会社名オンライントラベル株式会社(https://ontra.jp/
業種(事業内容)旅行ポータル事業、WEBソリューション事業
導入製品MOBI AGENT、MOBI BOT(2020年3月~)
※インタビューは2022年2月15日実施
チャネル高速バスの予約ポータルサイト「高速バスドットコム」
https://www.kosokubus.com/
利用シーン予約や商品・運休などに関する問い合わせ全般に、有人チャットとチャットボットで対応


オンライントラベル株式会社では、2020年3月から、有人チャットシステム「MOBI AGENT」とチャットボット「MOBI BOT」をご利用いただき、運営する「高速バスドットコム」上でチャットサポートを行っています。「高速バスドットコム」は、約150社・5,000件の運行情報を掲載している高速バス・夜行バスの予約ポータルサイトです。

チャットサポート導入の目的、運用方法や導入後の効果、今後の展望などの詳細について、カスタマーサービス全般の責任者 オンライントラベル株式会社 老山 玲奈氏にお話しを伺いました。

電話が多く、悪天候時などは呼量が急増し1,000件を超える問い合わせ

―有人チャット・チャットボット導入に至った経緯や当初抱えていた課題について教えてください。

導入前は一日平均400件の入電があり、専任のオペレーターはアルバイトも含めて現在の倍の8名体制で対応していましたが、取り切れないことも多く、応答率は60~70%と改善が必要な状態でした。

高速バスの運営は、悪天候による運行休止があるため大雪警報が出た際など、一日1,000件を超える電話が入ることもあります。呼量削減、日常的な応答率の改善、呼量急増時の対策を目的に、電話とメール以外の問い合わせ手段としてチャット導入を検討していました。

オンライントラベル様、導入事例インタビュー
インタビューはZoomで行いました。上段左が、オンライントラベル 老山氏。ほかはモビルスメンバー。

有人と自動、併用できるチャットシステムを探していた

―「MOBI AGENT」「MOBI BOT」導入の決め手を教えてください。

2019年5月末に大阪で開催された「コンタクトセンターデモカンファレンス」に参加し、石井社長の登壇セミナーを聞いたことが最初の出会いです。有人チャットとチャットボットのハイブリッド対応の考え方などとても興味深いセミナー内容で、「これだ!」とピンときました。

導入の決め手は、有人応答と自動応答の併用ができることです。将来的に自社システムとの連携も視野に入れているので、モビルスがシステム連携に強い会社だということも導入の後押しとなりました。

自動対応による呼量削減も重視していますが、やはり人でないと対応できない問い合わせも多くあります。電話に代わる顧客対応として、有人応答と自動応答が併用できるチャットシステムである点を一番重視していました。

「高速バスドットコム」のチャットサポート画面
「高速バスドットコム」(https://www.kosokubus.com/)のトップページ。
右下の「チャットでお問い合わせ」をクリックすると、チャット画面が立ち上がる。
高速バスドットコムのチャットサポート利用イメージ
「高速バスドットコム」のチャットサポート画面。「オペレーターにつなぐ」を選択すると、チャットでオペレーターに相談できる(月~土10:00-18:00)。ほかは、シナリオ型のチャットボット。知りたい項目を選択すると、解決に導く選択肢と回答が自動で表示される。

チャットの入口を増やし、利用件数が大幅アップ。有人チャットは月1,500件、ボットは10,000件以上に

―チャットサポートの運用体制について教えてください。

現在は専任4席で対応しています。導入当初は有人チャットに入ってくる件数が、一日数件のときもありましたが、昨年11月にチャットの入口を見直し、トップページとログイン後のマイページのみの設置から、全ページに設置した結果、飛躍的にチャット利用件数が向上しました。

有人チャット対応は、月間1,500件ほどまで増え、チャットボットの送信件数も月間10,000件以上と利用者が大幅にアップしています。

チャットサポート導入後の利用件数の変化
導線改善のイメージ。チャットの入口を全ページに設置したことで、利用件数が大幅に向上した。

有人チャット対応で購入に繋がるサポートを実現

有人チャットの問い合わせで多いのは、予約を検討している途中で入ってくるお客さまです。チャット対応する中で、ご紹介できる便のURLを送信するなど、さまざまな提案ができるので、問い合わせから予約にスムーズに繋がるサポートができていると感じています。チャットから電話に繋げることはあまりなく、ほとんどがチャット対応で完了できています。

全体呼量の60%をチャットで対応、今後は80%を目指す

チャットサポートのKPI、目標はどのように設定されていますか?

「100%チャット対応」を代表は目指していますが、すぐにはなかなか難しいので、有人チャットとチャットボットで、全体呼量の80%を達成が直近の目標です。今は、全体呼量の60~70%前後までチャット対応が伸びてきています。気軽に問い合わせができるので、全体の問い合わせ母数も増えてはいますが、着実に入電数も減っています。ほかの仕事にリソースを割ける時間が増えてきました。

有人対応で比較すると、まだ電話対応の方がチャットより多いので、有人チャット対応をもっと増やしていきたいです。

チャットサポート導入後の問い合わせチャネルの構成比率
チャットサポート導入後の問い合わせチャネルの構成比率。
有人チャット・チャットボットを合わせて全体呼量の60%を占めている。

悪天候による呼量急増に備え、チャットのメインシナリオを切り替える

―運用される上で工夫されている点がございましたら、教えてください。

シナリオは、FAQをベースにCSメンバーで対応内容を全て洗い出して整理して作成しました。運用開始後も、正答率を上げるために細かいシナリオの修正や追加など、日々シナリオのメンテナンスを欠かしません。アンケートで「解決しましたか」に「いいえ」と回答した方のルーム詳細を確認し、どこで解決に至らなかったかを見るなど、お客さまからのヒントをもらって改善しています。

シナリオの作り方で工夫している点は、有人対応が必要な場面には、オペレーター対応への導線を作り、有人対応の時間外はメールへと誘導するシナリオに切り替えるなどです。

大雪警報が出た際など呼量が急増するときの対策として、チャットサポートのメインシナリオを「運休情報」に変更しています。運休の決定は、各バス会社の公式サイトが一番早い情報掲載です。そこに繋がるシナリオを作っておき、すぐに切り替えることで、なるべく電話が鳴らないようにしています。

悪天候などによる呼量急増時の対策
呼量が急増する大雪警報が出た際などには、チャットサポートのトップを「運休情報」のシナリオに切り替えて、最新情報がすぐわかるようにしている(※画面はイメージ)。

入電数30%削減、人員を減らした中でも応答率80%を維持

―チャットサポート導入後の効果や、良かった点について教えてください。

チャットサポートを始めたことで、入電数が30%削減できています。メールでの問い合わせも同じく減りました。応答率も、10%向上し平均80%以上をキープできています。月間を通して応答率80%を保てたことはこれまでありませんでした。

新型コロナの影響で全体売上の減少もありますが、オペレーター人員を以前の半数に削減している中で、応答率を伸ばせているので、チャットサポート導入の効果を感じています。 

現場のオペレーターも、電話が減っていることを体感的にも実感できているので、みんな喜んでいます。

チャットサポート導入後の「入電数/応答率の推移」

チャット対応は電話と比べて在宅対応に向いている

オペレーターが在宅勤務をできていることも良かった点です。電話対応だとなかなか在宅では難しいですが、チャット対応は在宅でも問題なくできており、一日40件ほど一人で対応してもらっています。出社メンバーとは社内連絡ツールを使い、どうしても電話が必要な案件などもスムーズに引継ぎ・連携ができています。

お客さまから直接お声をいただくことはありませんが、一度チャットで問い合わせをしてくれた方は、次もチャットを利用されることが多い印象です。便利さを感じてもらっているのではと思います。

チャットでの問い合わせは若い方だけでなく、年配の方の利用も想定以上に多く、年齢関係なく使いこなしてくれていて驚いています。

LINE活用やボイスボット導入など、有人と自動の両軸で、サポート体制を拡充していきたい

―今後の展望を教えてください。

LINE公式アカウントにもチャットサポートを搭載していきたいです。LINEだとお客さま側にもトーク履歴が残るので、ユーザビリティに富んでいるのではと考えています。

ほかにも構想はいろいろあります。姉妹サイトへのチャット導入を進めたり、夜間対応として「MOBI VOICE」を使って24時間電話自動応答ができたりすると良いなと思っています。

今後も有人と自動の両輪で、サポート体制を拡充していきたいです。