株式会社横浜銀行は、事務サービス部融資業務センターにて、2023年2月からAI電話自動応答(ボイスボット)「MOBI VOICE」を導入しました。その実績から新たに事務サービス部カード業務センターでもクレジットカード犯罪防止を目的とした、お客さまからの問い合わせ一次受付にて運用を開始されています。
横浜銀行からのお手紙をご覧になったお客さまからの一次受けをMOBI VOICEにて対応することで、放棄呼※1が削減できたほか、行員の作業時間削減も実現することができお客さま満足度の向上にも貢献できているそうです。
導入の背景、活用方法や効果、今後の展望などについて、事務サービス部 福島氏、荒氏、上山氏にお話を伺いしました。
横浜銀行さまの事例紹介をまとめた導入事例PDFは
こちらからもダウンロードいただけます。
※上部写真: (左から) モビルス 三谷、横浜銀行 上山氏、荒氏、モビルス 中野
組織名 | 株式会社横浜銀行 |
事業内容 | 銀行業 |
用途 | クレジットカード犯罪防止のための、お客さまからの問い合わせ一次受付 |
導入時期 | 2023年8月 |
■導入製品
※記事中の肩書や内容はインタビュー当時(2024年2月13日)のものです。
■課題
- 横浜銀行からのおたずねに対するお客さまからの返電に一時受電対応することが難しくなってきていた
- 人材不足を見据えたデジタルシフト
■ 施策
- 手紙を送ったお客さまに対して、ボイスボット(MOBI VOICE)にて一次受電業務を開始
- 24時間365日対応へ
■効果
- 一次受けで放棄呼0を実現
- 電話からボイスボットへの自動化によるデジタルチャネルの促進
- 24時間365日の対応を実現
- 月67時間の削減
- 従業員満足度の向上に寄与
■目次
はじめに
―担当されている業務内容について教えてください。
福島氏:
事務サービス部カード業務センターでは、クレジットカード・キャッシュカード・ローン・デビットカードの複数機能を併せ持つ横浜バンクカードの各種事務処理やカード会員様、営業店からの照会対応全般のうち、クレジットカード不正利用被害会員様の対応が主な業務です。私は、融資に関する企画全般を始め、個人ローン、法人カード、バンクカードなど多種多様な企画業を担当しております。
荒氏:
私は、横浜バンクカードというクレジットカードとキャッシュカードが一体となったカードの不正利用にあわれた会員様の電話対応を行っています。
上山氏:
私は、横浜バンクカードに特化した事務担当業務を行っています。
一次応対の自動化で放棄呼0を実現
―「MOBI VOICE」導入前の課題や背景を教えてください。
荒氏:
以前は当行のセキュリティシステムで「不正利用被害の疑いあり」と検知した際、お客さま一人ひとりへお電話をかけていました。
折り返しの電話も多く、「折り返したがつながらなかった」というお声をいただくことも度々ありました。また、セキュリティ担当全体で月に約1,000件の対応を行っていたため、折り返し受電応対の際、お客さま情報の確認に時間を要し、お客さまをお待たせしてしまうことも多かったのです。
クレジットカード犯罪が急増しており、このままでは対応しきれなくなるので、何か対策を立てなければと危機感をもっていました。
福島氏:
融資課で融資・外国送金の問い合わせの一次応対をボイスボットで行っている実績があったため、お客さまからの一次受電の自動化にも活用できないかと考えたことが「MOBI VOICE」導入のきっかけです。
―「MOBI VOICE」導入で解決できたことをお教えください。
福島氏:
「MOBI VOICE」で自動応答する電話番号を記載したお手紙を送付することで、お客さまが「折り返ししてもつながらないから諦める」状況を回避できるようになりました。そのため不正利用の可能性があるお客さまの不安を軽減できていると思います。
荒氏:
「MOBI VOICE」導入で、一次受付での放棄呼0を実現できました。さらに、行員から折り返しすることで、事前にお客さま情報を確認した上で電話できるため、電話口でお客さまを待たせせずに対応できるようになったことや、24時間受付が可能になったことなど、想定以上の成果を感じています。
上山氏:
「お客さまにいち早くお伝えすることと、電話対応の効率化」の両方を「MOBI VOICE」のおかげでやっと実現できたという思いです。
月67時間を削減し従業員満足度にも好影響
―従業員満足度に変化はありましたか?
福島氏:
当行からの不正利用および不正利用疑いのお手紙に関する受付は、全体で月1,000件程度ございます。これらを「MOBI VOICE」で一時受付することで、1件あたり4分程度の削減につながり、月間で67時間を削減に成功しました。また行員が別の不正利用対策施策に時間を使うこともできるようになりました。
荒氏:
「MOBI VOICE」で一次受付した後に、しっかりと書類の準備を行なって電話ができるので、対応効率も良くなり受付前後の対応時間も削減できています。
上山氏:
導入直後は、社内からの問い合わせが多かったですが、現在は「MOBI VOICE」で一次応対することを周知でき浸透しており、社内全体での業務効率化にも近づいていると感じています。
業務効率化をめざし、全社で横断的運用を開始
―「MOBI VOICE」をご使用いただいた感想を教えてください。
福島氏:
モビルスのカスタマーサポート(メールサポート)には24時間以内に対応してもらいいつも助かっています。担当してくださる営業さんもスピーディに当日中に対応していただけて大変心強いです。
荒氏:
お客さまが横浜バンクカードの不正利用の被害にあわないように活用することができています。「MOBI VOICE」は非常に使いやすく、5-10分あればすぐにシナリオが反映できるので助かっています。今後のアップデートも期待しています。
上山氏:
導入当初は従業員やお客さまの間で困惑することもありましたが、現在の電話の量を数えてみると、業務量を削減できたことを実感できています。今後も「MOBI VOICE」の利用を続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
―今後の「MOBI VOICE」の運用方針や期待したいことをお聞かせください。
福島氏:
導入としては当初融資課1部署のみでしたが、各部門で解決すべき課題解決のために「MOBI VOICE」を活用できないかと考え、現在では6部署で横断的に運用するまでになりました。
また、「自動化にいかに寄せていけるか」がポイントだと思っています。他業務にて生成AIを活用しており、MOBI VOICEにて受電した内容を生成AIが読み取り、最適解をお客さまへ伝えるソリューションを考案しています。今後も運用を拡大していきたいのでよろしくお願いいたします。
荒氏:
人が担う仕事を減らすための第一歩が「MOBI VOICE」です。導入によって次のことを検討できる時間ができました。「いかに電話を減らすか」が重要となるので、チャットボットなども検討したいと思っています。
上山氏:
今の状態は通過点だと思っています。簡易的な顧客情報と連携してすぐにお客さま特定をするなどして、さらに業務自動化につなげられる状態に持っていきたいと思っています。
※1:放棄呼 ユーザーが電話した際にオペレーターに繋がる前に電話を切ってしまうコール(呼)のこと。
―今後の全社での運用拡大が楽しみですね。本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました!
いかがだったでしょうか? 今回は横浜銀行さまの放棄呼削減を目的としたMOBI VOICEの導入事例をご紹介させていただきました。人材不足を背景に受電対応に関わる課題を抱えている企業様は増え続けています。デジタルを活用していきながら顧客満足を落とさずに向上させていくかは今後の社会において大事なポイントです。より詳しい課題背景や解決の具体策などに興味があるお客様は、お気軽にこちらよりお問い合わせください。デモ画面を実際にお見せしながらご紹介いたします。