静岡県袋井市の、マイナンバーカードの普及とデジタル化の推進を目的とした「袋井デジタルキャンペーン」の問い合わせ対応に、AI電話自動応答システム「MOBI VOICE」をご活用いただきました。キャンペーンは、令和2年12月20日から令和3年1月31日までの期間限定です。「MOBI VOICE」導入で、キャンペーンの応募方法や、マイナンバーカードや電子申請に関する定型的な質問に対し、電話での問い合わせ対応を24時間自動応答、必要に応じて担当窓口への自動振り分けを実現しました。

「MOBI VOICE」導入の目的や決め手、運用方法、効果、今後の展望などについて、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の取り組みを行う、袋井市役所 IC政策課 ICT推進室 久保田 邦彦 氏にお話しを伺いました。

静岡県袋井市Webサイト: https://www.city.fukuroi.shizuoka.jp/
業種行政/人口:86,851人(2021年3月1日時点)
ツールAI電話自動応答システム「MOBI VOICE(モビボイス)」
https://mobilus.co.jp/service/voice
期間2020年12月20日~2021年1月31日
(袋井デジタルキャンペーンの期間限定利用)
※取材は2021年3月実施
チャネル電話
目的・マイナンバーカード普及、デジタル化推進のため、問い合わせ対応の体制を築く
・夜間や土日の電話対応を可能にし、市民の利便性を高める
・電話対応のDX(デジタルトランスフォーメーション)の実証
・市役所内のデジタル化推進、職員の対応負担軽減
用途・キャンペーンの応募方法やマイナンバーに関する質問への自動応答
・担当窓口への自動転送(営業時間のみ)
効果・期間内(約一か月)150件の電話対応を自動化
→定型的な質問の自動対応を可能とし、職員の業務負担を軽
・営業時間外の問い合わせへ対応可能に(全体の約三割が時間外の問い合わせ)  
・問い合わせ内容に応じて適切な窓口へ
自動振り分け      
→24時間電話対応可能、窓口へのスムーズな連携で、市民の利便性を向上
導入の決め手・専門の知識がなくとも簡単にシナリオ作成でき、運用開始できること。
・キャンペーン開始まで時間がない中、すぐに始められるスピード感。
・コールセンター設置と比較し、コスト面・やりたいことの実現性との合
致。
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袋井市のICT政策課では、LPWAの無線通信技術を使った水位監視や熱中症予防対策、スマートスピーカーを活用した一人暮らし高齢者のIoT見守り実証などを行っています!特に力を入れているのが、マイナンバーカードの普及促進です。

マイナンバーカード普及促進のため、効率化・効果的な問い合わせ対応が必要

―「MOBI VOICE」の導入を検討される際の目的や、抱えていた課題を教えてください。

久保田氏:
マイナンバーカードを普及するには、カードの取得と利用機会の拡大を同時に進めていく必要があります。

そこで、市はマイナンバーカードを用いた電子申請の体験をすると、市内の店舗や飲食店等で使用できるキャッシュレス・ポイントを付与する独自の取り組みを検討しました。それが「袋井デジタルキャンペーン」です。

袋井デジタル化推進キャンペーンのチラシ

この取組を進める上で、マイナンバーカードはどんなものなのか?何ができるのか?電子申請はどうやるのか?キャンペーンの応募方法は?など市民の方からの問い合わせを想定しました。

ホームページや広報紙などで丁寧な説明を行っていますが、電話でのお問い合わせもたくさんあります。

電話の問い合わせ対応は非常に重要です。専用のコールセンターの設置も検討しましたが、コスト的に負担が大きく、問い合わせに対応する職員の負担も懸念されました。

こうしたことから、効率的かつ効果的な問い合わせ対応を検討していたところ、「MOBI VOICE」に出会いました。

定型質問への回答、担当窓口への振り分けを自動化し、市民の利便性向上と職員の負担軽減へ

ー「MOBI VOICE」の導入に至った決め手はどのような点でしたか?

久保田氏:
電話での問い合わせ対応は、必ず1回につき、1人の職員が対応する必要があります。この電話対応を効率的・効果的に行いたいと考え、自動電話応答サービスを検討していました。

検討のポイントは、事業の実施に必要な機能が備わっているか、スピード感を持って導入できるか、サービス料は費用対効果があるか等です。

想定される問い合わせ内容はいくつかのパターンに絞られました。まず求める機能は、想定できるよくある質問に自動で回答でき、それを市役所の閉庁時間でも対応することでした。

また、今回のキャンペーンは、マイナンバーカードの取得を担当する市民課と電子申請やキャッシュレスを推進するICT政策課が連携して実施しました。電話で問い合わせをした際、担当が複数あることで、何度も電話を転送されることは、市民にとって不便です。

想定される定型的な質問回答、担当部署への電話の取次ぎ、これらを自動化できると分かったので、導入を決めました。期間が決まっているキャンペーンなので、検討の時間が短く、短期間で導入からスムーズな運用ができる点も決め手です。

市民がこれまで一番使っているのが電話です。市役所に電話をすると必要な情報が得られることが大事なので、今回は電話対応の効率化・効果的な運用に絞って検討しました。「MOBI VOICE」が求めていたことにちょうど合っていたので良かったです。

「MOBI VOICE」運用イメージ
「MOBI VOICE」運用イメージ

シナリオ作成や設定が簡単で、導入決定から約一日で運用スタート。

―導入開始までに大変なことはありましたか?

久保田氏:
フローやシナリオの作成といった導入までの具体的なプロセスなど、事前にモビルスの担当者と打ち合わせを重ね、サービス利用のイメージができたので良かったです。

専門的な知識がない職員でも簡単にシナリオが作成できたので、採用を決めてから約一日の作業で自動応答を始められました。とても導入しやすいシステムだと思います。

シナリオの設定がうまく機能しているかどうか、一つ一つ実際に電話をかけて分岐のテストを行いました。設定自体には労力がかかりませんでした。

自動化で平日夜や土日の電話問い合わせ対応も可能に

―導入後の効果を教えてください。また、職員や市民の方の反応はいかがでしたか。

久保田氏:
約一か月のキャンペーンでは、人口8万8千人の本市で約150件使われました。その分、それに対応する職員の負担も軽減できて良かったです。

今回のキャンペーンは、マイナンバーカードの申請を担当する市民課、電子申請とキャッシュレスを担当するICT政策課と、市役所内でも複数の部署が連携した取り組みでした。そのため、問い合わせの内容に応じた担当部署へ自動振分を行い、想定される質問に対しては自動音声でご案内することで、効率的な問い合わせ対応ができました。

電話自動応答の対応割合
電話自動応答の対応割合

全体の問い合わせのうち約三割は、閉庁後や土日の問い合わせでした。電話対応の自動化について、市民の方から戸惑いの声などは特別聞いていません。これまで対応できなかった平日夜や土日も24時間365日電話で対応でき、市民サービスの向上に繋がった実感もあります。

このようなサービスを行政が利用することも有益で、電話の自動応答サービスが市民の利便性向上と業務負担の軽減に繋がることを知ってもらえたと思っています。

デジタルキャンペーンの取組は、まず市民にマイナンバーカードを取得してもらうことが目的でした。今年度末までに市民のカード取得率を30%とする目標は達成できました。MOBI VOICEもこの一翼を担ってくれたと思います。

市からの情報発信は、広報紙のほかホームページやSNSなどのデジタル化が進んでいますが、インターネットの利用も不慣れの方もまだ多くいらっしゃるので、こうした電話対応を丁寧に行う必要があり、デジタル化と電話対応という課題だった点に対して、今回、電話自動応答サービスを活用できて良かったです。

「袋井デジタルキャンペーン」の「MOBI VOICE」対応シナリオイメージ

新しい技術を積極的に活用し、デジタル化する社会を目指す

―今後の展望について教えてください。

久保田氏:
「MOBI VOICE」を使って、市民サービスの向上と職員の負担軽減に繋がることが分かりました。問い合わせがパターン化している定例的な業務や、スポット的な施策が出てくれば、再度MOBI VOICEを活用できると考えており、庁内の調整を続けていきます。せっかく活用できたので、一回で終わりにはしたくありません。

DXの面では、サービスやツールの活用による業務の効率化だけではなく、これらを組み合わせて使うことで市民の利便性と業務の生産性が向上すると考えています。こうした新しいサービスを積極的に活用しながら、市内全体のデジタル化につなげていきたいです。

袋井市様インタビューの様子
上段真ん中が久保田氏。ほかはモビルスメンバー。取材はZoomで行いました。

AI電話自動応答システム「MOBI VOICE」とは?

MOBI VOICEは、音声認識・音声合成エンジンを活用し、電話での問合せに24時間365日、自動で応答できるシステムです。管理画面へのログイン後、最短5分で電話自動応答サービス公開が可能で、注文や手続きの一次受付やオリジナルで作成したシナリオ・IVRでの自動音声対応や、自動発信で電話をかけ情報発信するなどアウトバンドコールも実現できます。

採用難で人手不足が深刻化するコールセンター業務や自治体の住民相談窓口、レストラン・店舗での問合せ対応を効率化し、顧客満足度やサービス品質向上をサポートします。最大で1,000件の同時対応が可能です。サービス障害・災害・新型コロナウイルスによる顧客や住民からの電話が殺到した場合にも、状況に応じて自動音声シナリオを即時作成できるため、BCP対応にも活用できます。

下記より概要資料をご覧いただけます!