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テクノロジーが発達してきたからこそ、有人ありきのサービスに価値がある。

「あらゆるeKYC/AML処理をチャット経由で実現するソリューション開発」でシステム連携を進める、株式会社TRUSTDOCK 代表取締役CEO 千葉孝浩氏と、モビルス 代表取締役社長 石井による対談の様子をお送りします。

(左から)モビルス株式会社 代表取締役社長 石井智宏、株式会社TRUSTDOCK 代表取締役CEO 千葉孝浩氏

TRUSTDOCK × モビルスの連携イメージ

法律・技術・業務に精通した、KYCの専門機関であるTRUSTDOCKと、「mobiAgent」等のチャットシステムをはじめ、カスタマーサポート支援のソリューション開発・提供にて、多くの実績を持つモビルスが連携することで、銀行・証券・保険などの金融機関をはじめ、非対面でのチャットコミュニケーションにおいて、各種のKYC処理をスムーズに行いながら、手続きやユーザー対応を進めることを実現します。

■eKYC/本人確認APIサービス −  KYC as a Service TRUSTDOCK
■AIチャットボットと有人応答のハイブリッドチャットシステム「mobiAgent」

新しいUXでの継続的顧客確認ができるなと感じた

千葉:まず、貴社がeKYC領域での業務・システム連携を企画されたきっかけは、何だったのでしょうか?

石井:eKYCを意識したのは、実は最近のことです。私たちのクライアントが、チャットボットでの応答システム導入を一巡して、今度は手続き系の処理にフォーカスするようになりました。中でも特に、金融業界のクライアントにその傾向が強いのですが、それに付随していつも直面するのが本人確認だったわけです。

最初は自分達で作ったらどうかと考えたのですが、法律の話や人海戦術の問題もあって、単独ではやりきれないと判断しました。

そんな背景から、業界でのシェアも高くて知名度も高く、安心して組める企業ということで、TRUSTDOCKさんに連絡しました。

千葉:ご連絡をいただいてから知ったのですが、非常に多岐にわたる連携をされていて、思想が弊社と似ているなと感じました。

僕たちは今、例えば金融機関の口座開設だけではなくて、継続的な顧客確認などもLINE社との連携・協業で色々と進めています。チャット上のUIで手続き処理をやるのは、LINE社との取り組みでなんとなくわかっていたし、アリだなと思っていた矢先に、今回の連携の話がありました。

モビルスさんだと、アプリ上でなくともアドオンでやっていける。フォームだったものをWebアプリ上でやるという、新しいUXでの継続的顧客確認ができるなと感じました。

このような、アドオン的な思想はもともとあったのでしょうか?

石井:私たちは「ホールプロダクト」という思想を持っていて、全て自分達のプロダクトでなくとも良いと思っています。

その中でメインのフォーカスは、いかにコンタクトセンターの負荷を減らして快適な業務環境をご提供できるか。現場のオペレーターなど使う人の視点で、提供するサービスに磨きをかけていきたいと思っており、彼らをサポートしていくために、優れたSaaSサービス等と連携していくことが必須だと考えています。

千葉:僕たちはAPIベースのソリューションなので、連携する「受けのシステム」が必要となります。モビルスさんの連携の座組を見たときに、組み込み先自体を貼れるという概念自体が、とても面白いなと思いました。

基本は「人」で考えるべき

千葉:貴社も弊社も、共にサポート領域を生業にしているわけですが、貴社がコンタクトセンターのような領域をやられている背景を教えてください。

石井:弊社はキャッチフレーズとして「サポートテック」という言葉を掲げています。まだ国内外で言ってるところは、ほぼないと思っています。

サポートはまだまだ人海戦術でやっているところが多い印象で、一方でBPO市場規模は1兆円超えていて、まだ伸びてます。ここを効率化するという観点において、まだまだチャンスの多い市場だと思ってサービス提供をはじめました。

千葉:ペインポイントとしては、どんなものがありますか?

石井:多くのところで言われている通り、そもそも人がいない、足りないというのが大きなペインポイントです。例えばコールセンターは、働きたいと思わない職場の筆頭に上がってくるわけです。

一方で企業としては、サービスレベルをクリアしたい。どうしたらもっと働きたいと思えるのかという命題に対して、我々は音声中心のサポートから、ノンボイス・テキストベースのサポートにシフトさせていくというアプローチをとっています。

その上で、実は自動・自動とはあまり言っておらず、基本は人で考えるべきなんじゃないですか、とお伝えしています。

逆にTRUSTDOCKさんは、どのような経緯でサポート領域に着目されたのでしょうか?

千葉:まさに我々の領域も、人がやりたくない業務の筆頭です。

世の中の業務って、「加点式業務と減点式業務」があると思っていまして、例えば電車が時間通りに来るのは減点式業務の最たるものだと感じます。海外だと拍手喝采ものですが、日本だと1分でも遅れたら怒られる。減点式業務は、すべからくメンタルが病むと思っています。

そう考えると、平成で一番伸びたマーケットは何だろうと考えたときに、実は心療内科なんじゃないかと。メンタルヘルス問題は平成の30年で熟成されていったと感じます。人が機械に合わせた歴史だったからこそ、減点式業務ばかりがデスクワークに溢れたわけです。

令和になった今、減点式業務は専門機関に任せるべきです。人手不足・超高齢社会真っ只中で、昭和の商習慣を続けるべきではないと感じます。

その中で本人確認においては、僕らは「KYCの認証機関」になりたいので、そのためには処理機能を持っていなければならないという目線でやっています。

企業や自治体の「手続き系」を、もっと簡素にしていきたい

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千葉:連携イメージとしては、モビルスさんがフロントの部分や、金融機関さんの色々な手続き系を巻き取っていき、その中の本人確認系の処理を僕たちが巻き取っていく。

さらに、お客さんとコールセンターの対応に並行させて、本人確認も実施。それによって、例えば対応中のスタッフが「何か書類が足りなかったみたいです」みたいなコメントを出せたりもするイメージでいます。

石井:いいですね。究極、ある金融機関で口座開設〜送金まで全部のことがLINE上でできるとかはありだと思っています。

基本的に金融機関のマイページって、滅多に行かないじゃないですか。なので、ID/PASSはほぼ忘れてしまっている。それであれば、普段使い慣れたLINEからが良いと感じます。

千葉:基本的に、企業や自治体の手続き系は、もっと簡素にしていきたいですね。

石井:チャットは電話と違って、非同期で繋がっていけるのが特徴です。電話は繋がっている間に対応が集中するメディアですが、チャットは非同期なので、お客さんを長時間待たせるというものでもないわけです。

千葉:非対面においては、UIとして非同期であるチャットは、まさに色々な可能性があるのを、電話と比べて感じています。

デジタル前提の生き物を作りたい

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石井:まずは一個、実績を作りたいですね。

千葉:ぜひ、みんなが日常的に使うオンライン完結するオンボーディングKYCを、スタンダードにしたいです。平井大臣も「ユーザー目線のUX」と言っていますし、そういう取り組みを一緒にやって、ドミノを倒していきたいなと思っています。

今回の連携に限らず、貴社は将来的にどんな世界を目指されていますか?

石井:先ほどもお伝えした「サポートテック」がミッションの中心です。一番は、問い合わせや問題解決といった顧客労力をどこまで下げられるか。これが至上命題です。

さらに付随して、対応するオペレーターやSV管理者も、今はすごい労力かけながらやっているので、それを下げていきたいと考えています。

貴社はどうですか?

千葉:弊社も、アナログをデジタルに、そして労働集約的なものを減点方式から加点方式に、という方針です。

僕らがAPIという形にこだわっているのは、デジタル前提の生き物を作りたいからです。クラウドAPI前提の業務プロセスって何なのかという観点で、色々な業界を支援していきたいなと。

まさに、APIエコノミーの構築を目指しています。