が急務となっていた。
  • 月間2万件の受電集中によるCXの低下:営業店やセンターへの電話集中により、お客さまが回答に辿り着けず、自己解決率や顧客体験(CX)が低下する懸念があった。
  • 応対履歴作成にかかるオペレーターの業務負荷:多岐にわたる問い合わせ内容を要約し、システムへ登録する作業が、現場の大きな負担となっていた。

施策

  • 「Visual IVR」による最短導線の構築:問い合わせ内容に合わせ、最適なチャネル(FAQ・チャット・電話)へ迷わず誘導し、自己解決を促進。
  • 有人チャット「MOBI AGENT」の開設:FAQでは解決困難な複雑な相談や、人に寄り添う丁寧な対応をノンボイス領域で実現。
  • 生成AI「MooA」による履歴要約の自動化:チャット応対後の要約・登録作業をAIで自動化し、後処理時間の大幅な短縮を図った。
  • 「Secure Path」「Secure MFA」による厳格な情報管理:個人情報を含む問い合わせでの安全な取り扱い、SMS二段階認証による本人特定、情報の即時削除・アラート機能を組み合わせ、個人情報の履歴を残さない銀行水準の高セキュリティな運用を徹底。

効果

  • 「お困りごと」軸のメニュー構成で利便性が向上:お客さまが直感的に窓口を選べるようになり、最短ルートでの問題解決が可能になった。
  • 後処理の自動化により、付加価値の高い業務へ注力:事務負荷の軽減により、オペレーターがお客さまとの対話や営業活動により集中できる環境を実現した。
  • 有人チャット解決率約90%を達成:応答率99%という高い水準を維持しつつ、ノンボイスを望む層のCXを改善した。

非対面での顧客接点強化を推進、月間2万件の受電集中によるCX低下と現場の負荷を解消

ーはじめに、担当されている業務内容について教えてください。

池田氏:ダイレクトチャネル部にてDX推進を軸に、Visual IVRの運用・改善やオムニチャネル化の基盤づくりなど、システム面全般を担当しています。


今村氏:私は主に、DX推進やオムニチャネル戦略に紐づく企画立案に携わっております。


土江氏:コンタクトセンター全体の統括役として、オペレーターのモチベーション向上や組織運営といった、マネジメント全般を担うのが私の役割です。


長岡氏:インバウンド(受電)業務の統括に加え、生成AIによる問い合わせ理由(コールリーズン)分析やよくある質問(FAQ)改善など、現場視点でのDX化を推進中です。

ダイレクトチャネル部 コンタクトセンターグループ グループ長 土江 真弓 氏

ー弊社製品導入前に、直面していた課題を教えてください。

土江氏:銀行業は伝統的に対面営業が主体でしたが、デジタル化の加速に伴い、対面と非対面を融合させたハイブリッドなサービス提供は喫緊の課題でした。当行でも、中期経営計画のDX戦略における中心施策として「オムニチャネルの推進」を掲げ、顧客接点の強化に努めています。デジタルバンク『DanDanBANK』や地域デジタル通貨『さんいんウォレット』といった非対面領域の新サービスを拡大する中で、コンタクトセンターの果たす役割はかつてないほど重要になっています。


池田氏:当時、センターには月間約2万件もの入電がありましたが、その多くは営業店の代表電話から転送されたものでした。電話が主流である一方で、20代から30代のお客さまを中心に「オンラインで解決したい」というニーズも高まっており、これらに効率よく対応できるコミュニケーション基盤の構築が不可欠だと判断。単なるシステムの更改に留まらず、各チャネルの導線設計や生成AIの活用までを見据え、顧客満足度・生産性・収益性・従業員満足度のすべてを向上させるための刷新に着手したのです。


また、CXの観点でも課題がありました。ホームページ上で知りたい情報にスムーズにアクセスできず、お客さまが回答に辿り着けないケースが散見されていたのです。単に電話番号が羅列されているだけでは、とりあえず一番上の番号にかけてしまい、結果として担当窓口につながらない誤入電を招く懸念も抱えていました。

ダイレクトチャネル部 副部長 池田 信行氏

長岡氏:現場オペレーターの業務負荷も、解決すべき大きな課題の一つでした。電話応対後に内容を要約し、顧客管理システム(CRM)へ正確に履歴を入力する作業は、多大な時間と労力を要するものです。問い合わせが多岐にわたる中、経験の浅いオペレーターにとっては「どの情報を履歴に残すべきか」という判断自体が、決して小さくない心理的負担となっていました。


銀行水準のセキュリティを確保、Visual IVRにより最短・最適な窓口へ案内

ー課題に対して実施した解決策と弊社製品の導入理由について教えてください。

土江氏:まず着手したのは、コールリーズンの分類と可視化です。既存のFAQと応対履歴データを突き合わせ、解決率の低い項目を特定して改善を実施しました。その上で、お客さまが迷わず自己解決できる環境を整え、最適なチャネルへ最短で誘導する仕組みとして「Visual IVR」を導入しています。


メニュー構成には分析結果を反映させ、緊急度や難易度に応じた四つのカテゴリーに分類しました。カード紛失などの緊急要件は即座に電話オペレーターへ、FAQで解決可能なものは直接該当ページへ導く設計です。視覚的な分かりやすさを追求し、最短・最適な窓口につながる動線の構築を目指しました。

Visual IVRでの問い合わせ導線の最適化
(問い合わせ理由を分析し、「重要度/緊急度」「問い合わせの難易度」に応じて最適な問い合わせ導線を設計→顧客目線での問い合わせ理由をVisual IVRへ反映)

同時に、ノンボイス領域の強化として「MOBI AGENT」による有人チャットも開始しました。ボット単体では解決に至らず、かえってCXを損ねるリスクもありますが、有人対応であればFAQでカバーしきれない細かな悩みも拾い上げられます。電話以外の手段を望むお客さまに対し、対面に近い安心感と最適な窓口を提供したいと考え、導入を決めました。


池田氏:銀行という特性上、チャットにおいても厳格なセキュリティの確保は絶対条件です。そこで、本人確認や連絡先の取得を安全に行える「Secure Path」と多要素認証が可能な「Secure MFA」を採用しました。入力情報をシステムに残さずその場で消去できる機能など、モビルスの高いセキュリティ品質が当行の厳しい要件と合致したのです。

今村氏:あわせて、後処理時間(ACW)の削減と業務効率化を目的に、「MOBI AGENT」と「MooA」を連携させて、有人チャットの会話履歴を生成AIが自動要約する機能を活用しています。これにより、応対品質の均一化を図るとともに、オペレーターの負荷軽減を同時に実現したいと考えています。

デジタルチャネルの問い合わせの流れ
(①「Visual IVR」で最適な問い合わせ先へ誘導、②チャットボット「MOBI BOT」で事前ヒアリング、有人チャット「MOBI AGENT」で問い合わせ対応、④オペレーション支援AI「MooA」でチャット履歴を要約、⑤顧客管理システムへ入力、※本人確認を伴う問い合わせや手続きの場合は「Secure Path」「Secure MFA」を活用)
ダイレクトチャネル部 チャネル戦略グループ 副企画役 今村 美穂 氏

生成AIによる自動要約で負荷を軽減、有人チャットによる丁寧な対応と提案に専念

ー弊社製品のご活用方法について教えてください。

池田氏:以前は電話番号が並んでいるだけでしたが、「Visual IVR」の導入により、『店舗の営業時間』『ATMの場所』『カード紛失』といった「お困りごと」を軸としたメニュー構成に刷新しました。紛失など緊急性の高い要件は即座に電話へ、一般的な内容はFAQ、アプリ操作などは有人チャットへ。コールリーズンに合わせた明確な導線分離を図っています。


また、大型連休の案内や新商品のキャンペーンなど、時期に応じて表示内容や導線を柔軟に変更できる点も大きな特徴です。これらを自社内で完結させ、常にタイムリーな運用を徹底しています。


山田氏:チャットで承る内容は、アプリの操作方法やワンタイムパスワードの設定、振込方法からローンの相談まで多岐にわたります。また、「MOBI AGENT」の定型文機能を用いて、新入社員向けの口座開設キャンペーンやクレジットカードのご案内などをクロスセルとしてご提案することも。必要な情報を即座に送れるこの機能は、非常に便利ですね。1人のオペレーターが最大3人のお客さまへ同時並行で対応できる点も、チャットならではの強みと言えます。


他部署から折り返し電話が必要な場合では、「Secure Path」の出番です。専用の入力フォームを通じてお客さまの連絡先を安全に頂戴し、対応が完了した段階で個人情報をその場ですぐに削除する運用を徹底しています。
さらに「Secure MFA」を活用し、SMSによる二段階認証でログイン時の本人特定を確実なものにしています。また、万が一、個人情報の削除対応が遅れていても「Secure Path」のアラート機能で認識できるため削除漏れを未然に防げる仕組みです。履歴に一切残らないこの仕組みは、現場の私たちにとっても非常に大きな安心感につながっています。

有人チャット窓口での本人特定の流れ
(①Webページでお問い合わせを開始、②手続きメニューを選択、③詳細な希望手続きを選択、④有人チャットオペレーターへ接続、⑤高セキュリティ環境に遷移し、顧客にて個人情報を入力、⑥生成AIにて、有人チャット対応後応対履歴を自動で要約し、カテゴリー分類を行う)

池田直美氏:「MooA」の生成AIによる要約機能は、今や日々の業務に欠かせない存在です。以前は応対が終わるたびに、「どうまとめようか」「どの情報を残すべきか」と頭を悩ませる時間もしばしばありました。導入後はAIが自動で要約文を作成してくれるため、私たちはそれをコピーしてシステムに貼り付けるだけで作業が完了します。


涌田氏:自分で考えるよりも断然早いですし、参照したFAQの番号まで正確に組み込んでくれるので、業務負担は圧倒的に軽くなりましたね。

コンタクトセンターの現場オペレーターの皆さま
(左から)長岡 晃代 氏、池田 直美 氏、涌田 美佳氏、山田 由起子 氏

有人チャット解決率約90%でCX向上、創出した時間を営業に投じプロフィットセンターへ

ーコンタクトセンターの業務の変化や成果はいかがでしょうか。

長岡氏:「Visual IVR」の導入により、お客さまの自己解決率が向上し、誤入電も減少したと実感しています。問い合わせたい内容をご自身で選んで正しい窓口へ迷わず進めるようになったことが、顧客満足度の向上に結びつきました。


また、ホームページ上のチャット入口を分かりやすく配置したことで、問い合わせ件数は倍増し月間500件に到達。応答率は99%を維持しています。病気などで声が出せないお客さまにも活用されており、ユニバーサルな顧客接点としても重要な役割を果たしています。


池田氏:チャット経由のお問い合わせは、その場での完結を目標に丁寧な有人対応を徹底してきました。その結果、解決率は89%に達し、約9割の案件をチャット内で完結できています。電話を敬遠されるお客さまに便利な手段を提供できたことは、CX向上において大きな効果があったと考えています。

ダイレクトチャネル部 コンタクトセンターグループ 副企画役 長岡 晃代 氏

長岡氏:すべて自社内で行うインハウス運営という強みを活かし、当行では研修に大変力をいれています。ツール導入当初はインターフェースの変化に戸惑う声もありましたが、一人ひとりに寄り添い、メンタル面までサポートしながら共に業務に取り組んできました。その甲斐あって今では全員がシステムを使いこなし、「導入されて本当に楽になった」という喜びの声が多数上がっています。


山田氏:即座の返答が求められる電話に対し、チャットはテキストベースです。内容を読み解きながら調べたり、隣の席で『何て答えたらいい?』と相談したりする猶予があります。管理者(スーパーバイザー)への引継ぎ・相談(エスカレーション)は電話でも可能ですが、オペレーター同士で気軽に助け合えるのはチャットならではです。この環境は精神的にも非常に大きな支えになっています。


長岡氏:回答例やFAQの改善を絶えず行うことで現場の負荷を軽減し、従業員のモチベーションや、さらなるスキル向上にも結びついていると考えています。


土江氏:私たちが目指すのは、従来の事務集中部門から営業推進を担う「プロフィットセンター」への変革です。DXによる効率化で生み出した時間を、アウトバウンドや新しいデジタル業務へと充当する。今回の施策はまさにその狙い通り、CXと顧客満足度の向上、そして業務効率化を同時に実現しました。受電の少ない時間帯に営業提案の架電を行うなど、現場のオペレーターも非常に前向きかつ積極的に取り組んでくれています。

ー弊社のセールスやカスタマーサクセスのサポート体制はいかがでしたか?

池田氏:システム的な障害が圧倒的に少なく稼働率が非常に高いため、安心して業務に集中できる環境が整っており大変助かっています。営業やサポートの担当者も、常に丁寧かつスピーディーに対応してくださり、非常に心強い存在です。

ー今後の展望を教えてください。

池田氏:オムニチャネルプロジェクトを通じて、非対面接客の質を対面と同じ高いレベルまで引き上げることが私たちの目標です。単なる問題解決のツールに留まらず、お客さまに徹底的に寄り添い、「何でも聞いてください」と胸を張って言えるような親切なサービスを提供することで、CXを極限まで高めていく構えです。

山陰合同銀行が目指すオムニチャネル全体像のイメージ

林氏:技術的な展望としては、月間2万件にのぼる電話対応のさらなる最適化を見据えています。現在、電話でお受けしている問い合わせの中で自己解決が可能な領域については、生成AIを活用したAIエージェント型ボイスボットの導入も検討中です。最新テクノロジーを駆使し、お客さまを最短・最適な窓口へご案内できる環境を一層強化していきたいと考えています。

執行役員 ダイレクトチャネル部 部長 林 朱美 氏

当事例のサービス紹介

ご導入いただいたサービスの資料はこちらからご覧いただけます。

有人チャットシステム「MOBI AGENT(モビエージェント®)」は、回答支援機能や生成AIによる後処理業務(ACW)の短縮、個人情報への配慮、ダッシュボード機能など、オペレーターに優しい支援機能が充実したチャットサポートシステムです。

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チャットボット「MOBI BOT(モビボット®)」は、7年連続国内売上シェアNo.1のチャットボットシステムです。AI、CRMやRPAなど外部システムと柔軟に連携でき、問い合わせ対応から手続き処理まで自動化できます。
※出典:株式会社アイ・ティ・アール 「ITR Market View:対話型AI・機械学習プラットフォーム市場 2024」

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Visual IVRは、問い合わせ導線の入口にボタンかQRコードを配置するだけで、電話に集中しがちな問い合わせを、FAQやチャットボットなどの適切な対応窓口に誘導できます。

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Security Suiteは、チャットサポートの運用におけるセキュリティリスクに対応した3つの機能があります。個人情報入力の保護や二段階認証によるなりすまし防止など、個人情報の取得・管理において最高レベルのセキュリティ水準を実現します。

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MooA®(ムーア)は生成AIや独自のAI技術によって、オペレーターの応対業務の負担を軽減し、総対応時間(AHT)の短縮化とVOCの活用を促進するオペレーション支援AIです。

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