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メッセージングアプリといえば、日本ではLINEを想像する方が多いのではないでしょうか?

モバイル端末で、テキストメッセージのチャットや無料通話が可能です。グループで使うこともできます。写真を添付したり、ビデオチャットをしたり、テキスト以外にも楽しめます。

無料もしくは有料のスタンプで、視覚的な感情表現ができるコミュニケーションツールとしても親しまれています。

また、サードパーティーのサービスと連携して、音楽のダウンロードやゲーム、商品の配達依頼やレストランなどの予約、電子決済にも対応するようになりました。コミュニケーションツールだけでなく、さまざまなビジネスのプラットフォームとして拡大しつつあります。

ところで、メッセージングアプリにはLINE以外にもさまざまな製品があります。日本では主流のLINEですが、その世界シェアはご存じでしょうか?

早速、世界の月間アクティブユーザー数 (MAU:Monthly Active User)ランキングを見ていきましょう (2019年10月現在、Statistaによる調査) 。

ユーザー16億人のWhatsApp、LINEは8位

まず、トップ3を見てみましょう。

シェアトップは「WhatsApp」です。2019年9月時点で、世界中で16億人ものユーザーを抱えています。続く第2位は、Facebook Messengerの13億人。そして第3位は、中国のテンセントが提供する「WeChat(微信:ウィーチャット) 」、ユーザー数11億人と続きます。

Statista “Most popular global mobile messenger apps” 他より作成

首位のWhatsAppは、2014年に220億ドルでFacebookに買収されました。つまり、世界2強のメッセージングアプリがFacebookによって運営されていることになります。首位のWhatsAppとFacebook Messengerの合計で29億人ものユーザーを抱えています。

第4位のQQもWeChat同様、テンセントが提供しているサービスです。もともと、SNSとして中国で爆発的な人気を得たQQはインスタントメッセンジャーとしても広く普及しました。一時期、そのユーザー数は10億人を超えていましたが、現在はWeChatにその役割を譲った格好です。

Statiscaの統計では、5億人を超えるメッセージングアプリは4位のQQ Mobileまでとなっています。これを追うのがSnapchatとSkypeで、それぞれ3億人のユーザーを抱えています。

7位には楽天が買収したViber、続いて8位にようやくLINEが登場します。日本で圧倒的なシェアを誇るLINEですが、世界的に見ればまだマイナーなアプリといえます。

SMSからBlackBerry、そしてモダンアプリへ ~メッセージングアプリの歴史~

メッセージングアプリの起源は、1992年のSMS発明が発端といえそうです。

その後、AOL、Yahoo!、MSNなどの大手ポータルサイトが、相次いでチャットのサービスを立ち上げました。1999年には早くも中国のQQが無料公開で産声を上げています。その後、Skypeが登場します。

iPhoneの発表される2007年以前に話題を集めていたのが、BlackBerry用のBBM(BlackBerry Messenger)です。常にメッセージを確認しなければ落ち着かない、そんな中毒者を生むほどの人気を得た人気端末です。

オバマ前大統領が愛用していたことでも話題となったBlackBerryですが、2019年5月31日をもってコンシューマー向けのメッセンジャーサービスを終了しています。

BlackBerryに続いて、WhatsAppやKakao Talkなどがリリースされますが、大きな動きがあったのは2011年です。

Facebookでメッセンジャーが使えるようになったこの年、時を同じくしてLINE、WeChat、Viberが相次いで登場します。これらのサービスは、日々ユーザー数を増やして拡大していきました。

このように世界中でメッセージングアプリが生まれ、シェア獲得に凌ぎを削った群雄割拠の時代を経て、現在のトレンドは既存アプリの買収といえそうです。

FacebookがWhatsApp、楽天がViberを傘下に収めるなど、ここ最近アプリの買収が盛んに行われています。すでに高いシェアを持つメッセージングアプリを取り込むことにより、自社ビジネスとのシナジー効果や新規事業拡大による成長を目指しているのです。

アメリア、アジア、ヨーロッパ ~各国で分かれるアプリ事情~

次に、世界のアプリ事情を見渡してみましょう。メッセージングアプリの勢力は、アメリカやヨーロッパとアジアで分かれます。もちろん多言語に対応してグローバルに展開しているアプリがほとんどとはいえ、お国柄があり国際色が豊かです。

アメリカで使われているアプリは1位がFacebook Messenger、2位はSnapChat、3位がWhatsAppとなっています(Statista “Most popular mobile messaging apps in the United States as of September 2019″)。4位にはGoogleのMessages、ゲームチャットとして普及しているDiscordが5位に続きます。

2016年時点では、Tango、MessageMe、そしてカナダ生まれのKiKも若者の間でシェアを広げていましたが、トップ10ではKiKが8位につけるにとどまり、トップシェアのFacebook Messengerの寡占化が進んできている印象です。

一方、アジアに目を向けると、日本・タイ・台湾ではLINE、中国ではQQ、韓国ではKakao Talkと傾向が分かれます。インドネシアのような新興国では、まだスマートフォンの普及途上の地域も少なくありません。このような地域では、フィーチャーフォンやBlackBerryの利用者が依然として多いことから、WhatsAppやBBMがシェアを伸ばしているのです。

世界のメッセージングアプリの勢力図

日本トップシェアのLINEは、いまやユーザー数8,000万人を誇り、3人に2人が毎日使うアプリです。LINE公式アカウントやLINEビジネスコネクト、LINE@と、ビジネス向けのサービスも充実させています。

さらにLINEは、2014年より、クレジットカード、コンビニエンスストア、提携銀行と連携したLINE Payを開始。2016年にはJCBと連携して、LINE Payカードによる電子決済も展開を始めるなど、積極的な事業展開を見せています。そして昨年には、Yahoo!との統合も発表され、日本国内はもちろん、世界的なユーザー獲得・シェア争いが熾烈となってきています。

中国のQQは、ブログやSNS機能のQ-Zon、アバターのQQ秀などユニークな機能があります。QQを展開しているテンセントは、2011年に「WeChat(微信)」をリリース。こちらは、本国中国という1国にして巨大な人口を背景にしてユーザー層を広げています。

ヨーロッパに転じて、EUを引っ張るドイツも見てみましょう。実は、2014年にWhatsAppがFacebookに買収されたとき、セキュリティやプライバシーの流用を懸念したドイツユーザーが、一気にWhatsApp離れを起こしたことがニュースに取り上げられました。Facebookに不信感を抱いたユーザーは、スイスのメッセージングアプリThreemaになだれ込むようにして移行。このため、当時Threemaのユーザー数は24時間で倍増したとも伝えられています。

ロシア生まれのメッセージングアプリもあります。Telegramです。2013年創業の後発ではありますが、機密性の高さが評価されています。

メッセージングアプリが世界で爆発的に普及した理由

メッセージングアプリは、もはや人々の生活インフラにまで育っています。

仕事や学校が忙しくても、遠く離れて住んでいても、早朝でも深夜でも昼休みや移動時間でも、アプリひとつで家族や友人とつながることができます。

かつてEメールの登場は、人々のコミュニケーションを大きく変えました。ただ、Eメールは、いわば手軽に出せ、瞬時に届く手紙や宅配便です。とはいえ、Eメールの送信には、件名と本文が必要です。画像やファイルを添付して送ることもできますが、少し煩雑でかしこまったコミュニケーションです。そのような性格も相まって、ビジネス向きのツールといえます。

それに対して、メッセージングアプリによるテキストチャットは、文字通り、距離も時間も気にせずできる人々の会話そのものです。

チャットは、「おはよう」「大変だね」「よかったね」といった一言で成り立ちます。メールと異なり、互いのやりとりがひと目でわかり、そこに写真や動画を埋め込むこともできます。手紙のようなかしこまったやりとりではなく、まさに普段使いの自然なコミュニケーションです。

私たちの生活では、家族や友人との日々のやりとりが大半を占めます。そんなチャット(会話)を支えるメッセージングアプリが世界で爆発的に広まったのは自然な成り行きと言えます。

メッセージングアプリは、今後どう進化する?

日々のメッセージは、人々の会話そのものです。メッセージングアプリの強みは、その会話がすべて良質なテキストログとして残る点です。

世界中の人々が行う日常的な会話がすべてデータ化され、IT企業のデータベースに蓄積されているのです。この資産をいかに活用できるかが、今後のシェア争いの鍵となります。

もちろん、個人のメッセージをベンダーがそのまま利用しようとすれば、社会的な反発を招きかねません。Googleは、個人向けGmailのメッセージを解析し、内容に関連する広告の表示を行っていましたが、2017年にとりやめました。

一方で、膨大なメッセージを統計的に処理し、ビッグデータとして解析したり、AIの学習データとして利用することは可能です。こうして、言葉の意図を解釈したり、意味を認識するための対話型AIの開発を進めることができます。

メッセージアプリ上で使う、チャットボットが普及

対話型AIによって進化するのがチャットボットです。

これはユーザー自身をサポートする「パーソナルコンシェルジュ」のような存在と、企業による顧客サポートの双方で、今後ますます活用されていく領域です。

例えば、かつてのチャットボットでは、

ユーザー「旅行に行きたい。」
ボット「国内ですか?海外ですか?」
ユーザー「海外がいいね。」
ボット「海外ですね。どちらの国がいいですか?」
ユーザー「フランスにしよう。」

くらいのやりとりがせいぜいでしたが、現在のチャットボットでは、

ユーザー「12月にヨーロッパへ5泊で旅行に行きたい。」
ユーザー「去年行ったから、フランス以外で。」
ボット「予算はどれくらいですか?」
ユーザー「20万円以下で。」
ボット「以下の3つのプランがオススメです。いかがでしょう?」

と、このくらいの対話は実現可能です。

以前は自分でGoogle検索し、情報を探してプランを比較、旅行プランを予約していました。それに代わりに、パーソナルコンシェルジュに頼んで情報を集めてもらったり、旅行代理店のAIオペレーターに相談することもできるようになってくるのです。

このようにメッセージングアプリは、対話というかたちで最もAIと身近に接するインターフェースになっていきます。さらに、ユーザーの趣味や家族構成などの情報、これまでの対話内容などから、パーソナライズドされた言葉のキャッチボールができるようになってくるでしょう。

今後、メッセージングアプリは、単なるコミュニケーションツールの枠を超え、人々の生活とますます密着した生活インフラになっていきます。メッセージングアプリが今後どのような機能をもち、進化を遂げていくか、目が離せません。

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細川
メッセージングアプリは、世界的な統合が進み、実質的にはグローバルではFacebookのWhatsAppとMessengerが2大アプリで一強状態です。一方で、中国のWeChatや日本のLINEなど、独自アプリが圧倒的なシェアを持っている国もあります。

モビルスでは、LINE, Facebook Messengerのチャットボットの開発実績が多くあります。顧客サポートでのLINE・Messenger利用をお考えでしたら、一度ご相談ください。