電話サポートでの一番の不満は、
何より「つながらない」と「待たされる」
<2019年12月30日→2021年10月25日更新>
個人間のコミュニケーションでノンボイス化、チャット化が進んでいるにもかかわらず、顧客のサポートは相変わらず、電話が中心です。
しかし、多くのCS調査で明らかになっているように、残念ながら電話サポートの満足度はあまり高くありません。
一番の理由は、何よりも電話がつながらなかったり、待たされたりすることです。
「ただいま、電話が混みあっています…。このままお待ちいただくか、後ほどおかけ直しください。」の自動応答メッセージに顧客はゲンナリしています。
モビルスの行った調査では、問い合わせでの不満として、「つながらない・待たされる(64.9%)」「通話料、通信料がかかる(44.5%)」「返信が遅い・連絡がこない(41.8%)」と続きます。
電話ならではのミスコミュニケーションが引き起こす不満も
上記のようなアンケートには表れないような顧客の不満も多くあります。
例えば、「言った・言わない」「聞き違い」「記憶違い」によるミスコミュニケーションです。
顧客は、電話サポートの後で通話内容を確認したいと思っても、ほとんどの場合できません。
電話口でオペレーターから大切な案内を聞いたり、オペレーターに何かを依頼したりしても、その通話記録はサポート側にしか残っていないのです。
携帯電話は外出中での利用も多く、話しながらメモもとりづらいものです。しばらくしてから、「何を言ったか」「何を言われたか」自分の曖昧な記憶に不安になることもしばしばです。
スマホには、通話録音アプリもありますが、通話を録音する顧客はごくわずかです。その結果、重要事項の聞き違いなどのミスコミュニケーションが起こってしまいます。
結局、確認のための電話が再度かかってきたり、後々の問題やクレームにつながったりと、顧客の不満や不安を招いてしまうことも多いでしょう。
電話がつながらないのは顧客と1対1の関係になってしまうから
電話問い合わせの混雑の緩和・解消のため、企業は様々な取り組みを行っています。
その代表例が「電話混雑状況」カレンダーの表示です。曜日・時間ごとの混雑度合いを伝えることで、電話のつながりやすい時間帯へ問い合わせを促すしくみです。
ただ、忙しい顧客のニーズは、「今、聞きたい」 「今、知りたい」 「今、申し込みたい」。よほどのことがない限り、他の時間帯にわざわざ電話しません。
電話の一番の弱みは、顧客と1対1の関係になってしまうことです。
顧客もオペレーターも、完全に1本の電話で互いに拘束し合うサポートです。そもそも顧客は、自動音声を聞いている間、IVRを操作している間、オペレーター応答を待っている間、ずっと電話口で待っていなければなりません。
電話サポートで起こりがちな、顧客の対応待ち
一方、電話がつながった瞬間、今度はオペレーターが顧客の応答を待つこともしばしばです。
例えば、「オペレーター:XXX番号を教えてください」「顧客:どこに書いてあるの?」「オぺレーター:口座開設の控えの右上に書いてあります」「顧客:わかった。ちょっと探してみる」といったケースです。その顧客は、そのまま3分・5分戻ってこないかもしれません。しかし、よほどの長時間となる場合を除いて、オペレーターから電話を切ることはできません。
このように、顧客が何かを調べている時間、説明を理解しようとしている時間、電話口の向こうで誰かと相談している時間など、顧客の次の応答まで、オペレーターは当てもなく、待たされてしまいます。
顧客がいつ戻ってくるかわからず、電話口に耳を傾けていなければいけません。
こうして、すべての待ち時間が1本の電話を長くします。そして、次に続く顧客たちをさらに長く待たせます。待たされた顧客はイライラしがちです。
そのため、コミュニケーションそのものがスムーズにいかなかったり、丁寧にサポートしても、肝心の顧客満足度がなかなか高まらないというジレンマに陥りやすいのです。
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