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<2020年12月14日→2024年3月29日更新>

コールセンター(コンタクトセンター)におけるオペレーターの人手不足は、業界全体の長年の課題となっています。

「業務内容とスキルセットが合わず採用が進まない」「業務を開始できるまでの研修期間が長い」「折角採用しても直ぐに辞めてしまい離職率が高い」「結果として目標としているサービスレベルの維持が出来ない」といった声は、多くのセンターで聞こえてくる共通の悩みです。

本記事では、コールセンターの人手不足の原因・影響と5つの解消法を紹介します。

<目次>
・コールセンターの人手不足・高い離職率の理由とは?
・コールセンターの人手不足が引き起こす弊害
・コールセンターの人手不足に立ち向かうためには?
・チャットサポートツールの活用でオペレーターの負担を削減

コールセンターの人手不足・高い離職率の理由とは?

多くのコールセンターにとって人手不足・高い離職率は慢性的な課題です。コロナ禍の2020年は、他業種から人材の流入が増え一時的に緩和されましたが、コロナ禍が落ち着き再び深刻な採用難が到来しています。離職率の高さも課題で「入社一年以内の離職率が7割を超える会社が全体の1/4を占めている」といった時代もあったほどです。

コールセンターの人手不足・高い離職率の主な理由は、負荷が高くストレスを感じやすい業務内容やキャリアアップを見込みづらい雇用形態、多様な働き方が難しい職場環境にあります。一つずつ見ていきましょう。

ストレスを感じやすい業務内容

コールセンターでの電話応対は、迅速かつ効率的な問い合わせ対応を求められたり、同じような質問に繰り返し回答したりと、オペレーターの負荷が高くストレスを感じやすい業務内容です。クレームやお叱りを受けることもあり、直接電話で強い言葉を浴びせられ、精神的なストレスがオペレーターを離職に追いこむこともあります。

非正規での雇用が多くキャリアアップが見込めない

多くのコールセンターでは慢性的な人手不足を補うため、アルバイトやパートなどの非正規社員を主力としています。オペレーターが辞めやすい雇用形態であるため、より良い条件を求めて転籍を繰り返す方も多いそうです。非正規での雇用の多くは、キャリアを積み重ねる道筋も見えづらく、キャリアアップが見込めないこともモチベーションの低下を招きます。

業務量が多い

コールセンターが人手不足に陥ると、その分一人当たりの業務量が増えることも課題です。電話が鳴りやまず休む間もなく応対し続けることや、応対履歴のデータ入力といった作業の増加など業務負荷が高まります。ワークライフバランスを実現しにくいだけでなく、業務量の割に給料が上がらず転職を考える人も出てきます。人手不足がさらなる人手不足を招く負のループに陥ってしまうのです。

覚えることが多い

顧客からの問い合わせに瞬時に答えるには、製品やサービスを熟知する必要があります。複雑な業務フローや製品知識を覚え、日々変わるサービスの仕様や新商品についての知識を仕入れるのは、新人オペレーターにとっては至難の業です。知識不足により顧客からクレームが出たことで、挫折してしまう人も多いと言われています。

職場環境が悪い

コールセンター内では騒音問題があり、電話応対では周囲のオペレーターの話し声や電話のコール音で騒がしい現場になりがちで、オペレーターの負担にもなっています。同じ姿勢で常に話し続けるため、腰や声への負担が大きいことも辛い点です。個人情報の取り扱いなどセキュリティやスタッフ管理を理由に、在宅勤務を導入しているセンターは多くありません。多様な働き方が難しいことも、採用の難しさや離職の理由になっています。

コールセンターの人手不足が引き起こす弊害

コールセンターの人手不足が引き起こす弊害として、「顧客満足度の低下」と「オペレーター一人当たりの負担増と更なる人手不足の加速」といった課題があります。オペレーターの入れ替わりが多く定着率が下がると、スキルやノウハウが蓄積されず、サービスのレベルと質を維持するために、金銭的にも時間的にもコストがかかります。

顧客満足度の低下

コールセンターが人手不足に陥ると、入電数がオペレーターの許容量を上回り電話を取り切れない「あふれ呼」が増えます。あふれ呼の状態が続くと、顧客側は企業に対して不信感を抱きやすくなります。「電話がつながらず、疑問が解決できなかったから別の会社のサービスに変更する」といったように、顧客獲得の損失につながる可能性もあるのです。

オペレーター一人当たりの負担増と更なる人手不足の加速

コールセンターの人手不足を放置することで、ますます労働環境が悪化するリスクがあります。一人あたりの対応コール数の増加といった労働環境の悪化や、困ったときに相談する時間がない、休みが取りづらいなど、オペレーターの不満や悩みが溜まりやすくなります。こうした要因は離職率を高めてしまい、さらなる人手不足を引き起こし悪循環を生むことになるのです。

コールセンターの人手不足に立ち向かうためには?

コールセンターは、採用難や高い離職率による人手不足解決のために、
・オペレーターのストレス軽減(労働環境の改善)
・限られた人員でより多くの顧客問い合わせに対応する(業務の効率化)

この2点に取り組むことが急務とされています。

対策について詳しく見ていきましょう。

教育体制の拡充・改善

まずは、教育体制の拡充と改善です。十分な研修がないまま仕事に着手させられることで、適切な応対ができず顧客からクレームを受けたり、自信を持って業務にのぞめなかったりと、オペレーターのモチベーション低下を招いてしまいます。

適切な社員教育は、オペレーターのスキルだけでなく意欲向上にもつながり、離職防止に役立ちます。座学、ロープレ、クレーム対応を組み合わせた社内独自のカリキュラムを作成することが重要です。

FAQを整備する

次に、サービスのWEBサイトに、よくある問い合わせ内容をまとめたFAQを整備することです。FAQの整備は問い合わせ減少によるオペレーターの業務改善に繋がるだけでなく、過去の問い合わせへの回答をマニュアル化して活用することで、新人の早期戦力化に役立ちます。

オペレーターが対応せずに解決できるよくある問い合わせをWEBサイト上に載せることは、顧客は自己解決でき問い合わせをしなくても良くなるため、顧客の満足度向上への影響も期待できます。

定期的な面談(1on1)の実施

定期的な面談やストレスチェックを実施して、悩みなどのヒアリングをする機会をつくることも必要です。オペレーターの意見を聞くことで、課題や離職の原因を把握できる可能性もあり、体調不良などの離職リスクを察知することにもつながります。

コールセンターは基本的に一人で業務をするため、悩みや課題が表面化しづらい傾向にあります。ミスが起きた際やクレームへのサポートなど定期的な面談を通して、一人ひとりが会社から「大切にされている」と感じられるような十分なケアが求められています。

社員同士が気軽に話せる環境を作る

定期的な面談だけでなく、日頃から社員同士が気軽に話せる風土があることで、不満や不安を小さいうちに解消することができ、離職防止に効果的です。社員同士が気軽に話せる環境作りの一例として、社内イベントの導入や休憩スペースの確保、フリーアドレス制の導入などが考えられます。あるセンターでは、休憩スペースに社員の写真と簡単なプロフィールカードを掲示したり、ハロウィンに仮装をして勤務したりと、話をするきっかけ作りに力を入れていました。

チャットサポートを導入する

オペレーターの業務効率化や働き方改革を実現する手段として、電話・メールに次ぐ第3の問い合わせ窓口である「チャット」の導入が有効です。近年、問い合わせ窓口としてチャットを好む人は増えており、2023年の「お客さま窓口の利用実態調査2023」では、チャットでの問い合わせ経験があると答えた人は約7割にも上りました。チャットでの問い合わせ経験者の3人に2人は「チャットは便利」と回答しています。

▲「お客さま窓口の利用動向調査2023(モビルス株式会社)」より引用。68%の人がチャットで問い合わせをしたことがあると回答。

チャットでのサポートは電話によるサポートに比べ対応を均質化しやすいため、十分に教育を受けていないことが原因で発生するクレームによる、新人オペレーターの早期離職防止にもつながります。

電話の場合は一対一ですが、チャットの場合、一人のオペレーターが複数の相手に同時対応することもできるため、あふれ呼によるクレーム削減も期待できます。通常の問い合わせはチャットで行い、緊急の問い合わせなど本当に必要な時にのみ電話による対応をする、という組み合わせにより、業務効率化と顧客満足度の両立を図ることが可能です。

チャットサポートツールの活用でオペレーターの負担を削減

チャットの活用方法は「人によるチャットサポート(有人チャット)」と「チャットボットによる自動応答」の2つに分けられます。チャットボットによる自動応答に注目が集まっていますが、オペレーターによる有人チャットも人手不足解消に効果的です。

オペレーターの負荷軽減・業務効率化のために、 チャットサポートがどのように役立つのでしょうか。チャットサポートの活用方法と支援機能を紹介します。

オペレーターの負荷を下げる様々な支援機能

よくある手続きや対応前のプリヒアリングは、チャットボットと連携で自動化

一つ目は、チャットボットとオペレーターのシームレスな連携です。


人がやらなくてもよい定型的な質問や手続きは、 シナリオ型チャットボットが対応することで、オペレーターが稼働する時間を削減できます。

例えば、事前にシナリオ型チャットボットで問い合わせ内容をヒアリングすることで、 オペレーターは内容を把握した上で円滑な対応ができ、お客さまを待たせることが少なくなります。 

また、オペレーターがチャット応対中に、資料請求や修理申込など定型的な手続きが必要となった場合は、チャットボットによる自動応答に切り替えが可能です。

AIによるリアルタイムなサジェスト

二つ目は、AIによるリアルタイムなオペレーターへのサジェスト支援です。

回答文の校正、回答候補の提案など、AIがオペレーター対応を支援します。例えば、質問への回答候補、言葉遣い、さらには会話の内容を広げるような提案をAIが提示することで、新人オペレーターでも応対品質を一定に保てます。

SVによるタイムリーな支援

三つめは、SV(スーパーバイザー)によるオペレーターへのタイムリーな支援です。

SVとオペレーター間でのタイムリーな支援

もちろん電話の場合でもSVによる支援は可能です(例えばオペレーターの表情を見て、遠隔で指示やアドバイスを出すウィスパリング機能による側方支援)。

チャットの場合は、オペレーターが即答を求められないという特性があることから、難しい状況の場合は一緒に画面を見ながら声に出してアドバイスができるので、より早く適切なサポートがしやすいです。

また、クレームや禁止語などを検知する機能もあるため、早め早めに問題となりうる会話を検知することも可能です。熱量が上がりそうな会話に早めにアドバイス出来ると共に、いざというときはお客様に気づかれることなく、SVが引き取ってしまうというオペレーションを組む事もできます。

オペレーター同士での助け合い

四つ目は、オペレーター同士での助け合いがしやすいことです。

SVだけでなくオペレーター同士の助け合いも、負荷軽減・業務効率化のためには欠かせません。

例えば、対応した内容を共有し、ナレッジとして蓄積していくことはとても重要です。

チャットでやりとりした応対履歴を、ほかのオペレーターへ共有したり、特に有効な質問と回答はナレッジとして登録し、AIのサジェスト支援への追加を簡単にできる機能もあります。

また、オペレーター同士でのコミュニケーションがスムーズにできる機能があると、困ったことをすぐに質問でき安心です。

在宅勤務の導入も適しているチャット対応

BCP(災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画)対策として、在宅勤務の導入を検討するコールセンターも増えており、コロナ禍でさらに検討・実施が進みました。

電話と比べてチャット対応の方が、周囲の音を気にしなくて良く、テキストだと回線負荷もかからないため、通信環境の面からも在宅勤務に適していると言えます。

在宅勤務でのオペレーションは応対時の支援をSV等から受けにくいため、応対品質の維持が課題と言われますが、 チャットボットとの連携による自動化や、AIによるサジェスト支援、SVやオペレーター同士のサポートなど、チャット応対は在宅勤務導入のハードルを下げてくれます。

1対6の同時対応のオペレーション体制

電話応対は1対1の通話のみですが、有人チャットサポートは、1人のオペレーターが複数の相手と同時対応が可能です。

Wi-Fiルーターなどの機器を扱う株式会社バッファローでは、LINE公式アカウント上で有人チャットを運用し、1対6のオペレーション体制を確立しています。

【事例】

株式会社バッファロー|LINEの有人チャット問い合わせ比率50%へ。それを実現させた取り組みとは

「モビエージェント」の管理画面。オペレーター1人が同時に6人の対応を行っている

「モビエージェント」の管理画面。オペレーター1人が同時に6人の対応を行っている

入電数80%削減・応答率90%維持に貢献

さらに、株式会社バッファローでは、有人チャット導入により応答率は30%から90%に大きく改善し、入電数も10万件から2万件へ減少しました。

画像やFAQ動画などを活用した的確な状況説明で、顧客満足度も向上させています。チャット利用比率が年々増加し、2023年にはLINE・チャットの利用率が48%に到達しました。同時に顧客満足度も高いまま維持している点が成功ポイントです。

チャットは、電車の移動中など声を出せない場面でも使えます。また、製品の状態を写真で撮影しチャットで簡単に送って説明できるので、電話で説明するよりもスムーズです。

このようにユーザーの利便性が高いと、チャットでの問い合わせが増え、結果として入電数の削減にもつながります。

まとめ

慢性的な課題となっている、採用難や高い離職率によるコールセンターの人手不足解消のためには、オペレーターのストレス軽減(労働環境の改善)と限られた人員でより多くの顧客問い合わせに対応する(業務の効率化)ことが必要です。教育体制や職場環境などの改善はもちろん、チャットサポートの導入を検討をしてみてはいかがでしょうか。

有人チャットサポートは、様々な支援機能を活用することでオペレーターの負担軽減・業務効率化に効果的です。

チャットツールを検討する際は、搭載されている支援機能の内容や使いやすさを比較することをおすすめします。

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