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オンライントラベル株式会社|高速バスの電話問い合わせ窓口にボイスボット導入 月間呼量が約1.3倍に増加も、有人電話応対件数の割合と応対人数を約30%削減

繁忙期の柔軟な人員調整が可能になり、業務の負荷軽減により全社的な効率化を実現

オンライントラベル株式会社は、2025年6月にボイスボット「MOBI VOICE(モビボイス®)」を導入し、同社が運営する高速バスの検索・予約が可能なポータルサイト「高速バスドットコム」で音声自動応答サービスを開始しました。現在は、高速バスの「予約変更受付」「キャンセル受付」「遺失物の照会」「メールの再送」の業務で活用しています。「高速バスドットコム」は、約160社・運行する3,000便以上から予約可能な高速バス・夜行バスの予約ポータルサイトです。

今回は、「MOBI VOICE」の導入の背景や運用方法、導入効果や今後の展望などについて、コールセンター責任者 老山 玲奈 氏と、マーケティング及び財務担当の赤澤 雅史 氏にお話を伺いました。

※上記写真:オンライントラベル 老山氏、赤澤氏
※記事中の肩書や内容はインタビュー当時(2025年9月17日)のものです。

企業プロフィール

事業内容
バス・レンタカー・オプショナルツアーの検索・予約が可能なポータルサイト・アプリの運営、地域特化型観光情報サイトの運営等
用途
高速バスの「予約変更受付」「キャンセル受付」「遺失物の照会」「メールの再送」の電話対応業務を自動化
導入時期
2025年6月

導入サービス

  • 音声認識
  •       
  • エージェント
  •       
  • チャットボット

課題

  • 「高速バスドットコム」では、電話での問い合わせも受け付けており、深夜や日曜祝日など営業時間外の問い合わせが入ることがあった。
  • 繁忙期には一時的に急増する電話問い合わせにコールセンター担当者以外にも対応依頼をすることがあった。
  • 限られた人数で電話での問い合わせに対応するには、応答率やユーザビリティの維持と、オペレーターの業務負担軽減の両立が急務だった。

施策

  • 電話対応の効率化のために「MOBI VOICE」を導入し、電話での「キャンセル受付」「予約変更(キャンセル・ニューブック)受付」「遺失物の照会」「メールの再送」を自動応答化。
  • 営業時間内に限られていた一部の問い合わせ対応を、24時間365日可能に。

効果

  • 前年同月比で月間呼量が約1.3倍に増えたものの、ボイスボットで総呼量34%の自動受付を完結。有人対応件数の割合を28%削減。
  • 問い合わせ対応の人員を、稼働人数ベースで月間27%削減。
  • 繁忙期でも柔軟に人員体制を調整できるようになり、他部門からの人員応援が不要に。電話以外のチャネル対応にも注力。
  • 業務の負荷軽減で、全社的な業務効率化とスキルアップに貢献。

繁忙期には他部門からの応援も…。電話応対業務の効率化が急務

―担当されている業務内容について教えてください。

老山氏:コールセンター対応、お客さまサービスなどの責任者をしています。

赤澤氏:マーケティング及び財務全般を管掌しています。

ー弊社サービス導入前の課題や背景を教えてください。

老山氏:当社では、高速バス・夜行バスの検索・予約が可能なポータルサイト「高速バスドットコム」を運営しています。当社のコールセンターの営業時間は、月曜日から土曜日の10時から17時です。
一方で、多くの高速バス・夜行バスは夜間に出発するので、どうしても営業時間外の深夜や土日祝日にお電話をいただくこともあります。そのため、営業時間外にお問い合わせをいただくケースも少なくありませんでした。


そこで、2020年にお問い合わせ対応のチャネルとして、先行して有人チャット「MOBI AGENT」とチャットボット「MOBI BOT」を導入しました。


一方で、やはりお電話でのお問い合わせも一定数あります。限られた人的リソースでお電話でのお問い合わせにも対応する必要があり、応答率や利便性の維持ひいては向上と、オペレーターの業務負担の軽減を両立することが課題でした 。そのため、電話応対業務の効率化が急務でした。


赤澤氏:そこで、すでに導入していた「MOBI AGENT」「MOBI BOT」で効果が出ていたこともあり、厚い信頼を寄せていたモビルスさんのボイスボット「MOBI VOICE」を導入することにしました。

オンライントラベル株式会社 コールセンター責任者 老山 玲奈氏

ー弊社サービスの運用状況について教えてください。

老山氏:「MOBI VOICE」は、四つの用途で利用しています。


一つ目は、「キャンセル受付」です。「高速バスドットコム」では、ご予約日の二日前まではサイト上からキャンセルを行うことができます。従来はお電話をいただいて有人対応でキャンセルを承っていました。しかし、「MOBI VOICE」導入後は、コールセンターの営業時間外も含めて、24時間365日自動応答でキャンセル受付ができるようになりました。


二つ目は、「予約変更(キャンセル・ニューブック(新規予約)※1)受付」です。サイトからの変更受付期限を過ぎているご予約について、キャンセル及び変更希望のバスに関する情報を自動音声でプリヒアリングしています。その後、ヒアリングした内容を基にご予約の変更内容をメールでご案内しています。


三つ目は、「遺失物の照会」です。お忘れ物をしたお客さまからのお問い合わせには、ご乗車になったバスの運行会社の問い合わせ先を自動応答でご案内できるようにしています。


四つ目は、「メールの再送」です。予約完了をはじめとするメールの受信を確認できないというお客さまに対して、メールの再送手続きを自動化しました。お電話口で予約時の電話番号や予約番号を入力していただき、予約データを照会して登録されているメールアドレスを自動音声によって復唱した上でメールを再送しています。

※1 キャンセルした座席数と同じ数の座席を再予約すること

オンライントラベルさまでの電話自動応答の流れ

前年同月比で月間呼量が約1.3倍に増加。一方で、総呼量34%をボイスボットで自動応答し完結、有人対応件数の割合と応対人数を約30%削減

ー「MOBI VOICE」導入で解決できたことをお教えください。

老山氏:2024年7月の月間呼量※2は6,327件で、2025年7月は8,185件でした。一方で、そのうち有人対応件数は2024年7月が3,708件だったのに対して、2025年7月は2,512件です。そして、「MOBI VOICE」の導入によって2025年7月は、前年と比較して増加した呼量も含めた総呼量の34%の2,768件を自動応答で完結することができました。総呼量の3分の1以上を自動応答で完結できた結果、前年と比べて月間呼量が約1.3倍に増えたにも拘らず、有人対応件数の割合は31%となり28%も削減することができたのです。


この導入により、営業時間外も含めて、お客さまのご要望をより迅速に解決できるようになり、利便性が向上しました。

応対件数の比較

加えて、大幅な業務効率化にもつながりました。具体的には、コールセンターの対応人数を、月曜日は8名から7名(1名減)、火から金曜日は7名から5名(2名減)、土曜日は6名から4-5名(1-2名減)へと、それぞれ削減しました。月間稼働人数ベース※3で27%の削減となるので、これは大きな導入効果です。

応対オペレーター数の削減効果

また、お客さまとのメールでのやり取りも簡素化することができました。例えば便変更も、従来はまずお客さまから便変更に関するお電話をいただき、その後オペレーターからご案内のメールをお送りし、それをお客さまにご確認いただいて再度お電話いただいて…といったやり取りが必要でした。しかし、「MOBI VOICE」の導入後は、ほぼ自動応答で完結できるようになりました。これも、大幅な業務効率化と対応人数の削減につながった要因の一つですね。


また、従来は特に繁忙期には他部門にも応援を頼んでお問い合わせ対応にあたることも珍しくありませんでした。しかし、「MOBI VOICE」の導入後はそういったこともなくなりました。コールセンターチームのメンバーも、電話・メール・チャットといった対応数が減少したことで、他の業務に注力できるようになりました。一部のアルバイトスタッフでも他のチームの業務を手伝うなど、スキルアップの機会にもつながり始めています。コールセンター業務だけではなく、全社的な業務効率化にもつながっていると感じています。

※2 一定時間内に通信回線がどれだけ占有されていたかを示す指標のこと。電話の1回の通話(「呼」)の合計時間を単位時間で割った値で表す。
※3 稼働人数は2025年7月の営業日数26日で算出しています。

―「MOBI VOICE」をご使用いただいた感想を教えてください。

老山氏:お客さま目線では、営業時間外にもキャンセルや予約変更などが可能になったので、利便性が向上したと感じています。「高速バスドットコム」が、よりユーザビリティの高いポータルサイトになりました。


従業員目線では、「天候不順のような突発的なキャンセルが急増する日も含めて、有人応対の件数が抑制されたことで、多数の電話問い合わせに対応する負担がなくなって、とても助かっている」といった喜びの声が挙がっています。その結果、「MOBI AGENT」での有人チャット対応をはじめとする他のチャネルでのお客さま対応にも集中できる体制が整ったという相乗効果も生まれています。


赤澤氏:モビルスさんによる導入前後のご支援にも大変満足しています。


ボイスボットによる応答自動化をめざして、導入時にはデータベースとシステム連携するため、当社の要望通りにスクラッチ開発※4で対応いただき、スケジュール通りに運用を開始することができました。


導入後の運用についても、非常に柔軟に対応いただいており、とても満足しています。開発部門のエンジニアの方に直接お電話させていただくこともありますね。エンジニアの方と導入企業の担当者が直接お話しできるというケースは、なかなか無いのではないでしょうか。


仕様や設定方法についてお伺いすることもあります。特に細かな仕様やデータベースとの連携などについては、ご担当の方を挟んでエンジニアの方に相談するという又聞きになると、時間を要したり、正確にすり合わせをすることが難しいという場合もあります。その点、モビルスのエンジニアの方は、いつも直接、迅速かつ的確にご回答いただけるので「やりたいこと」をスピーディに実現することができています。

※4 サービスなどを「ゼロからオーダーメイドで作る」開発方法のこと

オンライントラベル株式会社 マーケティング及び財務担当 赤澤 雅史氏

AIの活用で、問い合わせ自動応答のさらなるユーザビリティ向上へ

ー今後の活用の展望について教えてください。

赤澤氏:今後は、先日お伺いしたベクトル検索型※5チャットボット「MOBI BOT AI Vector Search(モビボット エーアイ ベクター サーチ)」の導入を前向きに検討しています。「MOBI BOT AI Vector Search」を導入することで、お客さまがFAQ(よくある質問)サイトで入力した単語とFAQの単語が一致しなくても候補回答の提示が可能になり、自動でキャンセル予約が可能になるといった形で、より高度な自己完結と利便性の向上をめざしたいと考えています。現場も熱望しているので、これは早期に実現したいと考えています。

※5 ベクトル検索:テキストや画像などの様々なデータを数値のベクトルに変換し、そのベクトル間の距離や角度を計算して、意味的に類似した情報を効率的に見つけ出すAI技術のこと

―今後のさらなる取り組みに向け、引き続き尽力してまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!

当事例のサービス紹介

ご導入いただいたサービスの資料はこちらからご覧いただけます。

MOBI VOICE(モビボイス®)は、電話の問い合わせ対応をAIで自動化するシステム連携に優れたボイスボットシステムです。AI連携による高度な自動応答と、PBXやCRM、個別DB連携など、拡張性に富んだ運用によって、CX向上が実現できます。

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有人チャットシステム「MOBI AGENT(モビエージェント®)」は、回答支援機能や生成AIによる後処理業務(ACW)の短縮、個人情報への配慮、ダッシュボード機能など、オペレーターに優しい支援機能が充実したチャットサポートシステムです。

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チャットボット「MOBI BOT(モビボット®)」は、7年連続国内売上シェアNo.1のチャットボットシステムです。AI、CRMやRPAなど外部システムと柔軟に連携でき、問い合わせ対応から手続き処理まで自動化できます。
※出典:株式会社アイ・ティ・アール 「ITR Market View:対話型AI・機械学習プラットフォーム市場 2024」

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