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<2022年12月8日⇒2023年11月28日更新>

企業のコンタクトセンターでは「日常における電話の集中呼」「営業時間外の入電」、また企業特有のイレギュラー事象など「呼量増加とつながるスパイク要因」の結果、電話応答率が低下してしまう危険性を常に抱えています。

例えば金融業界を挙げると、「月末月初での請求関連の電話問い合わせ」が集中呼となり、「会員の退会関連やクレジットカードや口座への不正アクセス時の問い合わせ」はスパイク要因となるでしょう。

コールセンタージャパン12月号「コールセンター実態調査※1」によると、企業の電話応答率の平均は90~92%となっています。ただし、同調査でも触れられているように「呼量増大」によって仮に応答率に変動幅が少ないとしても顧客の待ち時間が増えることでCX(顧客体験)は大きく損なわれることになります。5分待機してオペレータとつながることと10秒程度でつながることはどちらも「応答」ですが、顧客体験は大きく異なってしまうからです。

応答率の向上(あるいは維持)、さらにその先にある「つながりやすさの向上」によってCX(顧客体験)を改善させる新たなヒントとして、ボイスボットによる自動応答の活用と、ボイス領域の基幹インフラとしてのPBX連携による解決策に注目が集まっています。今回の記事では、ボイスボットとPBXの連携について特定の業界例を交えて考えてみたいと思います。

※なお、PBXやボイスボットの詳細解説については過去記事をご覧ください。

▶ PBX(参考記事)
▶ ボイスボット(参考記事)

応答率改善のための課題は、
通話時間が長くオペレータが占有されやすい顧客対応フロー

従来の有人オペレータによる電話応対のフローでは、基本的に入電1回で、顧客が望む問い合わせや手続きを、最後まで一貫して対応することが多いでしょう。

再び金融機関を例に挙げると、「本人確認」「利用状況確認(口座引き落とし完了状況)」「住所変更利用額変更」「カードの追加発行」「システム照合」「退会手続き」など、オペレータが最後まで一貫して対応するコンタクトリーズンは数多くあります。

例えば下の図のように、銀行やクレジットカードでの紛失盗難の電話対応窓口の場合、①入電からのオープニングトーク、②本人確認、③紛失カードの特定に始まり、⑩カード再発行時の注意事項、⑪住所変更の有無確認、⑫問い合わせ手続き完了に際してのクロージングトーク と終わりに至るまで実に多くのステップを踏んでいる事が分かります。

この結果「通話時間が長くオペレータが占有されやすい」状態となり、このことが応答率低下につながる課題となっている場合があります。そこでポイントなってくるのが、いかにボイスボットの対応範囲を定義し、有人オペレータにスムーズに連携できるかという点です。

ボイスボットの一次ヒアリングから、
内線転送でPBX連携することで有人オペレータ対応を効率化できるか

①~⑫の顧客対応フローを「ボイスボットが対応する範囲」とその後のスムーズなPBX連携を伴って「有人オペレータが対応する範囲」に分解してみましょう。

すると、①入電からのオープニングトーク、②本人確認、③紛失カードの特定フローまでは少なくとも定型的な設問として、人ではなくボイスボットが前もってヒアリングできることが分かります。ただし、ボイスボットのみでの対応ではCX(顧客体験)が十分に満たされない可能性もあり、ボイス対応の基盤となっているPBXに連携して、人による対応が必要なフェーズはきっちり補う必要があります。

プリヒアリングされた対応履歴をオペレータ側に引継いで有人対応に活かすため、PBX連携によるオペレータへのエスカレーションを行います。オペレータは上の図の④以降の業務フローに集中できるだけでなく、顧客側も待たされる可能性が減った状態で、従来の有人による丁寧な対応を受けることができるでしょう。

あるいは下の図のようにボイスボットと業務の設計次第では、自動対応でヒアリングする範囲をさらに拡張することも出来るかもしれません。特に、問い合わせフローの中で、複雑な問い合わせやイレギュラー的な問い合わせに対応する必要がある時には有人オペレータが力を発揮しますので、スムーズに連携できることがポイントです。最終的には有人オペレータによる対応によって終話することで顧客体験(CX)につなげることもメリットとしてあります。

CX(顧客体験)向上のために、さらにできる工夫があるかもしれない

上では応答率の改善について触れてきました。ボイスボットとPBXの連携においては、ボイスボットがヒアリングした内容に応じて、その後の「ルーティングを変えて異なる対応フローに導く」こともできます。また(これはボイスボット単体でも実現できますが)状況次第ではボイスボットからダイレクトに他システムに連携して手続き処理ごと自動化させることで、さらにオペレータの工数を省力化しできるかもしれません。これらによってセンター全体で人による丁寧な対応の時間工数を捻出することができるでしょう。

また、応答率の向上や「つながりやすさ」の問題を「営業時間外の対応」にまで広げて捉えると、平日の昼に電話ができない顧客でも気軽に問い合わせができる体制の構築が必要かもしれません。この場合でもボイスボットが、夜間など自動で一次受付した内容をテキスト化し、内容参照したオペレータが翌日の呼量増大時間をさけて迅速に折返し対応することでCX(顧客体験)を向上させることができます。あらためてそのメリットについて以下の図でも整理をしてみています。

各業界で活用が広がるボイスボット

今回はCX(顧客体験)向上に関連し、応答率の向上をボイスボットとPBXの連携に絡めて、金融業界の例を交えて考察してきました。

以下では、モビルスのクライアントにおけるボイスボット活用の成功事例を紹介していますのでぜひご覧ください。PBXとの連携についてはまだ情報が多くはありませんが、モビルスのお知らせ欄での更新を随時お待ち頂ければと思います。

コンタクトセンターや自治体など問い合わせ業務における、負荷の重い定型業務や電話対応コスト削減に有効な「ボイスボット」(AI電話自動応答システム)の活用方法や導入事例インタビューをまとめた資料も是非ご覧ください。

わずか5分で、電話対応を自動化するAIボイスボット「MOBI VOICE」

https://mobilus.co.jp/solution/voice

※1 コールセンタージャパン12月号「コールセンター実態調査」より