<2021年2月17日⇒2023年5月24日更新>
サポートや情報配信など顧客接点の手段を考える際、
「うちのお客さまは年齢層が高いから、LINEは向いてない」
という声を耳にします。
シニア層はLINEを使わないのでしょうか?
60代は80%以上、70代も約60%がインターネットを利用
LINEの利用を考える前に、インターネット利用状況を見ていきます。総務省が発表した、令和3年の「個人の年齢階層別インターネット利用率」の調査によると、60~69歳では84.4%、70~79歳でも59.4%という結果です。インターネットの利用は、年齢を問わず日常的なものになっていることが分かります。
スマートフォンの普及も進む
NTTドコモ モバイル社会研究所が実施した「スマートフォン比率」の調査では、2022年のスマートフォン比率は全体では94%という結果です。60~64歳では、男性90.5%、女性97.1%。65~69歳では、男性88%、女性89.7%。70~79歳でも男性84.3%、女性85.3%と、シニア層にもスマートフォンの普及が進んでいることが分かります。
60代の85%、70歳以上の75%が普段からLINEを利用している
では、SNSの利用状況はどうでしょうか。モビルス株式会社と株式会社ペンシルの調査によると、
「普段利用しているSNS・通信手段」を聞いたところ、全世代においてLINEが最多で77%の方が利用していることがわかりました。年代別で見ると、20~29は79%、30~39歳は76%、40~49歳は77%、50~59歳は75%、60~69歳は85%、70歳以上も75%という結果でした。60~69歳は、全世代の中でLINEと回答した割合が最も多い結果でした。
LINEは年代問わず、普段から利用する身近なコミュニケーションツールであることが伺えます。
企業や自治体のLINE公式アカウントも登録
さらに、モビルス株式会社と株式会社ペンシルの調査で、「LINE公式アカウントはいくつ登録していますか?(一つ選択)」を尋ねたところ、85%が1個以上登録している結果が出ました。
年代別でも見ると、60~69歳では86%、70歳以上も53%人がLINE公式アカウントを友だち登録していることが分かりました。
登録中の「LINE公式アカウント」の業種を聞いたところ、「行政・自治体・地域」「医療機関」は、シニア層で登録が拡大しており、60歳以上が最多という結果です。健康やコロナワクチン接種などの情報に敏感なことが想定されます。「交通機関」もシニア層が高くなっており、シニアが旅行への関心が高いことと関係があると考えられます。
LINEはシニア層にとっても普段から使い慣れているツールであり、LINE公式アカウントを通して、企業や自治体との接点としても活用されていることが伺えます。
Webチャットと比べてLINEは使うハードルが低い
顧客サポートの方法は、電話に加えてメールやチャットが主流です。電話、メールに加えて第三のチャネルになりつつあるチャットですが、シニア層もチャットで問い合わせをするのでしょうか。
コンタクトセンターの関係者によると、Webチャットは難しいけど、LINEだとシニア層も比較的簡単に使えている、そうです。「Webチャットは、シニア層の利用は低いけどLINEの利用率は高い」「一度LINEで問い合わせをすると、その後もずっとLINEを使うようになる」などの話も聞きます。
LINEの場合は、普段のコミュニケーションで使っている延長線上にあるので、チャットでの問い合わせのハードルが低いのかもしれません。
LINEを使った顧客サポートは、お客さまの年代を問わず、新たなチャネルとして活用が期待できるのではないでしょうか。
調査レポート全文のダウンロード
記事内で紹介した モビルス株式会社・株式会社ペンシル「年齢別SNSアプリ利用状況の把握、LINE公式アカウントの実態調査 」のレポート全文を、下記よりダウンロードできます。ぜひご覧ください!