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お客さま事例|アットホームさま
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細川
不動産情報サービス業の大手であるアットホーム株式会社様は、1,500名を超える社員による社内問い合わせをスムーズに行うため、2018年3月に社内ヘルプデスクを開設。モビルスのチャットシステム「モビエージェント」を導入し、電話のほか、チャットボット、オペレーターによる有人チャットでの問い合わせ対応を行っています。

「モビエージェント」導入へ至った経緯、社内ヘルプデスク開設の目的やこれまでの課題と導入後の変化、今後の展望について、ヘルプデスクの立ち上げから運用を担当する、カスタマーサービス推進部 カスタマーサポート推進室 カスタマーサポートグループ 社内ヘルプデスク チーム長 高橋 涼子氏、同グループ長 石田 勝則氏にお話を伺いました。

社内ヘルプデスク開設とFAQ運用開始

―社内ヘルプデスクを開設した目的を教えてください。

高橋 社内ヘルプデスクを開設する以前は、製品や勤怠・社内ツールの使い方など分からないことがあった際、該当する部署を探して直接問い合わせをしていました。

アットホーム 高橋さま

受ける側には、「よくある問い合わせが何本も入り、通常の業務に支障をきたす」という課題があり、一方、部署の数だけでも80程と多いため、問い合わせる社員からは「どこの部署に問い合わせすれば良いか分からない」「急ぎのときにすぐに問い合わせできずに困る」などの声があがり、それぞれに課題を抱えていました。

そこで2018年3月、社員と担当部署を繋ぐ問い合わせ窓口業務と、よくある質問をまとめたFAQの運用を行う社内ヘルプデスクを立ち上げました。各部署への問い合わせ対応による負担を軽減させ、社員が業務で分からないことがあった際にすぐに問い合わせできる環境を作ることが、ヘルプデスク開設の目的です。

電話とチャットの使い分けで時間を有効活用してほしい

―ヘルプデスク開設時からチャット導入を決めていたのですか?

高橋 社内ヘルプデスク開設に合わせてチャットシステムを導入しました。ヘルプデスクを利用するのは営業担当が主となると想定していましたので、移動中の電車の中や、接客時、外出先など電話よりチャットの方が良い場面が多々あります。用途や状況に応じて電話とチャットを使い分けてもらい、時間を有効活用してほしいと考えチャット導入を決めました。

―チャットシステムの選定はどのように行いましたか?

高橋 様々なシステムを比較検討しました。内容を確認し、費用や手厚いサポートを受けられそうという点で決めました。

―チャット導入について、社内の反応はいかがでしたか?

高橋 ヘルプデスク開設には好意的でしたが、チャットに対しては「本当に使うのか?」「必要か?」と疑問の声もありました。しかし開始後はチャットの利用率も高く、営業担当向けのアンケートではチャットへの高評価も得ているので、導入して良かったと思っています。

デモサイトでチャット対応の練習を重ねる

―導入にあたり、オペレーターの研修はどのように行いましたか?

聞き手 モビルス 瀧澤

高橋 オペレーターは、チャット担当が2名、電話担当2~3名が待機し、問い合わせ対応と並行して社内FAQの運用も行っています。ヘルプデスクでは社内の幅広い知識が必要となるので、事前研修で自社サービスや製品など一通り復習した上で臨んでいます。チャットは分かりやすいシステムでしたので、使い方自体はすぐに慣れて苦労はありませんでした。

研修は対応面を重視し、デモサイトで想定質問を問い合わせして返答するロープレを行いました。返答やヒアリングの仕方などを練習し、改善が必要なものがあればその都度アドバイスして、繰り返し練習しました。今でも時間があるときにはデモサイトを使ったロープレを行い、全体のレベルアップに活用しています。

―運用開始後、どのような問い合わせ内容が多いですか?また、オペレーターの対応で大変だったことはありますか?

高橋 やはり「〇〇の件について担当部署を教えて欲しい」という問い合わせが多いです。担当部署をお伝えする際にチャットの場合はトーク上に電話番号を記載し、クリックすると発信できる仕様にしています。

大変だったことは、電話対応と違いチャットは文章ではなく単語だけ送られてくる場合があるためキャッチアップが難しい点です。ある程度幅広い知識があるオペレーターでないと、相手が知りたい質問を把握することが難しいという面がありました。今はオペレーターの経験値も上がり、ナレッジも貯まってきたので、何が聞きたいかを察知して上手にヒアリングできるようになっています。

チャットの良い面としては電話と違い、返答する際に相談できる点です。難しい質問へも一旦考える時間を置いたり、周りに相談する余裕があることもチャットの良さだと思います。

基本的に社内ヘルプデスクは問い合わせの一次受付としてFAQにあればそこから返答し、なければ担当部署に繋ぐという体制をとっていましたが、今はより柔軟に対応できるようにしています。特にチャットの場合は、チャットで問い合わせてそのあと担当部署に改めて電話をかけて…となると手間がかかるので、FAQにない質問も解決できるものはチャットで完結できるように心がけています。

また、チャットでは最初に社員情報を入力するよう自動応答で返答しています。そのあと質問に入るとすぐに有人オペレーターが対応するのですが「すぐに質問したいのに入力項目が多くて大変だ、簡略化してほしい」という声が出たので、必須項目を名前と社員コードのみに変更しました。社員の声を聞きながら日々改善しています。

チャット活用で心理的ハードルが下がり、これまでできなかった相談も寄せられる

―想定外の質問や印象深いチャットでのやりとりはありますか?

高橋 耳が不自由な内勤の社員にも、チャットでの問い合わせができることで困りごとを解決できたことが印象深いです。社内ツールの使い方やログインができないときの対処方法など、業務の中で困ったことがあったとき、これまでは上司の手を借りないといけませんでした。それをチャットでヘルプデスクに問い合わせることで、ヘルプデスクが間に入って担当部署に確認してチャットで返答できるようになり、何か分からないことがあればチャットで気軽に聞くことができて助かっていると言ってもらえています。

石田 上司には言えないことや、電話だと話づらい相談もチャットで届いています。例えば、営業担当の仕事上の悩みや、病気が見つかってどうしたらよいかなど。直接だと聞きにくい、いきなり電話もハードルが高いというような質問もチャットだと問い合わせできる。チャットで受けて担当部署に繋ぐ、ワンクッション置くことで心理的ハードルが下がるのだと思います。

高橋 今更聞けなくて…という問い合わせもあります。今までだと聞きにくかったことも、チャットだから気軽に聞けるという声も上がっています。若手社員は電話で聞くよりまずは自分で調べて解決したい人も多いので、FAQの活用率が高いです。FAQで調べてわからないことはチャットで質問するなど、新人研修でチャットの使い方のロープレを実施したこともあり、ヘルプデスクを有効活用してくれています。

―「モビエージェント」の良いところ、よく使っている機能を教えてください。

高橋 定型文の機能はよく使っています。事前に登録した文言を簡単に呼び出して使える機能です。まだ使い切れていない機能もあると思うので、把握して使いこなせるようになりたいです。社員アンケートで「時間外も担当部署が分かるようにしてほしい」という要望があり、担当部署検索機能を新たに開発し追加してもらいました。標準機能にないものでもカスタマイズ開発で機能を追加できるなど、拡張性が高いことは有難いです。

よくある問い合わせ対応業務を削減、問い合わせの利便性も向上

―目標設定や数値管理はどのようにしていますか?導入後の効果はいかがですか?

高橋 現状は電話の方が多いですが、チャットでの問い合わせも全体の1/4まで増えてきています。数値での目標設定はしていませんが担当部署に問い合わせ状況をヒアリングしたところ、よくある問い合わせの数が減ったと回答がありました。ヘルプデスクの開設とFAQの整備で、当初課題に挙がっていた「よくある問い合わせの削減」を実現できていると思います。

一方で、以前はなかったような問い合わせが来るようになっています。FAQには載っていないニッチな質問が増えました。問い合わせする側の社員視点では、今までは聞けなかったこともそのままにせず気軽に聞けるようになっているのだと思います。

石田 担当部署の問い合わせ対応数の削減も目的の一つですが、営業担当の「どの部署に聞けばいいか分からない」「たらい回しにされてすぐに聞けなくて困る」という課題を解決すること、チャットで気軽に問い合わせできることも目的に置いていました。そこは解決できてきていると手ごたえを感じています。

―今後の展望を教えてください。

石田 今後は問い合わせ対応を基軸にFAQをブラッシュアップし続け、困ったことがあったときはFAQを見ると大方のことは解決できる、そして個別の相談などは直接の問い合わせで気軽に聞ける、という環境を作っていきたいです。

高橋 当社はAI技術の研究にも力を入れています。社内ヘルプデスクのほか、お客様窓口、会員様向けのテクニカルセンターも管轄しているので、AI技術も駆使し顧客満足度向上に繋げていきたいと考えています。

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細川
チャットはやりとりがそのままログとして残るので、よくある質問をFAQに加えたり、オペレーター同士でナレッジとして共有するなどもしやすいです。社内サポートにチャットを導入することで、社内のナレッジの蓄積、整理にも役立ちます。また、SlackやTeamsなどを、社内コミュニケーションにお使いのツールを入り口にすることも可能です。社内サポートにチャット導入をお考えのときは、モビルスまでご相談ください。