Pocket

コンタクトセンターの抱える課題解決のため、チャットボットや有人チャットなど電話以外の問い合わせ手段(ノンボイスチャネル)の導入が進んでいます。一方、なかなかノンボイスチャネルの比率は伸びていません。ノンボイス比率拡大の課題となる、本人確認や個人情報を伴う問い合わせ対応について、解説します。

目次

コンタクトセンターが抱える課題とノンボイスチャネルの促進
電話比率が低下する海外企業と、未だ高い日本企業

ノンボイス拡大を阻む個人情報を伴う問い合わせ

企業のセキュリティ部門はどこにリスクを感じているのか

本人確認や個人情報を伴うチャット対応を可能にする「Secure Path」

コンタクトセンターが抱える課題とノンボイスチャネルの促進

企業のお客さま窓口やコンタクトセンター(コールセンター)を始めとした顧客サポート現場は、利用する消費者、対応するコンタクトセンター、双方に課題が多い領域です。

例えば、消費者は「いつも電話で待たされる」「夜間や休日は対応してもらえない」「FAQや説明書を見てもよくわからない」といった不満や悩みを抱えています。

一方、コンタクトセンターは、「スタッフがすぐに辞めてしまう」「ITで効率化し、コストを下げたい」「全国レベルでBCPを実現できるか」などが課題です。

さらに今後、「ポストコロナ」の社会ではコミュニケーション手段の変化や働き方の多様化、「2050年問題」と言われる高齢化社会・労働力人口の減少など、対応すべき課題が増えていきます。

日本の総人口は、2008年をピークに減少傾向にあり、2050年には約1億人まで減少する見込み。
▲引用:「2050年の国土に係る状況変化」(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/policy/shi
ngikai/content/001361256.pdf

これらの課題に対して、電話を中心とした運営から、AIやチャットボットによる手続き業務の自動化や、有人チャットなど電話以外での対応(ノンボイスチャネル)の促進が必要です。

電話比率が低下する海外企業と、未だ高い日本企業

海外企業ではノンボイスチャネルの活用が積極的に進み、電話対応比率が現状62%、2年後には50%にまで低下する見込みです。一方、日本は現状78%と依然高く、2年後も60%に留まる見込みとなっており、グローバル視点でも大きく遅れをとっています

日本企業と海外企業の電話、メール、その他ノンボイス、FAX・郵便の2年前、現在、2年後のチャネル活用の推移と推移予測
▲出典:デロイトトーマツコンサルティング「2021 グローバルコンタクトセンターサーベイ

ノンボイス比率を高めるためには、「顧客導線」「マルチチャネル」「ハイブリッド対応」「個人情報の取り扱い」「手続きの自動化」に取り組むことが必要です。

特に、本人確認や個人情報の取り扱いを伴う問い合わせは、ノンボイス拡大を阻む大きな課題となっています。

ノンボイス拡大を阻む個人情報を伴う問い合わせ

本人確認を必要とする問い合わせ業務比率
▲本人確認を必要とする問い合わせ業務比率(「コールセンター白書2020」出典データを基にモビルスが集計

業種別に本人確認を必要とする問い合わせ業務比率を見てみると、平均60%に及ぶことが分かりました。本人確認が必要な問い合わせ比率が最も少ない業種はメーカーです。これは、製品への問い合わせが多いためと考えられます。

最も多いのは、生保・損保、次に銀行です。生保・損保は「保険金請求手続き全般」「契約の見直し相談」、銀行では「PW ID再発行や不具合」「住所や属性変更」など、本人確認を必要とする問い合わせが70~90%以上に及びます。

ほとんどの企業が、本人確認や個人情報を伴う問い合わせに対し、ノンボイスチャネルでは対応していません。そのため、問い合わせ全体で見たときに、ノンボイスで対応できる範囲が非常に限られているのです。

企業のセキュリティ部門はどこにリスクを感じているのか


企業のセキュリティ部門は、ノンボイス対応のどこにリスクを感じているのでしょうか。「通信網」「アプリケーション」「対話データ格納場所」が、リスクとされている点です。

「通信網」の「インターネット」はさまざまな場面で使われているので、リスクはそれほど高くないかもしれません。一方で、「アプリケーション」の「SaaSシステム」、「対話データ格納場所」の「クラウドシステム」は、特にリスクが高いと考えられています。

電話の世界とノンボイスの世界のセキュリティ観点の比較

こうした点をリスクととらえ、本人確認を伴う問い合わせでノンボイス対応は避けられてきました。これまでは、「マイページの導入」「電話へのエスカレーション」「書面手続きを残す」ことで対応されています。

しかし、これらの対応には、

「セキュリティー担保のしやすい、マイページによるWebフォームの利用をしているが、ID/Passを覚えてもらえず利用率が低い」

「ノンボイス対応のシステムでのセキュリティポリシー適合が出来ない為、認証の取れている電話で対応しているが、問い合わせが多く、電話が減らない」

「音声のみの電話や、利用頻度の低いマイページでカバーできない対応が残り、未だに書面(紙)での手続きをなくすことができない」

といった課題があります。使われないマイページ/呼量増加/書面対応の結果、顧客にも企業側にも手間がかかってしまい、対応コストの増加、顧客利便性の低下につながっています。

本人確認や個人情報を伴うチャット対応を可能にする「Secure Path」

特に金融機関では本人確認や個人情報の取り扱い可否は、ノンボイス業務の範囲に大きな影響を及ぼします。

ノンボイス対応を可能にするためには、情報セキュリティポリシーに適応した形で、自動対応、有人対応をシームレスに行うことが必要です。

また、Web、LINEなど複数チャネルでの対応にも、セキュリティ適応が求められます。

モビルスでは、こうしたセキュリティ課題を解決するためセキュリティー・コミュニケーション機能「Secure Path」を独自開発しました。

「Secure Path」を利用すると、WebやLINEでのチャットサポートにおいて、オペレーターが顧客の個人情報を安全に受け取り、本人確認や個人情報に基づいた個別対応を行うことができます。チャットボットによる自動応答でも利用可能です。

「Secure Path」で取得した個人情報は、クレジットカード決済で求められる「PCI DSS」準拠認定の取得予定(2021年12月)で、暗号化・保護され、そのデータ管理についても厳しく制限されます。

「Secure Path」導入前後の変化
▲「Secure Path」導入前後の変化

従来は、チャットで問い合わせをした際に本人確認や個人情報を伴う場合は、電話番号を案内されてかけ直す手間が生じていました。「Secure Path」を利用すると、チャットで安心安全に個人情報を取り扱うことができるため、顧客の利便性が向上します。

また、「Secure Path」はチャットボット連携もできるので、ヒアリングから「Secure Path」による安全なフォーム発行まで自動化することも可能です。

「Secure Path」の製品資料

WebやLINEでのチャットサポートにおいて、オペレーターが顧客の個人情報を安全に受け取り、本人確認や個人情報に基づいた個別対応を行うことができるセキュア・コミュニケーション機能「Secure Path」の紹介資料です。機能、使い方、ご利用シーンなどを掲載しています。

下記よりダウンロードできます。ぜひご覧ください!

https://mobilus.co.jp/lab/report/secure-path/
https://mobilus.co.jp/solution/securepath
avatar
細川
本人確認や個人情報を伴う問い合わせ対応を、チャットボットや有人チャットで安全に行える「Secure Path」について、詳細のご説明やデモ等も承っております!
下記よりお気軽にご相談ください。

関連外部サイト
トランス・コスモスが運営する情報サイト「Cotra」
有人チャットとは?2つの種類の違いや注意点を解説