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生成AIエージェント型ボイスボット導入・運用実践ガイド:コールセンターの自動化率を飛躍的に高めるノウハウ

投稿日:2026年8月31日 | 更新日:2026年8月30日

Cover image for a guide on AI agent chatbots, featuring a robot illustration and Japanese title text on the left with MOBILUS branding.

「ボイスボットを導入したものの、定型的な質問しかできない」「自動化率が10〜20%にとどまり、費用対効果(ROI)が出ない」

このようなお悩みを抱えるコンタクトセンター管理者は少なくありません。

本記事は、ボイスボットの導入・運用におけるつまずきを解消し、コンタクトセンター(コールセンター)の課題解決を支援することを目的にまとめています。高度な意図理解や柔軟な対話が可能な「生成AIエージェント型ボイスボット」を活用し、自動化適用範囲を大幅に拡大させるための実践ノウハウと先進事例を紹介。さらに、導入現場をよく知るモビルスのプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)の視点で、導入を成功に導くポイントを解説します。

<目次>

1. 従来型ボイスボットとの決定的な違い:顧客に寄り添う「聞き上手」なAI

従来のボイスボットは、シナリオに沿った一問一答形式のため、少しでも回答の認識がズレたり、顧客がシナリオ外の反応をしたりすると、同じ内容を聞き返したり、再度同じ質問をしたりするため、離脱を招きやすいことが大きな課題でした。

電通が行った調査※によると、対話型AIに求めていることの上位は、「自分の知らないことを教えてほしい」「アイデアを出してほしい」「相談に乗ってほしい」という結果で、AIに対してより人間らしいコミュニケーションを求めていることがわかります。

※出典:日本経済新聞「対話型AIに相談乗ってほしい」 10 代の4割 電通調べ –://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC037T50T00C25A7000000/

ボイスボットに生成AIを活用できるようになったことで、高度な「意図理解や分類」「相談」が可能となり、ボイスボットを活用できる範囲は大きく拡大しました。難易度の高い問い合わせには依然として有人オペレーターによる対応が必要なものの、生成AIエージェント型ボイスボットが対応できる領域は飛躍的に広がっています。

こうした最新技術で進化した生成AIエージェント型ボイスボットは、従来型ボイスボットが抱えていた課題を解決し、以下のような「聞き上手」な対応を実現します。

  • 手続き途中での解決案・FAQ・ヒントの提示:たとえば、証券番号がわからない顧客に対して、ただ番号を連呼して聞くのではなく、「右上や中央に書かれているIKで始まり9桁から10桁の形式です」と自発的にヒントを出してサポートします。これにより、顧客の離脱を防ぎ、ボイスボットで応対を最後まで完了する「完結率」を大幅に向上させます。

  • 「間」の制御と寄り添い:顧客が「ちょっと待って、見えないわ」と言った際、「ゆっくりお話しください、ご遠慮なく」と待機することができます。また、シニア層の顧客が電話番号を少しずつ読み上げる際、「市外局番は047ですね、続きの番号をお願いします」と、人間の相槌のように途中で区切って復唱し、最後まで丁寧に聞き取ることが可能です。

【導入を成功に導くポイント】

自動化によって単に効率化するだけでなく、顧客体験(CX)を損なわない、人間らしい自然なコミュニケーション設計が成功の第一歩です。高度な対話が可能なボイスボットが一次受けを担当することで、顧客の感情的な初期対応や定型的な問い合わせを自動で吸収し、現場オペレーターを精神的な負担やカスタマーハラスメント(カスハラ)リスクから保護・軽減する効果も期待できます。

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▼コールセンターにおけるCXの重要性については、こちらも参考にしてください。

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2. 実践事例から学ぶ!高度な機能と旧来型IVRシステムからの脱却

生成AIエージェント型ボイスボットを活用しているSBIいきいき少額短期保険さまや横浜銀行さまへの導入事例では、生成AI特有の高度な対応能力が実際の現場でも発揮されています。

主な高度対応機能

  • ノイズ環境下での高精度な情報抽出:背景にテレビの音声が流れていたり、駅のホーム等の騒音など雑音があったりする環境にも強く、AIが文脈を判断して必要な情報を抽出します。背景のテレビ音から顧客の発話を区別し、氏名を抽出した上で「姓」と「名」に分割してシステム登録する高度な処理が可能です。

  • 曖昧な言葉からの特定:顧客が実在しない「溝口横浜支店」と発話した場合でも、データベースから似た候補を推測し、「溝口支店ですか?横浜駅前支店ですか?」と聞き返すことで正確に特定します。支店名が不明な場合は、支店番号での対応も可能です。

  • 用件の自動分類:長いガイダンスを聞かせる旧来のIVR(自動音声応答システム)は、文章量的に4個から5個の分類が限界でしたが、生成AIエージェント型ボイスボットは、「本日のご用件を教えてください」と尋ねるだけで、当社事例では10件以上の用件分類が可能になり、話した言葉から企業や業務ごとにフィットさせた用件への自動分類を実現しています。用件が曖昧な場合は途中にシナリオを差し込んで分岐させることも可能です。

【導入を成功に導くポイント】

顧客の曖昧な発話やノイズ混じりの言葉を、いかに正確にシステム言語へ翻訳(補正)できるかが、完結率向上における最大の鍵となります。

3. よくある課題と解決策

優れた機能を持つ生成AIエージェント型ボイスボットですが、導入・運用にあたっては注意点も存在します。ここでは、つまずきやすい課題とその解決策を解説します。

よくある課題と解決策

1. 氏名や住所の誤認識とクレームの防止

  • 課題: 従来は音声認識の漢字変換誤りから、音声合成エンジンが誤読することでクレームにつながっていました。
よくある誤認識の例
ボイスボットでの無限ループ、聞き取りが終わらない顧客ご立腹発生ポイント(体験談)
氏名(赤羽さん)アカハネアカバネ
氏名(東海林さん)トウカイリンショウジ
地名(平作)ヒラサクヘイサク
  • 解決策: 生成AIのプロンプト(生成AIへの指示)で文字列から氏名を正しく抽出するよう修正します。住所については高精度なデータベースAPIと連携し、郵便番号から住所をカタカナで取得して読み間違いを防止します。さらに、番地以外の複雑な表記(「A棟」など)も生成AIで処理し、正確なマンション名等の特定を実現しています。

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2. ハルシネーションの抑制と適切な業務範囲の制御

  • 課題: 生成AIは、事実とは異なる情報や存在しない架空の事柄を、あたかも正しいことのように出力するハルシネーションや、指定されていない業務であっても自律的に対応を進めようとしてしまうリスク、また、連続した想定外発言で回答精度が落ちるリスクがあります。
  • 解決策: 厳格な業務範囲を指定するプロンプト制御が不可欠です。対応すべきでない用件は有人オペレーターへエスカレーションするよう設計します。また、想定外の対話に対するストレス耐性の検証(ストレステスト)や、電話の切り忘れ等に対する自動切断ルールなど、運用を想定した細かな仕組み作りが求められます。

【導入を成功に導くポイント】

「AIの賢さ」に頼り切るのではなく、外部データベースとの連携やプロンプトによる生成AIへの保護機能(ガードレール)を設けることが、実運用において不可欠です。生成AIが意図しない挙動や誤応答を起こさないよう、適切な枠組みと安全策の中で機能させる設計が重要です。

4. 現場主導の運用体制と強固なセキュリティ

現場主導のプロンプト調整がROIを高める

AIエージェントの導入後、完結率を上げていくためには、継続的なプロンプトの修正が欠かせません。この際、エンジニアに任せきりにするのではなく、顧客との実際のやり取りを深く理解しているコンタクトセンターの現場担当者がプロンプトを修正・作成する体制が理想的です。

モビルスでは、現場担当者が扱いやすい「プロンプトの型(テンプレート)」やITやエンジニアの知識がない方でもプロンプト作成や修正ができるサポートや管理画面を提供しています。この型を基に現場で微修正を繰り返すことで、スピーディーな改善と高いROIを実現します。すべてを外注してしまうとコストが高騰し、費用対効果が合わなくなるリスクがあるため注意が必要です。

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金融機関レベルのセキュリティ対策

銀行や保険業界などの厳格なセキュリティが求められる環境では、「インターネットに出ない」「学習データとして利用されない」「対話データを保持しない」といった要件クリアが必要なケースがあります。

前述したSBIいきいき少額短期保険さまや横浜銀行さまの事例では、セキュアなAIインフラ環境を利用することでこれらの厳しい要件を満たし、個人情報や機密情報を取り扱う業務においても安全な運用を実現しています。

まとめ

生成AIエージェント型ボイスボットは、単なるコスト削減ツールから、顧客体験(CX)を飛躍的に向上させる高度なツールへと進化しています。

本記事で紹介した「顧客に寄り添う設計」「つまずきやすい課題への事前対策」「現場主導の改善体制」、そして「強固なセキュリティ」を意識することで、導入の成功確率は大幅に高まります。

「自社のコンタクトセンターでも導入できるか?」「どれくらいのROIが見込めるか?」など、ご不明な点はお気軽にご相談ください。モビルスの専門コンサルタントが、貴社の課題に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

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MOBI VOICE(モビボイス®)は電話の問い合わせ対応をAIで自動化するボイスボットシステムです。MOBI VOICEを導入することでピーク時のあふれ呼対応や24時間/365日稼働することでCX向上に貢献します。MooAと連携することで対応内容を要約しそのままCRMなどに要約データを流すことでACWの削減も可能です。コールセンターの応答率の向上、オペレーターの業務効率化を実現します。

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