<2019年12月31日→2024年3月29日更新>
チャットボットで顧客満足度を最大化したい、とお考えの方にとって、シナリオについての理解は欠かせません。
当記事では、そもそもチャットボットのシナリオとは何か、といった基礎知識から、良いシナリオの作り方、運用のポイントまで、ご紹介します。
チャットボットの効果を出すために取り組む施策の参考として、ぜひご覧ください。
<目次>
- チャットボットには2種類ある
- チャットボットにおけるシナリオとは?
- チャットボットにおいて効果の出るシナリオの作り方とは?
- チャットボットのシナリオ設計におけるポイント
- シナリオ型チャットボットの効果を最大化するために
チャットボットには2種類ある
チャットボットのシナリオについて見ていく前に、まずはチャットボットの種類について理解を深めましょう。
チャットボットには、大きく分けて「シナリオ型のチャットボット」と「一問一答型のAIチャットボット」の2種類があります。
シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットとは、あらかじめ用意したストーリー(シナリオ)に沿って、ユーザーの質問に自動で回答する仕組みです。ユーザーから寄せられることの多い質問の選択肢を抽出し、質問に対する回答を割り振って設定をします。
事前に決められたシナリオに沿って受け答えをしているだけなので、ユーザーの意図を真に理解して回答しているわけではありません。
AIチャットボット
AIチャットボットとは、AIがユーザーからの質問の意図を理解して回答をする仕組みです。シナリオ型は、事前に想定質問と回答を用意する必要があるのに対して、AIチャットボットは、自由質問に対してロボットが考え回答を導くチャットボットです。
AIが過去の質問から学習を重ねることで、抽象的な質問に対しても、精度の高い回答を導き出すことが可能になります。
チャットボットにおけるシナリオとは?
チャットボットのシナリオとは、ユーザーとチャットボットの間における質問や回答といった会話の流れを指します。上記2種類のうち、シナリオ型チャットボットにおいて、事前に設定するものとなります。どのように会話を進めて、どのように目的の情報までユーザーを案内するか、といったストーリーを定めていきます。
シナリオ型チャットボットの導入効果を上げるためには、良質なシナリオ設計が欠かせません。シナリオの設計が適切であれば、ユーザーが素早く課題解決にたどり着くことができ、顧客満足度の向上につなげることができます。
逆を言えば、シナリオ設計が不適切な場合、ページからの離脱や企業イメージの毀損につながりかねない、という恐れがあります。それほど、チャットボットのシナリオ設計は重要と言えるでしょう。
チャットボットにおいて効果の出るシナリオの作り方とは?
シナリオの作り方について、4つの手順に沿って、見ていきましょう。
解決したい課題を明確化する
何を解決したいのかによって、シナリオは異なります。例えば、「CV数を上げたい場合」「入電数を減らしたい場合」「顧客満足度を上げたい場合」など、それぞれの課題によって、適したシナリオがあります。シナリオの方向性を定めるために、まずは課題を明確にしましょう。
ターゲットユーザーを定める
どのようなユーザーが、自社のシナリオ型チャットボットを利用するのか、想定することも非常に重要です。例えば、以下のような内容を定めましょう。
- 属性:どれくらいの年齢か、どのような嗜好をもつ人か
- セグメント:新規ユーザーなのか、既にお取引のある既存ユーザーなのか
こうしたターゲットユーザーを明確にすることが、シナリオにおいて使う言葉や言い回しといったトーン&マナーや、横文字の利用不使用といった文体、回答粒度の統一につながります。
質問内容の洗い出しと回答の設計
「課題」と「ユーザー像」を設定後は、その設定に沿って、質問内容の洗い出しと回答の設計をします。その際、質問内容や回答については、できる限り簡潔にまとめるようにしましょう。なぜなら、長すぎる文章は顧客満足度の低下を招くためです。
「課題」と「ユーザー像」に適した質問内容と回答をシンプルな文言で設計することで、ユーザーが「質問」から「回答」へスムーズに遷移できるよう、設計することが重要です。
シナリオを組み立てる
設計した質問と回答を用いて、シナリオの組み立てを実施していきます。シナリオを組み立てる際に大事なのは、一度に多くの選択肢を提示しすぎないよう、カテゴリーの大小を意識することです。
フローチャートなどで図式化したうえで、社内の関係者に必ずチェックしてもらうよう、進めましょう。WEBページへ誘導したり、オペレーターに連携したりするタイミングも、シナリオを組み立てる時に整理しておくことをお勧めします。
設計したシナリオをチャットボットに反映させる
いよいよ、設計したシナリオをチャットボットに読み込ませます。方法はチャットボットツールによりますが、ドラッグアンドドロップなどで直感的に読み込ませることができるものが多くあります。
シナリオを読み込ませた後は、社内でテストを実施しましょう。ユーザーが適切に回答にたどり着くことができるか、検証をすることが重要です。
チャットボットのシナリオ設計におけるポイント
では、チャットボットのシナリオ設計において、効果を出すためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。
トンマナや文体はオペレーターのやり取りを意識する
まず大切なのは、受け答えが自然な会話になるよう留意することです。要点がわかりづらいような長文や機械的な受け答えは、顧客満足の低下につながります。
また、トーン&マナーや文体についても、運用するサイトに合わせるなど、注意が必要です。なぜなら、違和感をおぼえるような文体を使うと、企業イメージやブランドイメージを壊してしまう可能性があるからです。オペレーターの受け答えを意識し、作成しましょう。
シナリオの選択肢は5つまでに留める
使いやすいチャットボットのシナリオを作るには、1つのシナリオに対する選択肢の数も重要です。
シナリオの選択肢による分岐は、最大5つまでにしましょう。もし5つ以上の選択肢が並んでしまった場合、内容がわかりづらいだけでなく、ユーザーの読む気力が削がれ、離脱の原因になります。シナリオの分岐は最小限に留めるよう、心がけましょう。
シナリオのステップは4つまでに留める
シナリオのステップ数が多すぎると、ユーザーはなかなか欲しい回答を得ることができません。目的にたどり着くまでの時間が長くなることで、ストレスを感じて操作を途中でやめてしまうといった離脱につながってしまいます。チャットボットの利用率を上げるためにも、ステップ数を増やし過ぎないよう、注意しましょう。
シナリオ型チャットボットの効果を最大化にするために
チャットボットのシナリオを設計し導入した後は、効果を最大化するため、運用面でのメンテナンスが重要になります。次は、シナリオ型チャットボット運用のポイントを3つご紹介します。
問い合わせ内容によって、有人対応を組み込む
シナリオ型チャットボットは、想定していない質問に対して対応することはできません。事前に用意していない質問がきた場合は、オペレーターへの連携を促すことで、ユーザーが適切に目的へとたどり着けるよう、整備することが大切です。
AIチャットボットと組み合わせる
さらに、この一問一答とシナリオを組み合わせることで、「聞き返し」を行うチャットボットをつくることもできます。
例えば、単純な一問一答の場合、「入会したいんですが…」という言葉を受けて、ユーザーの希望が「サービスB」でも、最も確信度の高い「サービスAの入会」を案内してしまうことがあります。
「聞き返し」のシナリオを組むことで、まずは、「入会の希望」という意図を解釈し、「どちらのサービスですか?」と聞き返すことで、より賢い自動応答を実現することができるのです。
定期的なデータ分析と反映
運用開始後は、チャットデータを定期的に見直して、メンテナンスをしましょう。例えば、ユーザーがどこで離脱をしたのか、なぜ想定した回答を得られなかったのか、といったユーザーの動きを分析します。その分析結果をシナリオへと反映させることで、顧客満足度の向上を図ることができます。
まとめ
チャットボットのシナリオ設計方法とその運用のポイントについて、いかがでしたでしょうか。
シナリオ型チャットボットにおいて顧客満足度を最大化するためには、良質なシナリオ設計は非常に重要です。ぜひ当記事の内容をもとに、改善に取り組んでいただければ幸いです。
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関連外部サイト
トランス・コスモスが運営する情報サイト「Cotra」
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