ステップ2に続き、CX向上を実現するための3つ目のステップをご紹介します。本コラムではCX向上を「Step1:現状のCXを知る」、「Step2:CX向上戦略のゴールを設計する」、「Step3:改善活動」と3つのステップに分類し(図1)、各ステップの目標とその対処方法について解説すると共に、そのステップに適切なカスタマーサクセス支援についてもご案内してまいります。現状理解・目標設定・改善活動を正しく理解し実践することで価値ある顧客体験を提供し、企業の競争力を高めていきましょう。

シリーズ3つ目となる「Step3:改善活動」では、システム導入後の効果的な改善サイクルの回し方について解説します。

「Step1:現状のCXを知る」はこちら、「Step2:CX向上戦略のゴールを設計する」はこちら

※図1 モビルス社作成

<執筆者紹介>
大松 祐子(おおまつ ゆうこ)
COCOコンサルティング 代表

大手BPOで14年間、運営および立ち上げ/改善支援に従事。オペレーターからSV/品質管理者・センター長・PMまで数多くの現場経験を積む。2012年からはコールセンターの世界標準規格である「COPC」の監査員・研修講師として、のべ50社以上、2,000人以上の監査および研修に携わる。2022年にコールセンター専門のコンサルティング会社としてCOCOコンサルティングを設立。運営マネジメントコンサルティングのほか、ソリューション導入に伴うコールセンターの最適デザイン設計支援を行っている。

目次


Step3 : 改善活動

ステップ3では、改善活動を進めるための方法を解説します。

Q3 : 他の会社はどのようにCX向上の活動をしているのか?

CXは一朝一夕で向上しません。CX向上に成功した企業でも、何年もかけて少しずつ改善を重ね、DX化やノンボイス化でお客さまの利便性を高めています。これは、改善後の結果を見て、うまくいかなければ新たな方法を模索するという、トライ&エラーの繰り返しです。

一方で、導入してから1年以上経っても何も改善せずにいる企業も少なくありません。こうした企業は、せっかくの顧客データが活用できておらず、CXの低下に気づかないままです。問題をなんとなく認識していても、根本的な原因が不明なため、改善の手が打てないのです。

改善活動に踏み出せない企業からよく聞かれるのは、「改善点が多すぎて、どこから手をつければいいかわからない」という悩みです。しかし、問題を感覚的に捉えているだけで、定期的に数値で把握していないため、どの問題がより重大かを見極められていないケースも多くあります。

このような状況を打破するためには、効果的な改善サイクルを回すことが不可欠です。現状把握→問題の特定→原因分析→優先順位と改善施策の検討→改善→評価というサイクルを繰り返し回すことで、持続的なCX向上が実現できます。最初からすべての問題を一度に解決しようとするのは現実的ではないため、小さな改善でも、まずは着手することが重要です。コツコツと継続的に改善サイクルを回すことで、少しずつ成果が積み重なり、最終的には全体的なCX向上につながっていくでしょう。

CX改善はマーケティング、営業、製品開発、サポート部門など、組織の各部門で取り組むことが理想的ですが、横断的に動けないケースもあります。問題が組織全体にまたがる場合、改善が限定的になりやすく、社内での合意形成やリソースの確保が課題になることもあります。だからこそ、組織全体で協力を得るためには、客観的なデータと改善の必要性を明確に示すことが重要です。改善アクションの実行までに時間がかかるとしても、アラートを上げ、改善の方向に進むことが大切です。短期的な視点だけでなく、長期的な視点でCX改善を進めていきましょう。


いかがでしたでしょうか。3回のコラムを通じて、コールセンター(コンタクトセンター)におけるCX向上の3ステップをご紹介いたしました。CX向上の取り組みは、「現状理解」「ゴール設計」「改善活動」を繰り返す長期的な企業活動です。投資効果を得るためのロードマップ策定やパートナー選定が重要となります。

そこでカスタマーサクセス支援の出番です。お客さまの成功体験の最大化を目的に、自社の製品・サービスを購入・契約したお客さまに対して、お客さまが実現したいと思っていることのサポートを積極的に働きかける役割を担います。

企業ごとにCXの現状や求めることは異なるため、それぞれに適した細やかなカスタマーサクセス支援が重要になってきます。情報収集から組織化・定着化まで取り組み全般をカバーするカスタマーサクセス支援の必要性を認識いただき、自社のCX向上の取り組みとして検討されることをぜひおすすめいたします。



導入後の運用を改善する支援サポートを活用する

導入後もデータ分析や改善策の計画・実行など、効果的な改善サイクルを回していくことがCX向上には欠かせません。そこでモビルスがおすすめしたいのは、「運用改善サポート」です。

「運用改善サポート」とは

定着化を支援する導入後のサポートメニューとして、運用状況の分析、改善策の立案、QAやシナリオ改修まで専属スタッフがログデータを分析した上で、CX向上をサポートします(図2)改善スコープの特定や改善活動を進めるための手法を盛り込んだ改善計画書を策定します。改善後には、データ収集期間を設けて改善効果を可視化します。

※図2 モビルス社作成

データ連携によるCXのさらなる向上を支援

これらのサービス提供に加えて、個別カスタマイズで、データ連携によるCXのさらなる向上を支援します。CRMをはじめとした外部システムや生成AIとの連携を実現し、業務要件に合わせた活用シーンを提案。パーソナライズされた顧客対応の実現や、事務処理手続きの簡略化を促進します(図3)。

※図3 モビルス社作成

モビルスではカスタマーサクセスメニューのご提案を通じ、営業・カスタマーサクセス・カスタマーサポートの一気通貫型の総合支援を実現することで、総合的な顧客課題の解決を目指しています。

私たちの豊富な経験とノウハウを活かし、クライアントさまに最適な改善プランを提供いたします。モビルスのカスタマーサクセスメニューについて詳細をお聞きしたい方は、下記よりお問い合わせください。
お問い合わせ・ご相談フォームへ

【Step1:現状のCXを知る】はこちら、【Step2:CX向上戦略のゴールを設計する】はこちら

モビルスではCX向上を支援するコンテンツを多数ご用意しています。
なぜ今CX(顧客体験価値)向上に注目すべきなのか】【CX(顧客体験価値)向上を成功に導くアプローチ】もぜひご覧ください。