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日本で急激に進むスマホシフトとチャットシフト インフラ化したLINEの爆発的な普及

顧客サポートの基本チャネルである電話の状況を見ていきましょう。

総務省の通信動向調査によると、固定電話契約世帯は、2011年の3,274万世帯から2016年までの5年間で1,000万近く減っています。この傾向はさらに加速、まさに固定電話は激減しているのです。

一方、総務省の2019年の同じ調査によると、全国16,255世帯のうち、モバイル端末(スマホ、フィーチャーフォン、PHS)の世帯保有率は95.7%に達しています。

世帯の年代層を問わず、固定電話から携帯電話への完全シフトは、もう間近ということです。

スマホシフトと同時に急速に進んできたのがチャットシフトですが、その主役は2011年に生まれたLINEです。

サービスリリース後わずか1年で2,800万人のユーザーを獲得したLINEは、今やマンスリーアクティブユーザー(MAU)8,000万超のアプリにまで成長しています(2019年7月現在)。

驚くのは、その日常利用率の高さです。8,000万ユーザーのうち、デイリーアクティブユーザー(DAU)の割合は86%、つまり毎日6,880万のユーザーがLINEを使っていることになります。

さらに、かつては若者向けといわれたスマホも、今や60代以上の年配のユーザーが増えています。

LINEは、若者だけが利用するアプリではなく、すでに日本のコミュニケーションインフラといえる存在になってきています。

実際、LINEユーザーのプロファイル*を見ると、日本の人口構成比にかなり近いことがわかります。

LINE ユーザープロファイル

ユーザーの性別では、男性47.2%、女性52.8%です。また年代で見ても、若年層から中高年層まで幅広く使われています。また、職業別で見ても、大きな偏りが見られません。

LINEは、日本のスマホユーザーをほとんどカバーしていると考えてよさそうです。

※ LINE紹介資料(2019年7月-9月期)

若者の電話離れとコミュニケーションのノンボイス化

メディアでも目にする若者の電話離れは、本当に進んでいるでしょうか?

総務省の情報通信政策研究所が2017年に行った調査*によると、20代のコミュニケーション手段別の利用時間調査では、LINEをはじめとしたソーシャルメディアが55.6%と突出しています。

一方、携帯通話は7.4%、アプリでの通話6.8%が続きます。固定電話に至っては、0.3%とほとんど使われていません。

コミュニケーションツールの利用時間

かつての日本は、どの家にも固定電話があり、子どもは親が電話している様子を見て電話の作法を覚えました。固定電話では、通常、相手がわからないまま電話に出ます。

仕事で初めて固定電話に出ることになり、電話対応を苦手とする若手の社員も増えているようです。番号非通知やアドレス帳に入っていない電話を携帯で受けても、基本的には無視する若者が多いのもうなずけます。

ここでもう一度、総務省の調査結果に戻りましょう。

実は20代に限らず、全世代で見ても、コミュニケーションツールの利用時間は、ソーシャルメディアとメール(ノンボイス系)が中心で、86.4%を占めています。一方の携帯/固定電話、ネット通話(ボイス系)は13.6%にとどまっているのです。

ノンボイス・ボイスの割合

若者が電話に馴染みがないのは事実ですが、コミュニケーション手段において、もはや若者=ソーシャルメディア、中高年=電話という単純な構図は成り立ちません。

普段のコミュニケーションの90%近くは、電話ではなくテキストベース。若者に限らず、全世代において、コミュニケーションのノンボイス化が進んできているのです。

*総務省情報通信政策研究所「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」より

グローバルで急速に広がるチャットサポート、日本でも3人に1人以上が経験

コミュニケーション手段のノンボイス化が進むにつれ、それに対応するかたちで顧客サポートチャネルも変わってきています。

Microsoftの調査によると、2016年の調査時点で、顧客サポートチャネルとして「有人チャット(Live Chat)」を利用したことのあるユーザーの割合は、世界平均で40%、欧米諸国で30~50%に対して、日本ではわずか6%にとどまっていたことがわかります。

世界では、日本に先行してチャットサポートが急速に広まってきているといえます。

世界で進むチャットサポートの広がり

Microsoft 「2017 STATE OF GLOBAL CUSTOMER SERVICE REPORT」より

2019年の調査では、日本でも3人に1人以上が利用したことがあると回答

2016年の時点では6%だった日本でのチャット問い合わせですが、モビルスが2019年に20~60代の一般消費者の男女向けに行った調査によると、回答者(n562)のうち「チャットで問い合わせをしたことがある」のは38.4%と3人に1人以上、4割近い結果となりました。

さらに、チャット問い合わせを経験した回答者に「今後もチャットサポートを利用したいか?」を尋ねたところ、9割近くが「また利用したい」と答えています。

日本でもチャット対応へのニーズの高まりと共に、その顧客満足度の高さが見て取れます。

チャット問い合わせの経験と満足度
コールセンターのBCP対策
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細川
LINEの普及により、チャットサポートを導入する企業や自治体が増えています。LINEチャット、Webチャットの他には、外国人顧客のサポートに最適なFacebook Messengerでのチャットサポートがあります。また、顧客サポートだけでなく、社内サポート窓口にもSlackやTeamsを入り口にしたチャットサポートの活用もされています。それぞれのチャネルの特性やチャットサポートの活用事例などについては、モビルスまでご相談ください。

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