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入電数を減らすため、チャットボットなど、”ノンボイス”対応を導入するコンタクトセンターが増えています。

一方で、「ノンボイス対応を始めたけど電話が減らない」という悩みを抱えているセンターも多いのではないでしょうか。

「チャットボットを入れたけど呼量が減らない」「期待していた効果が出ない」と諦めないでください。ノンボイス対応で電話での対応を減らし、問い合わせ業務の効率化に成功している事例は確かにあります。

今回は、ノンボイス対応でどこまで成果が出るのかを解説していきます。

ノンボイス対応のポテンシャル

ノンボイス対応と言えば、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。

ノンボイス対応のイメージ
一般的なノンボイス対応のイメージ

「人」が「リアルタイム」に対応していた電話(ボイス)対応と比べて、ノンボイス対応は、「チャットボット」による無人対応と、「オペレーター」による個別対応を、用途に応じて使い分けるイメージが一般的だと思います。

しかし、これだけではありません。

ノンボイス対応は、チャットボットとオペレーターによる個別対応を上手く組み合わせることで、もっと幅広い活用が可能となるのです。

幅広いポテンシャルを秘めるノンボイス対応
幅広いポテンシャルを秘めるノンボイス対応

オペレーターチャットのメリット

オペレーターチャットのメリットは、電話と比べて効率的な対応ができることです。電話の場合は、オペレーター一人が同時に対応できる相手は一人ですが、チャットだと並行して複数人の対応をすることもできます。

また、コンタクトセンター業界の大きな課題として、オペレーターの採用難、離職率の高さといった人材確保の難しさがあります。チャットオペレーターの方が、比較的採用がしやすいため、人材確保の点でも効果的です。

さらに、BCP対応としてオペレーターの在宅勤務の検討も進んでいます。在宅オペレーションの視点からも、チャットの方が適していると言えます。

シナリオ型チャットボットの活用

オペレーターチャットの補完的役割として、シナリオ型チャットボットがあります。チャットボットと言えばAIによる一問一答型を思い浮かべる人が多いと思いますが、実はシナリオ型チャットボットも効果的なのです。

シナリオ型チャットボットとは

シナリオ(フローチャート)で作成した質問に対するユーザーの選択によって、会話が分岐して進行するチャットボットです。

シナリオ型チャットボットの利用シーン

シナリオ型チャットボットは、定型的な問い合わせ対応に向いています。例えば、資料請求や修理受付などフローが決まっている手続きに有効です。

また、シナリオ型チャットボットで問い合わせ内容をプリヒアリングして、オペレーターに繋ぐといった、顧客導線の誘導にも活用できます。

チャットボットとオペレーター対応の連携

シナリオ型チャットボットによるプリヒアリングや定型的な続きの自動化と、オペレーター対応の連携。そして、自動対応で自己解決を促す場合に有効な一問一答型チャットボットとの組み合わせ。これらのシームレスな連携により、ノンボイス対応のポテンシャルを最大化することができます。

コールセンターのBCP対策

これまでのチャット対応の成功パターン

これまでのノンボイス対応(チャットボットとオペレーター対応を用途に分けて使い分ける方法)を導入した場合の、目標KPI、成功パターンの平均値は、

導入前の構成比として、電話85%、メール15%だったものが、

電話65%、メール15%、ノンボイス対応へ20%誘導できることでした。

ノンボイス対応の内訳は、18%がチャットボットによる自己解決で、オペレーターチャットへのエスカレーション率は低く約10%。そのうちオペレーターチャット対応を完了したのが2%という構成です。

電話の割合は85%から65%へと減っていますが、全体の対応数(呼量)も増加するため、感覚としては「電話は若干減った。そこそこ効果は出ているかな」という程度です。

よくある失敗パターン

目標KPI通りに行くことは少なく、多くは失敗するパターンが多いです。ノンボイス対応を上手く使いこなせていない場合の傾向として、

チャット誘導率は10%以下(平均5~7%)、オペレーターチャットへのエスカレーション率はほぼ無いという状態です。

5~7%チャット誘導できていますが、全体の対応数(呼量)も微増しているため、「呼量が減ってない。チャットボットの効果何のでは?」という感覚になります。

問い合わせ対応の約50%をノンボイス対応へシフト

実際にノンボイス対応を導入し、これまでのチャット対応の成功パターンを大きく上回る成果を出しているセンターもあります。

なんと問い合わせ対応の約50%をノンボイス対応にシフトしているのです。

ノンボイスシフトの順番として、まず電話対応に費やしている有人オペレーションを、チャットオペレーションに移行できないかを考えました。

チャットボットによる自動化ではなく、オペレーターによるチャット対応をいかに効率化できるかを、第一優先にしたのです。

このセンターでは、オペレーターチャット対応を、海外のオフショアで行うことで、オペレーターの採用難の課題も解決しています。電話と比べてチャット対応だと、日本語ネイティブでなくても問題なく対応できます。

オペレーターチャットのうち、40%をシナリオ型チャットボットで自動対応。対応平均時間を大幅に削減

目指したいノンボイスシフト

ノンボイス対応の内訳は、チャットボットによる自己解決が25%、オペレーターチャットが15%、メールが10%です。

オペレーターチャットをさらに分析すると、一回当たりの対応平均時間(AHT)のうち、40%はシナリオ型チャットボットによる自動対応に切り替えています。

例えば、オペレーターに振り分ける前に「パソコンについて知りたい」という問い合わせに対して、「機種は?」「どんな症状ですか?」など、解決する上で必ず聞く質問を事前にチャットボットがヒアリングするなどです。

これにより、平均対応時間(AHT)が下がり、同時対応数も上がります。

オペレーターチャット・ シナリオ型チャットボットを上手く組み合わせることと、ノンボイス対応でここまで成功できるのです。

ちなみに、上記の事例はAIチャットボットは導入していないので、AIチャットボットの導入で自己解決率のさらなる上昇、また、ボイスボットの導入で電話対応の一部を自動化するなど、さらに効果を上げることも可能です。

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