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住信SBIネット銀行は、お客さま中心主義のもと最先端のテクノロジーを活用することで金融サービスを変革し、社会をより快適で便利なものに変えていくことを目指し、ソリューション提供を行っています。

今回は2022年6月から導入した 『MOBI AGENT』『MOBI BOT』のインタビュ<後編>として、現状の課題、導入効果、今後の展開についてお話を伺いました。

<前編>はこちら!
住信SBIネット銀行|KPIの詳細な取得や運営指標のリアルタイムモニタリングによりスピーディな業務改善や適正なリソース配分を可能にし、さらなるお客さま利便性向上とセンター運営効率化を目指す。<前編>


ボット解決率向上のためのログの自動解析、サジェスト機能

―現状の課題について教えてください

加藤氏:

チャットボットの解決率を上げたいという点が一番あります。製品というより我々のチャット施策全体の課題だと思っています。このためその課題を解決するために御社の製品をどのように活用していくか、ということが大切だと思います。

いま、ボットで最後まで行った方には「解決しましたか?」のアンケートをとり、そこで「解決しなかった」と答えた方には、「有人チャットに接続しますか?」というフローで運用しています。そうすると、有人チャットでオペレータにつないで初めて未解決理由が分かるということになりますよね。
もし解決しない場合、営業時間外でお客さまがそのまま離脱してしまうと「何がだめだったのか」が全然わからなくなってしまいます。その手掛かりは有人チャットのログを分析するしかありません。

その課題のためにもし製品に要望があるとすれば、ボットから有人にいたるまでの一連のログを分析し、ボットの何がダメだったのかを有人チャットの履歴からあぶりだすようなことができればいいと思います。たとえばログの自然言語分析など・・・いまは全部それを目で見てやっています。

ボットの解決率を上げるために、いかに有人チャットのログを有効活用するかというような仕組みが製品にあれば、すごく便利だなと思います。

宮川氏:

もともとは「ボットで解決できないときに有人につなぐ」という導線すらありませんでしたし、ボットのシナリオを変える場合はシステム開発が必要でした。
当社のサービスは新しいサービスが頻繁に追加されるので、その都度起案してシステム開発となると時間がかかり、実装を待っている間にまた新しいサービスが出たりします。そのため気軽にシナリオを変えることができませんでした。
しかし今はすぐにシナリオ変更できるので、すごく臨機応変な対応ができます。

古屋:

ログの自動解析やサジェスト機能はよくご要望頂く部分でもあるので、今後検討していきたいと思います。

加藤氏:

単なるQ&Aコンテンツだと解決率を測ることさえ難しいですが、チャットはそこが分かるのが良い点です。アンケートも40%くらいの方に回答いただいています。

状況に合わせて運用を変え、改善を重ねる

ー導入効果について教えてください

導入効果

加藤氏:

定量的な効果では「他チャネル誘導率が下がるとお客さま満足度は上がる」ということがありますが、それが如実に数値としても現れました。
たとえば、個別の取引について確認したいという内容で最初は顧客特定できない状態で有人チャットに入ってきたお客さまは、専任の担当者につなぐという運用をしています。
専任担当者と一対一の対応をすることにより、他チャネル誘導率は数値として下がるという点に加えて、NPSのスコアが32pt上がりました※ 。お客さまへ与えた心理的安心感が大きかったのではないかと思います。

この点は今回の製品導入で初めてKPIをとってわかった部分でもあり、運用を変えたことが正解だったかどうかがわかるというのは御社の製品の強みではないでしょうか

宮川氏:

履歴の紐づけができる点も大きなメリットです。もともと導入していた製品はチャットが終了するとそれで終わりでした。履歴が紐づかないので、同じお客さまから次に問い合わせが来た際に、前回のチャット対応ログが全く再確認できない状態でした。しかしログインしていて顧客特定ができているお客さまであれば、チャット対応履歴が確認できるので、そこも大きいなと思います。

加藤氏:

過去の履歴が確認できることで、どういう属性の方なのか、たとえば毎月の積立をされているお客さまなのか、外貨取引をされているお客さまなのかなど傾向を読んだうえで適切な提案をすることができるという点で、そこがNPSに関係している可能性もあります。
フリー入力のアンケートはまだ当社ではとっていないので「なぜNPSにこんなに高い数値をつけていただいたのですか?」ということを今後はぜひ知りたいと思っています。

宮川氏:

ログイン後のお客さまの場合は、顧客番号がオペレータに表示されます。個人特定のご案内をしなくても、オペレータは情報を見に行くことができるので、最短ルートで解決に導くことが可能です。このためお客さま対応も効率化できていると思います

加藤氏:

それもNPSスコアに影響している点かと思います。例えば「証券会社の口座に入金したい」という問い合わせのときに、通常は「どちらの証券会社でしょうか?」というやりとりが必要です。そこで、SBI証券との連携サービスを申し込んだばかりだということがオペレータのほうで分かっていれば、「SBI証券に入金するには・・・」というように対応を開始することができます。無駄なやり取りを省略することができるので、そこはすごく便利だと思います。

宮川氏:

有人チャットを開始した当初のチャット比率は2%位でした。会社としては30%くらいまでもっていきたいと思っています。現在はチャットが平日しかやっていないのですが、平日で25%くらいに増えています。

加藤氏:

有人チャットのチャット比率を上げること自体は、あらゆるところにチャットへのリンクを設置すれば、すぐに増やすことができます。ただ、オペレータのリソースが不足してお客さまをお待たせしてしまったら本末転倒だと思います。このため、まだ様子を見ながらではありますが、いまのところは応答率は良好なので、もう少しチャットへの流入量を上げていこうかな、と考えています。

服部氏:

チャットだけでなく、チャネル全体でどれがお客さまにとって最適かというのを検討していく中で、モビルスさんのチャットの機能をいれるとより早くお客さまの対応できるし、改善もしやすいと思います。

※KPI分析をもとにした改善により向上 (改善前+56pt → 改善後+88pt)※2022年7月~10月

チャットのファンを増やしていく

―今後の展望について教えてください

宮川氏:

チャット比率を現状の25 %から、今後は30%まで上げていきたいと考えています。ただ露出を増やせばいいと思ってはいません。チャットをご利用になったお客さまに「チャットで聞いてよかった。また次もチャットを使いたいな」というように、チャットのファンを増やしていきたいと思います。

製品導入後、半年でのチャット比率30%実現を目指して行っていましたがそこまでは至っていません。現在は年内実現を目指しています。

また今後の課題としては、効率化重視で応対品質を重視していなかったので、今後そのような点も含めてみていきたいと思います。


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