当記事では、チャットボット導入におけるメリットとデメリット、チャットボットのメリットを活かす運用シーンを紹介します。チャットボット導入を検討中の方や、導入したが活用方法が分からないといったなど、ぜひご参考にしてください。

目次


チャットボットとは?

チャットボットとは、ユーザーへの問い合わせに対してロボットが自動でテキストを返答する仕組みです。チャットボットには大きく分けて2種類あります。あらかじめ用意したストーリー(シナリオ)に沿ってお客さまの質問に自動で回答する「シナリオ型のチャットボット」と、AIがユーザーからの質問の意図を理解して回答する「AIチャットボット」です。

詳細については下記の記事をご覧ください。

チャットボットのシナリオとは?顧客満足度を最大化する設計・運用術


チャットボット導入のメリットとは?

チャットボット導入のメリットについて、「導入企業」と「ユーザー」双方の視点から紹介します。

導入企業にとってのメリット

導入企業にとってのメリットは、以下の6つです。

・顧客満足度の向上

・人件費の削減

・問い合わせ業務の効率化

・顧客対応の品質統一

・売上の向上

・データの効率的な収集

顧客満足度の向上

電話で問い合わせをした場合、すぐにつながらなかったり、待たされたりと回答を得られるまでに時間がかかる場合が多々あります。特に問い合わせ数が多い時期や時間帯は、長い待ち時間が発生し、ユーザーの不満を生みやすいです。

チャットボットであればすぐに回答を得られるため、つながらない・待たされるといったユーザーの不満を解消することができます。

一方で、チャットボットだけでは解決できない問い合わせもあります。こうしたチャットボットだけでは対応が難しい部分のみオペレーターに引き継ぐ、一次対応をチャットボットが行いオペレーターへ連携するなど、有人対応を組み合わせることによって、さらなる顧客満足度の向上を実現できるでしょう。

人件費の削減

チャットボットを導入することで、有人での対応が必要な問い合わせは、チャットボットが答えられなかった内容のみになります。そうすることで問い合わせに対応するオペレーターの人数を減らせるため、採用コストや研修コストの削減にもつながります。

他業務と兼務しながら問い合わせ対応を行う人員がいる場合は、チャットボット導入により問い合わせに対応しないといけない時間が減り、コア業務に集中できるようになることで、残業時間の削減にも効果的です。

問い合わせ業務の効率化

チャットボットはユーザーからの質問に自動で返信するため、カスタマーサービスの担当者の負担を軽減することも可能です。大量の問い合わせへの対応や単調業務から発生するストレス軽減にもつながるため、従業員の仕事に対するモチベーションの向上や離職率の低下も期待できます。

同じ内容の質問に繰り返し対応するといった非効率な対応からの解放も担え、また、定型的な手続き対応をチャットボットによって自動化できるため、問い合わせ業務の効率化を実現しやすいです。

顧客対応の品質統一

有人対応の場合、オペレーターによる回答のばらつきが生じやすいです。特に担当者が新人である場合、ベテランの担当者に比べて回答の質が低くなる場合もあります。対応品質にばらつきがあると、顧客満足度の低下にも影響してしまいます。

チャットボットであれば同じ質問に対してまったく同じ回答を示すため、品質が統一でき、顧客満足度の向上に貢献できます。

売上の向上

ECサイトやランディングページにチャットボットを設置したり、LINE公式アカウントにチャットボットを導入することで、ユーザーからの問い合わせ数の増加につなげることが可能です。

問い合わせ窓口がクローズしている時間帯でもチャットボットによってユーザーの疑問の解消ができることはもちろん、申し込み手続きや資料ダウンロード受付なども自動対応できるため、機会損失を防ぐことができます。土日や深夜などこれまで接点を持てなかったユーザーへ訴求できるのもメリットです。

データの効率的な収集

チャットボットは問い合わせ履歴を自動で蓄積していきます。自動蓄積された問い合わせ履歴を分析することで、ユーザーの悩みやニーズの把握や、商品サービスの改善を効率的に行うことが可能です。

蓄積されたデータは社内での活用も期待できます。オペレーター間でのナレッジマネジメントにも有効利用でき、知識や業務の属人化を防ぐだけでなく、研修コストの削減にも効果的です。

ユーザーにとってのメリット

ユーザーにとってのメリットは以下の3つです。

・24時間365日いつでも問い合わせができる

・問い合わせのハードルが低い

・素早く回答を受け取れる

24時間365日いつでも問い合わせができる

チャットボットによりユーザーは24時間365日いつでも問い合わせができるだけでなく、すぐに回答が得られるようになります。有人対応の場合は受付時間が限られているだけでなく、受付時間内でもつながりにくいことがしばしばあり、「受付時間内に問い合わせできない」「つながらず待たされる」といった不満が出やすいです。メールや問い合わせフォームはいつでも問い合わせをすることができますが、回答が得られるまでに時間がかかります。

チャットボットだけでは問題が解決できないこともありますが、ユーザーは早朝や夜間、休日など好きなタイミングで問い合わせができ、一次受付としての対応が成されるため、顧客満足度は高くなると言えます。

問い合わせのハードルが低い

問い合わせが手軽かつ気軽にできることもチャットボットのメリットの1つです。電話で話すのが苦手なユーザーや、問い合わせフォームに文章を考えて打ち込んだり、個人情報を入力することを億劫に感じたりするユーザーに対して効果的なアプローチとなります。

チャットボットは、単語単位での内容入力や、シナリオに沿った選択肢を選ぶだけで済むことが多く、問い合わせ自体のハードルを下げることが可能です。

素早く回答が得られる

有人窓口への問い合わせはもちろん、よくある質問やFAQをWebサイト上から自分で探す場合、すぐに欲しい答えが見つからず時間がかかることがあります。

チャットボットなら、単語や簡単な文章を入力すれば即座に回答を返してくれ、欲しい情報を探す手間が省けます。電話やメールなどで問い合わせをしなくても、チャットボットとのやり取りだけで解決する場合もあり、自己解決の促進にも役立ちます。


チャットボット導入のデメリットとは?

チャットボット導入は、導入企業、ユーザー双方にとってさまざまなメリットがある一方、デメリットも知っておく必要があります。

チャットボットのデメリットは以下です。

・すべての質問に回答できるわけではない

・初期設定に時間がかかる

・導入コストがかかる

・定期メンテナンスが必要

すべての質問に回答できるわけではない

チャットボットは過去のデータや事前の設定をもとに回答するため、データがない質問に対しては回答できません。そのため、問い合わせ内容によっては回答できず、顧客満足度を低下させる恐れもあるため要注意です。

問い合わせ内容に応じてチャットボットでの対応可否を判断し、人が対応すべき部分、チャットボットが対応すべき部分の見極めが重要です。

初期設定に時間がかかる

シナリオ型を導入する際は、最初に詳しいシナリオやルールを作ります。AI型を運用するには大量のデータをインポートし、学習させることが必要です。チャットボットの導入効果を上げるためには、有人との連携や役割分担や、問い合わせまでの導線設計なども考えなければいけません。

いずれにしても、チャットボット導入後、運用開始までの初期設定に時間がかかることは避けられません。

導入コストがかかる

特にAI型を導入する場合は、高額な費用がかかる傾向があります。導入費用に加えて、学習データを作成するための費用や、チャットボットをデザインするための費用、サポート費用などかかるコストはさまざまです。

企業によってはチャットボット専任の担当者をつけたり、外部にコンサルを依頼したりする場合があり、その場合は別途人件費もかかってきます。

定期メンテナンスが必要

チャットボットは導入したら終わりではなく、継続的なメンテナンスが欠かせません。回答精度向上のために、蓄積された回答データを分析し、質問を追加したりシナリオを変更したりすることが必要です。

チャットボットを採用する企業の中には、数多くの質問を想定して回答を設定しているところもありますが、質問に対する回答の分岐が増えれば増えるほどメンテナスの手間も増えていきます。製品の仕様やプランの改定などがあった際にも、回答内容をメンテナンスしなければいけません。


チャットボットのメリットを活かす運用シーンとは?

最後にチャットボットのメリットを活かす運用シーンを紹介します。

紹介する活用方法は以下の3つです。

・よくある問い合わせに対するFAQ

・多言語の接客ツール

・LINEと接続した自動接客ツール

よくある問い合わせに対するFAQとして活用する

まずは、よくある問い合わせに対するFAQとしての活用です。似た内容の問い合わせが頻繁にある場合、チャットボットで回答を自動化すると業務効率化につながります。よく寄せられる質問に対する回答を自動化することで、問い合わせ窓口の担当者の負担やコストの軽減も期待できます。

ただし、抽象的な問い合わせや相談など、ユーザーが共感を求める問い合わせにはチャットボットは向いていません。問い合わせ内容の性質も考慮して導入を検討していきましょう。

チャットボット対応と有人対応の役割分担のイメージ

チャットボットはFAQに回答するだけではなく、例えば、資料請求についての質問であれば、そのまま名前と住所と電話番号をヒアリングし、受付まで完了してしまうこともできます。

さらにカスタマイズ開発によって顧客管理システムと連携することで、パスワードリセットや顧客情報の照会、注文・手続きの受付などにも対応できる、高度なチャットボットも実現可能です。

また、オペレーター対応でも、チャットボットが問い合わせ内容を事前ヒアリングすることで、問い合わせ目的に合った担当に直通させることもできます。例えば、苦情対応を経験豊富な専任担当に直接つなぐことで、効果的なクレーム処理がしやすくなります。

多言語の接客ツールとして活用する

チャットボットソリューションのなかには、自動翻訳機能を利用できるものもあります。有人対応の場合、多言語に対応するのは敷居が高いですが、チャットボットの場合は比較的容易に多言語対応の導入ができます。

多言語ツールとして活用することで、国外の顧客からの問い合わせ対応やビジネスコミュニケーションが可能になり、顧客増加やビジネスの拡大が期待できます。

LINEと接続して自動接客ツールとして活用する

企業の公式LINEアカウントを作っている場合も、トークルーム上にチャットボットを設置することで、接客ツールとしてチャットボットが活躍します。

FAQとしての活用だけではなく、一定の手続きを自動で完結させる仕組みを構築し、売上の向上を担わせるなど、活用の幅はさまざまです。

まとめ

チャットボット導入のメリット・デメリット、活用シーンについていかがでしたでしょうか。チャットボット導入のメリットを活かすためには、問い合わせ内容の性質に応じて利用シーンを検討することが重要です。当記事の内容をもとに、チャットボット導入による効果的な問い合わせ窓口の運用に取り組んでいただけたら幸いです。

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