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クオリカ株式会社|社内ヘルプデスクの受託運用にボイスボット導入で繁忙期の入電数30%削減、呼量急増時と人手不足の課題解決へ

ボイスボット実装コールジョブでの完了率90%達成

TISインテックグループのクオリカ株式会社は、2024年7月よりAI電話自動応答システム「MOBI VOICE(モビボイス®)」を導入し、社内ヘルプデスクの受託運用において、入電が急増する要因であるログインパスワード忘れやシステム障害の問い合わせの電話対応の自動化をすることで、繁忙期の入電数削減を実現するなど、突発的な入電急増と人材不足の課題解決に取り組んでいます。また、2025年1月よりコンタクトセンター運用の応対品質と業務効率を改善するオペレーション支援AI「MooA®(ムーア)」の、AIが文字起こしや通話内容を分析するオペレーター向け回答支援ダッシュボード「MooA CommNavi(ムーア コミュナビ)」の導入も開始しました。

今回は「MOBI VOICE」を中心に、導入の背景、運用方法や導入効果、今後の展望などについて、プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス2部 統括マネジャー 鹿野田 亮氏、主査 伊藤 貴寛氏、萩原 理美氏にお話を伺いました。

※上部写真:(左から)モビルス 菱田、クオリカ 伊藤氏、萩原氏、鹿野田氏、モビルス 吉野

※記事中の肩書や内容はインタビュー当時(2025年3月17日)のものです。

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企業プロフィール

事業内容
クラウドサービス、業務用システム開発、パッケージソフト開発・販売、情報端末製造・販売、システム運用管理、基盤構築サービス
用途
社内ヘルプデスク受託運用におけるパソコンのログイン時のパスワード忘れ・アカウントロックによる問い合わせ応対の自動化、ネットワーク遅延、検索エンジンのアップデート等によるシステム障害発生時の情報提供の自動化
導入時期
2024年7月

導入サービス

課題

  • 入電の急増発生時に著しく応答率が下がることへの懸念が現場から挙がっていた。
  • 採用コスト上昇などによりオペレーターが離職した際の採用難が続き、人材育成や運用コスト削減が課題になっていた。
  • 休暇明けのアカウントロックによる入電急増時など、電話が繋がりにくい事で業務が開始できずユーザー満足度低下の懸念があった。

施策

  • AI電話自動応答システム「MOBI VOICE」を導入し、①ログインパスワードに関する事前ヒアリング、②障害などが発生した際の情報提供を自動化。

効果

  • 繁忙日のピーク時のコール件数が、30%削減
  • ボイスボット実装コールジョブでの完了率90%を達成

呼量急増による応答率低下と、人手不足の課題解決にボイスボットを導入

ーはじめに、担当されている業務内容をお聞かせください。

鹿野田氏:我々の部署の主な業務は、ネットワークやパソコンなどIT周りを中心とした問い合わせ対応を行う、社内ヘルプデスクの受託運用です。私はヘルプデスク業務全般のマネジメントを行っています。


萩原氏:ヘルプデスクの現場で、サポートメンバー(オペレーター)のフォローや管理を担当しています。


伊藤氏:DX担当としてサポートデスクのDXに関連する新規ツールの導入などを行っています。


ー弊社サービスを導入する前に、直面していた主要な課題は何でしたか?それらの課題に対して検討した、または実施した解決策を教えてください。また、弊社の製品を選定された理由もお聞かせいただけますか。

伊藤氏:ヘルプデスクの現場から、突発的に発生するネットワーク遅延や検索エンジンのアップデート等によるシステム障害発生などによる入電が急増した際に、電話を受けきれず応答率低下が発生してしまう状況をどうにか改善したいとの声が挙がっていました。


特に、ウェブブラウザのアップデートなど、ほぼ全てのお客さまに影響を及ぼす事象が発生した際には、入電が急増し放棄呼が増えてしまいます。


ボイスボットを活用し、障害の発生の理由と状況を自動で回答できると、「つながらないから何度もかけ続ける」必要がなくなり、入電の急増を抑えられるのではないかと考えたことが導入を検討したきっかけです。


また、ここ数年、採用コストの上昇などを背景にオペレーターの採用難が続いていることなど人材育成や運用コスト削減が課題となっていました。


そういった背景があり応答率低下と人手不足の課題解消という大きな二つの観点から、AIソリューション導入の検討を始め、「MOBI VOICE」導入に至りました。


プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス2部 統括マネジャー 鹿野田 亮氏

萩原氏:「MOBI VOICE」導入後は、障害情報の回答から運用を始め、パスワード忘れなどでログインできない際の一次対応の自動化として活用しています。

クオリカが担う企業内ヘルプデスクでの「MOBI VOICE」の活用シーン

萩原氏:障害発生時の「MOBI VOICE」の運用は、入電が急増し障害が発覚した後、エスカレーション先であるヘルプデスクの運用部隊(Tier2)へ報告し状況を確認する間にも「MOBI VOICE」へ入電が続くため、障害の疑いがあること・起こりうる事象について案内するシナリオを「MOBI VOICE」へ追加し、状況が分かり次第更新するといった流れです。


ただ、復旧後はお客さまも電話をかけないと障害が復旧したかどうか気がつかないので、「MOBI VOICE」での障害情報の案内に加えてお客さま向けにメールでのご案内もあわせてお送りしています。


障害情報のシナリオは事前にテンプレートを作成しているので、緊急時も必要事項だけ入力するとすぐに使えるためとても簡単です。「MOBI VOICE」のシナリオ変更の操作はとても簡単ですぐ更新して使えるためスピードが早い分、間違った情報を出さないか怖さもあるため、テスト用番号で確認してから本番にも反映するように予防策を取っています。


パスワード忘れの対応は、リセット方法をご案内しご自身でリセットできる場合と、システム担当などに設定してもらう場合があり、その判定を我々の方で行い、改めてご連絡する流れです。一次受付として、社員番号やお名前、希望する回答方法のヒアリングを「MOBI VOICE」で行い、事前ヒアリングを自動化しています。


「MOBI VOICE」を使っていただいたお客さまからは、「自動応答ですぐ解決できて便利」とポジティブなご意見もいただいています。自動応答に抵抗がある方も一部いらっしゃいますが、多くのお客さまに活用いただき問題なく使っていただけているようで大変ありがたいです。


プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス2部 萩原 理美氏

伊藤氏:ボイスボットの導入にあたって6社ほど検討したのですが、「MOBI VOICE」を選定した一番の理由は、UI(ユーザーインターフェース)の使い勝手が良く直感的な操作ができる点です。新しいことを始める際に現場のスーパーバイザー(SV)が困惑してしまう懸念もあったので、直感的に使える点は良いと思いました。


また、モビルスの営業ご担当者がいつも迅速に対応してくださることで非常に助かっており、信頼出来る点も決め手となりました。


鹿野田氏:確かにモビルスの営業ご担当者のレスポンスは早く、ボイスボットで実現したいことを伝えると翌日にはデモ環境を作ってくれて、すぐに精度を確認できるので、品質面の良さはもちろん、簡単に作れる直感的な操作性を実感できた点も後押しになっています。ROIが出しやすい価格帯である点も導入しやすさにつながっていますね。


繁忙期の入電数30%削減、ボイスボット実装コールジョブでの完了率90%達成

ー導入後の効果を教えてください。

鹿野田氏:入電ピーク時には一次受付(スナッチ)のヘルプ人員をアサインし受電キャパを増やすのですが、当社のヘルプデスクの難しいところは、時間帯による繁閑差が大きく、問い合わせ内容にも偏りがある点です。例えば、営業開始直後は入電が増えるのですが、「ログインできない」といった簡単な問い合わせが多くなります。


今回ボイスボットを導入し、ピーク時に多く問い合わせ頂いているログイン忘れの一次対応と障害情報への回答を自動化したことで、月初繁忙期のピーク時間のコール件数を30%削減することができました。ボイスボットを実装したコールジョブ(受発信業務全般)での完了率も90%を達成し、有人対応が必要な割合は10%のみと高い自己解決率を達成しています。さらに、放棄呼率も月間で10%程改善できており、定量的な効果を実感しています。


クオリカの「MOBI VOICE」導入による、月初繁忙期のピーク時のコール数削減と、ボイスボットでの完了率の成果

萩原氏:モビボイスの導入準備期間は2024年の7月から8月だったのですが、パスワード忘れなどの入電が急増するお盆休み明けには間に合うよう、準備対応致しました。対応受付の手段は電話の他にメールもありますが、電話での問い合わせが圧倒的に多いです。使ってもらえるか不安もありましたが、すぐに順応していただいて初日から多くの問い合わせをボイスボットで自動対応でき大変助かりました。


これまでは、電話がつながるまでお待たせするため、30分から1時間パソコンが使えない状況にいた方々が、ボイスボットで自動応答できることで、すぐ解決でき、早くパソコンを使えるようになったことは大きな成果です。


鹿野田氏:年に一度ユーザー満足度調査を実施しており、「電話のつながりやすさはいかがですか」という質問があるのですが、昨年の調査と比較すると改善効果が見られました。お客さまの体感的なところでも効果が出ていると言えます。


ー弊社サービスを導入してからカスタマーサポートの業務効率や生産性にはどのような変化がありましたか?

鹿野田氏:稼働率の観点で見ると、今まではパソコン周りに精通した専任のオペレーター約10名が、簡単な問い合わせ対応も行っていたので生産性に課題を感じていました。簡単な問い合わせはボイスボットで自動対応し、ボイスボットで事前ヒアリングした後の回答などは、専任オペレーター以外のヘルプデスクスタッフでも対応できるようになりました。業務効率化や生産性の観点でも大変効果が出ています。


プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス2部 主査 伊藤 貴寛氏

活用範囲を広げ、ヘルプデスクのボイスボット実装率100%をめざす

ー今後の展望について教えてください。

鹿野田氏:一部のお客さま向けに「MOBI VOICE」の導入を開始していますが、導入実績を元に他のお客さまへの導入を進めボイスボットの活用範囲を広げていき、最終的にはヘルプデスクの全コールジョブにボイスボットの実装率100%をめざしています。


現在導入中のお客さまで、繁忙期のピーク時間の入電数30%削減を実現できたように、すべてのお客さまのヘルプデスクで入電数30~40%削減することが将来的な目標です。


「MOBI VOICE」に続き、2025年1月にはオペレーション支援AI「MooA」の導入も開始しました。「MooA」の導入の決め手は、応対内容の自動文字起こしと要約生成だけでなく、FAQ(よくある質問)の形まで落とし込んでくれる点です。ヘルプデスクで大変な業務は、コール分析やFAQのメンテナンスです。生成AIを活用する場合には生成AIへ学習させることも負荷がかかります。「MooA」はこうした過程をすべて自動で行ってくれる点を高く評価しています。先行して導入済みの現場からは「特に新人オペレーターから、『自動要約機能はとても便利でなくては困る存在』になっている」という声もでており、好評です。


電話の対応は今後も残っていくと思いますが、応対履歴の要約やFAQ作成を自動化し、さらに応対履歴の内容を生成AIと連携したボイスボットに反映することで自動対応できる範囲が広がり、オペレーターは高度な対応だけに集中し、電話を望まないお客さまにはチャットボットで回答する、といったことが将来的には実現するだろうと期待しています。


簡単な問い合わせや業務対応は自動化し、より難易度が高い業務を人間が対応する。また、今後さらに人材確保が難しくなる中で、いかに少人数でこれまでと同じパフォーマンスを出せる体制を作るかが課題になってくるので、AIの力をうまく活用していきたいと考えています。


ーさらなる活用へ向け引き続き尽力してまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!

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当事例のサービス紹介

ご導入いただいたサービスの資料はこちらからご覧いただけます。

MOBI VOICE(モビボイス®)は、電話の問い合わせ対応をAIで自動化するシステム連携に優れたボイスボットシステムです。AI連携による高度な自動応答と、PBXやCRM、個別DB連携など、拡張性に富んだ運用によって、CX向上が実現できます。

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MooA®(ムーア)は生成AIや独自のAI技術によって、オペレーターの応対業務の負担を軽減し、総対応時間(AHT)の短縮化とVOCの活用を促進するオペレーション支援AIです。

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