VOC分析とは?やり方・手法・進め方を具体例とともに解説
投稿日:2026年10月30日 | 更新日:2026年10月21日
顧客から寄せられる意見や要望、不満などの「VOC(顧客の声)」。日々の問い合わせの中には、商品やサービスを改善し、顧客体験(CX)や事業成果を高めていくための重要なヒントが隠されています。しかし、「顧客の声をどのように集めればいいのか」「集めたデータをどうやって分析し、具体的な改善につなげればよいのか」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、VOC分析の基本的なやり方や代表的な分析手法、進め方の7つのステップを具体例とともに解説します。さらに、生成AIを活用してVOC分析を劇的に効率化する方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
<目次>
- VOC分析とは?
- VOC分析を行う目的・メリット
- VOCを収集する方法
- VOC分析の代表的な手法
- VOC分析の進め方・7つのステップ
- VOC分析の具体例
- AIを活用したVOC分析
- VOC分析に使えるツール
- VOC分析を成功させるポイント
- VOC分析をAIで効率化するならMooA
VOC分析とは?
VOC分析とは、顧客から寄せられる意見や要望、不満などの「顧客の声(VOC)」を収集・整理し、その背景にあるニーズや課題を明らかにする取り組みのことです。
VOCを単に集計するにとどまらず、「なぜこの問い合わせが増えているのか」「顧客は商品やサービスのどこに不満を感じているのか」といった深層まで分析し、具体的な改善施策へつなげることが欠かせません。まずは、VOCならびにVOC分析における基本的な考え方を押さえていきましょう。
VOC(Voice of Customer)とは
VOCは「Voice of Customer」の略で、日本語に直訳すると「顧客の声」を意味します。具体的な例としては、以下のような情報が挙げられます。
・コンタクトセンターに寄せられた問い合わせやクレーム
・チャットやメールで寄せられた質問・要望
・アンケートの回答
・商品レビューや口コミ
・SNSへの投稿
・営業担当者や店舗スタッフが顧客から直接聞いた意見
VOCには「新機能を追加してほしい」といった直接的な要望だけでなく、「操作手順が分からない」「ログインがうまくいかない」といった日々の問い合わせも含まれます。一見すると単なる問い合わせに見えるものも、同一の内容が頻発している場合、Webサイトの導線やFAQ(よくある質問)、サービス設計自体に課題が潜んでいるケースが少なくありません。このようにVOCは、顧客がどのような課題や期待を抱いているかを把握するために、欠かせない情報源となっています。
VOC分析とは「顧客の声を改善につなげる活動」

VOC分析では、収集した顧客の声を整理・分類し、件数や傾向、発生要因などを分析します。例えば、コンタクトセンター(コールセンター)に「ログインできない」という問い合わせが月1,000件寄せられていたとしましょう。さらに内容を分類してみると、「パスワードを忘れた」「ログインIDがわからない」「アカウントがロックされた」「ログイン画面の場所がわからない」など、原因が多岐にわたるケースがみられます。
そこで問い合わせ件数や顧客の行動を分析し、パスワード再設定画面への導線を改善したり、FAQを充実させたりすることで、顧客の自己解決を促進できる可能性があります。
このように、VOCを単に「収集する」だけで終わらせず、「収集→分類→分析→原因の特定→改善施策の実行→効果検証」まで一貫してつなげていくことが、VOC分析における重要なポイントとなります。
VOC分析とアンケート・NPSの違い
アンケートやNPS(Net Promoter Score)は、VOCを収集するための代表的な手法です。アンケートを実施する際は、「サービスに満足していますか」「どの機能を改善してほしいですか」といった、企業側が設定した設問に対して顧客から回答を得る形をとります。
またNPSは、「この商品・サービスを友人や同僚にどの程度おすすめしたいか」を尋ねることで、顧客ロイヤルティを数値化・指標化する仕組みです。
一方、VOC分析で対象とするのはアンケートやNPSにとどまりません。電話やチャット、メール、口コミ、SNSなど、多岐にわたる顧客接点から収集されるあらゆる情報を包括的に集計・分析します。例えばアンケートだけで「満足度が低下している」という事実が判明したとしても、「なぜ低下したのか」という根本原因まで特定するのは難しい場合があります。そこで、コンタクトセンターに届く問い合わせ内容や自由記述欄などの定性的なVOCを組み合わせることで、数値の背景にある理由や課題を深く探ることが可能になります。
VOC分析とテキストマイニングの違い
VOC分析と混同されやすい言葉に「テキストマイニング」が挙げられます。テキストマイニングとは、文章をはじめとする大量のテキストデータを解析し、頻出キーワードや単語同士の関係性、傾向などを明確にする分析手法を指します。例えば、数万件に及ぶ問い合わせ履歴の解析により、「解約」という言葉に併せて「料金」「高い」といった単語が頻出している傾向の特定が可能です。
一方、VOC分析はテキストマイニングを包括する、より広義な概念にあたります。VOC分析においては、テキストデータのみならず、問い合わせ件数や顧客属性、購入履歴、さらにはWeb上の行動データなども掛け合わせることで、顧客の課題を多角的に分析していきます。すなわち、テキストマイニングは「VOC分析を実践する手法の一要素」と捉えると理解しやすいでしょう。
VOC分析を行う目的・メリット
VOC分析の目的は、単に「顧客の意見を知ること」にとどまりません。顧客の声から課題やニーズを見出し、商品・サービスや顧客対応の改善へつなげることで、顧客体験(CX)や事業成果を高めていく取り組みが重要となります。本章では、VOC分析を実施する主なメリットについて詳しく紹介します。

顧客満足度・CXを向上できる
VOCを分析することで、企業側だけでは気づきにくい顧客の不満やニーズを把握できます。
例えば、企業側では「操作しやすい」と考えて提供しているサービスでも、実際には「申し込み方法がわかりにくい」「欲しい情報が見つからない」といった問い合わせが多数発生しているケースも少なくありません。
こうしたVOCをもとにUI(ユーザーインターフェース)や導線を改善すれば、顧客がサービスを利用する際の負担を軽減可能です。顧客の声を継続的にサービス改善へ反映させる取り組みは、顧客満足度だけでなくCX全体の向上にもつながるでしょう。
顧客の不満や離脱要因を早期に発見できる
VOCには、顧客が解約や利用停止に至る前の「予兆」が含まれていることも少なくありません。例えば、「手続きがわかりにくい」「何度問い合わせても解決しない」「料金体系が不透明」といった声が増加している場合、そのまま放置すると離脱へつながるおそれがあります。
問い合わせ件数や内容の変化を継続的に観察・分析することで、顧客の不満が深刻化する前に課題を発見し、先手を打った改善策を講じやすくなります。
問い合わせ削減・コンタクトセンターの効率化につながる
VOC分析は、コンタクトセンターの業務効率化にも活用可能です。問い合わせ内容を分類してみると、「同じ質問が繰り返し寄せられている」といった実態が見えてくるケースも少なくありません。例えばパスワードの再設定方法や料金の確認手順、契約変更手続き、配送状況の確認など、件数の多い具体的な内容を特定できます。
こうした高頻度の問い合わせ内容を可視化できれば、FAQページの改善やチャットボットへのシナリオ追加、Webサイトの導線見直しといった有効な手立てを検討しやすくなります。顧客が自ら疑問を解消できる仕組みを整えることで、入電数や有人対応の負荷軽減が期待できるでしょう。また、オペレーターが複雑な相談や個別対応を要する案件に注力できるようになるため、応対品質全体の向上にもつながります。
商品・サービスやUI/UXの改善につながる
VOCは、商品やサービスの改善点を発見する貴重なヒントとなります。例えば「特定の機能の使い方がわからない」という問い合わせが多発しているケースでは、顧客側の理解不足だけが原因とは言い切れません。「ボタンの位置がわかりにくい」「説明文が不足している」「操作手順が複雑」など、UI/UX(ユーザーエクスペリエンス)そのものに問題が潜んでいる可能性も考えられます。
問い合わせ内容とWebサイトやアプリの行動データを組み合わせて分析すれば、顧客がどこでつまずいているのかをより具体的かつ正確に捉えられるでしょう。VOCを単なる「サポート部門への問い合わせ」として処理して終わらせるのではなく、商品・サービスを向上させるための重要なデータ資産として活用していく視点が欠かせません。
マーケティング・営業施策の改善に活用できる
VOCには、顧客が商品やサービスを選ぶ際に重視しているポイントや、購入をためらう理由なども含まれています。例えば問い合わせや商談記録から、「他社サービスとの違いがわからない」「料金がどのくらいかかるのかわからない」「導入後のサポート体制が不安」といった声が多く見つかった場合、Webサイトや営業資料で該当する情報を充実させることで、顧客の不安を解消できる可能性があります。
こうした情報をカスタマーサポート部門だけでなく、マーケティングや営業、商品開発など複数の部署で共有・活用すれば、幅広い施策の改善へつなげられるでしょう。
VOCを収集する方法
VOC分析を行うには、まず分析対象となる顧客の声を収集することが欠かせません。VOCは、顧客が企業に直接伝える意見に限らず、電話やチャットなどの問い合わせ、アンケート、口コミ、Web上の行動など、さまざまな顧客接点から収集できます。それぞれ得られる情報や特徴が異なるため、一つのチャネルに固執せず、目的に応じて複数のVOCを組み合わせることが大切です。

コンタクトセンターの通話・問い合わせ
コンタクトセンターに届く問い合わせは、代表的なVOCの形と言えます。顧客が疑問や困りごと、改善要望を抱いた瞬間に寄せられるケースが多いため、商品やサービスの課題をダイレクトに把握しやすい点が大きな特徴です。
分析の対象となるのは、問い合わせの理由や具体的な質問、各種ご要望やクレーム、オペレーターとの対話ログ、そして最終的な対応結果など多岐にわたります。とりわけ実際の通話内容には、CRM(顧客管理システム)のカテゴリ分類だけでは拾いきれないリアルな感情や、繊細なニーズが隠されていることも少なくありません。
ただし、こうした通話データを人の手で1つずつ確認していくには膨大な手間を要します。そこで、音声認識による自動テキスト化や、AIを駆使した要約・カテゴリ分類などをうまく掛け合わせて効率化を図るアプローチが効果的です。
メール・チャット
メールやチャットもVOCを収集しやすいチャネルです。通話と異なり、最初からテキストデータとして記録されるため、検索や集計、テキストマイニングなどの分析へスムーズに活用できるメリットがあります。
問い合わせ内容を「商品について」「料金について」「操作方法について」「不具合について」「解約について」などのカテゴリに分類し、件数や推移を分析することで、顧客がどこで困っているかを把握可能です。なお、有人チャットだけでなく、チャットボットに入力された質問や回答できなかった内容も貴重なVOCとなります。
アンケート・NPS
アンケートは、企業が知りたいテーマについて顧客から直接情報を収集できる有効な手法と言えます。顧客満足度やサービスへの評価を数値化するだけでなく、自由記述欄を設けることで具体的な意見や要望の収集も可能です。またNPSを継続的に計測すれば、サービス改善によって顧客ロイヤルティがどのように変化したかを可視化・検証する際にも貢献します。
ただし、アンケートは企業側が用意した設問の範囲内で回答してもらう仕組みです。企業が想定していない課題を発見するためには、コンタクトセンターへの問い合わせや口コミなど、顧客が自発的に発したVOCと組み合わせて分析すると良いでしょう。
SNS・口コミ・レビュー
XやInstagramなどのSNS、口コミサイト、ECサイトの商品レビューにも多くのVOCが眠っています。企業の問い合わせ窓口には連絡していない顧客の生の声を集められる点が大きな特徴です。
例えば、「この機能は便利だった」「手続きが複雑だった」「サポート対応が良かった」といった投稿を分析することで、商品やサービスに対するリアルな評価を的確にキャッチすることが可能です。
一方で、SNSやレビューの投稿者が必ずしも自社の顧客であるとは限らず、極端な意見が目立ちやすい傾向もあります。そのため、SNS上の声だけで判断するのではなく、問い合わせデータやアンケート結果などと組み合わせて多角的に分析することが欠かせません。
インタビュー・ヒアリング
顧客へのインタビューを実施することで、アンケートだけでは掘り下げにくい「なぜそのように感じたのか」という思考や背景まで明確になります。例えば「操作しにくい」という意見に対しても、どの画面で迷ったのか、本来何を行おうとしていたのか、どういった案内があれば解決できたかなどを直接ヒアリングすることが可能です。
また、営業担当者や店舗スタッフ、カスタマーサポート担当者などが日常的に顧客から吸い上げている意見も貴重なVOCとなります。こうした現場の生きた情報を定量データと掛け合わせることで、数値だけでは見えてこない潜在的な課題の発見につながるでしょう。
Webサイト・アプリの行動データ
直接的な言葉で表現されていなくても、顧客の行動から潜在的な課題を読み取れるケースもあります。具体的な例としては、「特定のページで離脱が集中している」「申し込みフォームの入力途中で離脱してしまう」「同じFAQを何度も参照している」「検索機能を使っても欲しい情報に到達できていない」といった行動パターンが挙げられます。
こうした行動データ自体は「発せられた言葉」ではありませんが、VOCと組み合わせることで非常に価値のある情報へと変わります。一例として、「申し込み手順が分からない」という問い合わせが増加している時期に、申し込み画面の特定箇所で離脱率が高まっていることが確認できれば、UI設計上の問題に原因があると推測しやすくなるでしょう。
VOC分析の代表的な手法
VOC分析では、目的やデータの種類に応じて複数の分析手法を使い分けます。「VOC分析には特別なツールが必要」と思われることもありますが、問い合わせ件数の集計やカテゴリ別の比較であれば、ExcelやGoogleスプレッドシートでも始められます。データ量が多い場合や、通話・チャットなどの大量テキストを分析する際には、テキストマイニングやAIなどを活用すると効率的です。

カテゴリ分類・コールリーズン分析
VOC分析の基本は、問い合わせ内容をカテゴリに分類することです。コンタクトセンターでは、顧客が問い合わせた理由を「コールリーズン」と呼びます。例えばECサイトであれば、【大分類:配送、中分類:配送状況、小分類:商品が予定日に届かない】といったように階層化してみましょう。カテゴリ別の問い合わせ件数を集計すれば、「どのような理由で顧客が問い合わせているのか」が明確になります。
さらに特定カテゴリの件数が急増している場合、商品やサービスに新たな問題が発生しているかもしれません。ただし、カテゴリを細かく分けすぎると入力や集計の負担が増してしまいます。そのため、分析の目的に合わせ、改善施策につなげやすい粒度で分類していきましょう。
単純集計・クロス集計
最も基本的な分析手法が、VOCの件数を集計するアプローチです。例えば問い合わせ内容をカテゴリ別に分類すると、【ログイン関連:2,000件、料金関連:1,500件、配送関連:1,200件、解約関連:800件】といった形で、件数の多いテーマを可視化できます。
さらに「問い合わせ内容×顧客属性」「問い合わせ内容×商品」「問い合わせ内容×チャネル」のように複数の項目を掛け合わせるクロス集計の活用により、一歩踏み込んだ傾向の把握が可能です。一例として、全体としては件数が少ないケースであっても、特定商品を購入した顧客群に絞り込むことで、同一の不具合に対する問い合わせの集中といった隠れた課題をあぶり出せます。
テキストマイニング
テキストマイニングとは、膨大な文章データから頻出する単語や特定の傾向を抽出・分析する手法です。コンタクトセンターの通話内容をテキスト化したデータや、メール、チャット、アンケートの自由記述などの解析に幅広く活用されています。
すべての文章に目を通さずとも、頻出キーワードや同時に出現しやすい単語、関心度の高いテーマなどを効率的に可視化できる点が大きなメリットです。例えば「解約」という言葉と「料金」「値上げ」といった単語が並んで出現している場合、価格面への不満が解約の主因になっていると推測できます。大量のVOCから全体のトレンドや課題の種を速やかに把握したい場面で、非常に強力な手立てとなります。
キーワード分析・共起分析
キーワード分析では、問い合わせや口コミなどに含まれる単語の出現頻度を詳細に調べます。特定のキーワードが急増している場合、新たな課題やニーズの発生が推測されるでしょう。
一方、共起分析が焦点を当てるのは「どの言葉同士が同時に使われているか」という点です。例えば「料金×わかりにくい」「アプリ×重い」「解約×手続き」といった組み合わせの抽出により、単一語の頻度だけでは見えにくい顧客の不満や課題を浮き彫りにできます。
ただし、単語が同時に出現した事実だけで因果関係まで断定することはできません。実際の会話記録や問い合わせ内容をしっかりと確認しながら、仮説を検証していくプロセスが不可欠です。
感情分析
感情分析とは、顧客が発した文章などからポジティブ・ネガティブといった感情を読み取る手法です。例えば問い合わせ件数に大きな変化がなくても、ネガティブな表現の割合が急増していれば、顧客満足度が低下しているおそれがあります。
特にコンタクトセンターでは、件数だけを見ていると顧客の不満の深刻度までは把握できません。問い合わせの内容や感情も組み合わせることで、優先的に対応すべき課題を判断しやすくなるでしょう。
時系列分析・トレンド分析
VOCの件数や内容を時系列で分析する方法です。例えば月ごとの問い合わせ件数を比較することにより、「サービス変更後に料金関連の問い合わせが増えた」「アプリ更新後にログイン関連の問い合わせが急増した」といった変化を把握できます。
商品リリース、キャンペーン、システム変更などのタイミングとVOCの変化を照らし合わせれば、問い合わせ増加の原因を特定しやすくなるでしょう。また、過去の傾向から繁忙期を予測し、コンタクトセンターの人員配置などに活用することも可能です。
定量データと定性データを組み合わせた分析
VOC分析を進めるうえでは、定量データと定性データのどちらか一方に偏らず、双方を組み合わせることが重要です。定量データとは、問い合わせ件数や顧客満足度、NPS、解約率、Webサイトの離脱率など、数値として集計可能な指標を指します。
これに対し、定性データには顧客との会話ログ、アンケートの自由記述、口コミ、オペレーターの申し送りメモなどが含まれます。定量データによって「何が起きているのか」という全体像を把握し、定性データから「なぜ起きているのか」という背景や理由を探り出すアプローチが効果的です。
一例として、解約率の上昇を数値で検知した際、解約時のやり取りやアンケート内容を詳しく紐解くことで、真に着手すべき課題をより明確に特定できます。
VOC分析の進め方・7つのステップ
VOC分析を効果的に行うためには、最初から大量のデータを分析するのではなく、目的を定めたうえで必要なVOCを収集し、分析結果を改善施策につなげることが重要です。ここでは、VOC分析を進める基本的な流れを7つのステップに分けて解説します。

①分析の目的・KPIを決める
最初に「VOCを分析して何を改善したいのか」を明確にしましょう。例えば、「問い合わせ件数の削減」「顧客満足度の向上」「解約率の改善」「Webサイト離脱率の抑制」「商品・サービスの改善点抽出」といった目的が挙げられます。
目的が曖昧なままデータを集めてしまうと、膨大な情報を前に「何を改善すべきか分からない」という事態に陥りがちです。問い合わせ件数や自己解決率、顧客満足度など、改善の度合いを正しく測るためのKPIも事前に設定しておくとスムーズです。
②分析対象となるVOCを収集する
目的に合わせて分析対象となるVOCを集めます。例えば問い合わせ削減を目指す場合、コンタクトセンターの通話履歴やチャットログ、FAQの検索履歴などが主な収集対象です。
一方、顧客満足度を改善したいなら、アンケート結果やNPS、口コミ、問い合わせ内容などを組み合わせるアプローチが効果を発揮します。
最初からあらゆるVOCを網羅する必要はありません。まずは目的に直結するデータから分析に着手し、状況に応じて対象を順次広げていく方が効率的です。
③データを統合・クレンジングする
収集したVOCには、表記の揺れや重複、入力漏れなどが含まれるケースも少なくありません。例えば、「ログインできない」「ログイン不可」「ログインができません」という問い合わせは表現こそ異なりますが、分析上は同一テーマとして扱えます。
また、電話・メール・チャットなどチャネルごとに異なるシステムへデータが保存されている場合、顧客IDや問い合わせ日時を軸としたデータ統合が必要です。このように事前処理を行って状態を整えておくことが、分析精度の向上につながります。
④VOCをカテゴリに分類する
次に、集めたVOCを内容ごとに整理・分類していきます。例えば、問い合わせ内容を料金や契約、ログイン、配送、不具合、解約といったテーマに切り分け、必要に応じて「料金>請求金額」「料金>支払い方法」のように階層化を進めると分かりやすいでしょう。
担当者ごとに分類基準がブレてしまうと集計精度に影響するため、「どういった内容をどのカテゴリへ振り分けるか」という共通の判断ルールをあらかじめ定めておくことが肝心です。
⑤件数・傾向を分析する
分類したVOCについて、カテゴリごとの件数や割合、推移などを詳しく分析していきます。例えば、「最も多く寄せられている問い合わせカテゴリは何か」「前月と比較して急増している内容はないか」「特定の製品や顧客層に偏っていないか」「特定のチャネルでのみ発生していないか」といった視点で確認することが重要です。
単に全体の件数を追うだけでなく、顧客属性や対象商品、発生時期などを掛け合わせて捉えることで、問題が起きている背景や条件をより絞り込みやすくなります。
⑥原因を特定し改善の優先順位を決める
問い合わせ件数が多いという事実だけでは、具体的な改善策まで確定させることは困難です。実際の会話や問い合わせ内容、顧客行動などを丁寧に見極め、「なぜそのVOCが発生しているのか」を深く分析する必要があります。例えばログインに関する問い合わせが目立つ場合でも、「パスワード設定のルールが複雑」「再設定メールが届かない」「ログイン画面への導線がわかりにくい」など、根本的な要因によって講じるべき解決策は大きく変化するでしょう。
また、あらゆるVOCに一斉に着手するのは現実的とは言えません。問い合わせ件数のみならず、顧客への影響度や発生頻度、さらには改善に要するコストなども多角的に考慮しつつ、取り組むべき課題の優先順位を整理していきます。
⑦施策を実行し効果を検証する
原因を特定できたら、具体的な改善施策の実行へと移ります。例えば、「FAQを追加・修正する」「WebサイトやアプリのUIを見直す」「チャットボットの回答シナリオを補強する」「商品やサービスの仕様を変更する」「オペレーター向けのナレッジを改善する」といったアプローチが効果的です。
重要なのは、施策の実施だけで満足して終わらせない点にあります。施策を終えた後は、問い合わせ件数や顧客満足度などのKPIを追跡し、本当に課題が解消されたかを入念に検証しましょう。もし期待したほどの効果が見られない場合は、再度VOCを分析して原因を見つめ直す必要があります。
このように「VOCの収集→分析→改善→検証」というサイクルを継続して回すことで、顧客の声を実際の顧客体験(CX)向上やサービス改善へ確実に結び付けられるようになります。
VOC分析の具体例
VOC分析では、単に問い合わせ件数を集計するだけにとどまりません。「どのような課題が、なぜ発生しているのか」を明確にし、具体的な改善施策へつなげることが大切です。ここでは、コンタクトセンターやWebサイトの改善を例に挙げながら、VOC分析の実践的な事例を見ていきましょう。

問い合わせ内容を分析してコールリーズンを特定する
コンタクトセンターでは、まず問い合わせ理由を整理することで、顧客がどのような場面で困っているかを可視化できます。一例として、月5,000件の問い合わせが発生しているサービスを分析した際、ログイン関連:1,500件、料金関連:1,200件、契約変更:900件、解約関連:700件、その他:700件という内訳になったと仮定してみましょう。このケースでは、最も件数が集中している「ログイン関連」から優先的に傾向を探っていきます。
さらにログイン関連の問い合わせを細かく分類すると、パスワードを忘れた:600件、ログインIDがわからない:350件、アカウントがロックされた:300件、ログインページの場所がわからない:250件、といった傾向が見つかる可能性があります。
このように大分類から中分類、小分類へと段階的に掘り下げるアプローチにより、「ログイン関連の問い合わせが多い」という漠然とした状態から「具体的にどの課題へ着手すべきか」を明確に判断できるようになります。
VOCから顧客の不満・離脱要因を発見する
VOC分析は、顧客が商品やサービスから離脱する原因を特定する際にも力を発揮します。例えば、解約に関する問い合わせやアンケートの自由記述を分析した結果、「料金が高い」「必要な機能が足りない」「操作方法がわかりにくい」「問い合わせても解決しない」といった不満が多く見られたとしましょう。
さらに顧客属性や利用状況を掛け合わせることで、「利用開始から3か月以内のユーザーは操作方法への不満が多い」「長期利用者は料金に対する不満が多い」といった傾向が浮き彫りになることもあります。
この場合、すべての顧客へ画一的な改善策を講じるのではなく、利用期間や属性に応じたアプローチが可能です。具体的には、新規顧客向けには初期設定の案内やチュートリアルを補強し、長期利用者に対しては料金プランや継続特典を見直すといった対応が考えられます。
分析結果をFAQやWebサイトの改善につなげる
問い合わせの発生原因が、商品そのものではなく「情報が見つけにくいこと」にあるケースも少なくありません。例えば「配送状況を確認したい」という問い合わせが多い場合、実際には配送情報自体はWebサイト上に掲載されていても、「確認ページへの導線がわかりにくい」「マイページのどこを見ればよいかわからない」「FAQ内の表現が顧客の検索キーワードと一致していない」といった問題に起因している場合があります。
そこでVOCとWebサイトの行動データを組み合わせて分析します。「配送状況」に関する問い合わせを行った顧客が、「直前にどのページを閲覧していたか」「FAQでどのキーワードを検索していたか」などを確認することで、改善すべきポイントを特定しやすくなります。
分析結果をもとに、「マイページ上に配送状況への導線を追加する」「FAQのタイトルや表現を変更する」「チャットボットから該当ページへ誘導する」といった改善を行い、問い合わせ件数が減少したかを検証しましょう。VOCと行動データを組み合わせることで、単なる問い合わせ対応にとどまらず、顧客が問い合わせをする前の体験そのものを向上させることが期待できます。
AIを活用したVOC分析
従来のVOC分析では、担当者が問い合わせ内容を読み、手作業で分類や集計を行うケースが一般的でした。しかし、コンタクトセンターやチャットなどに蓄積されるVOCの量が増加するにつれ、人手のみですべての内容を確認するのは困難になりつつあります。
そこで注目を集めているのが、生成AIや音声認識などを活用したVOC分析です。AIを導入すれば、大量の会話データを効率的に整理し、顧客の課題や傾向をスピーディーに把握できるようになります。

音声認識で通話データをテキスト化する
コンタクトセンターには、日々大量の通話データが蓄積されていきます。しかし音声データの状態では、担当者が実際に内容を再生して確認しなければ状況を把握できません。そこで音声認識技術を導入すれば、顧客とオペレーターの会話を自動的にテキスト化することが可能になります。
テキスト形式に変換しておくことで、「キーワード検索」や「問い合わせ内容の分類」、「頻出ワードの分析」「感情分析」「生成AIによる要約」といった作業をスムーズに進めやすくなります。従来は一部の通話のみを抽出して分析していたケースでも、音声認識を活用すれば、より多くの通話データを広く分析対象としてカバーできるようになるでしょう。
<プレスリリース>
モビルス、ファンケルの新基盤「FANCL COE LINK」に参画 約30万件のデータ活用とAI技術の融合による製品改善や応対品質向上へ貢献
生成AIで問い合わせ内容を要約する
コンタクトセンターでは、オペレーターが応対後に問い合わせ内容や対応結果を記録する後処理業務が発生します。そこで生成AIを活用すれば、通話内容やチャットログから、問い合わせ理由や顧客の要望、オペレーターの回答、最終的な対応結果などを自動的に要約することが可能です。
例えば10分ほどの通話内容であっても、「料金プラン変更についての問い合わせ。現在の契約内容を確認後、上位プランとの料金差を案内。顧客は検討すると回答」といった形に手際よく整理できます。VOC分析を行う際にも、長い会話ログを一つずつ確認する手間が省けるため、分析工数の大幅な削減が見込めるでしょう。
VOCを自動で分類する
生成AIを活用することで、問い合わせ内容をあらかじめ設定したカテゴリへ自動分類できるようになります。例えば料金や契約、配送、ログイン、不具合、解約といった分類軸をあらかじめ設けておけば、AIがそれぞれの問い合わせを適切なカテゴリへ振り分けてくれます。
従来はオペレーターや分析担当者が手作業でカテゴリを入力していましたが、この自動分類を導入することで作業負担を大幅に軽減可能です。また、既存の分類ルールでは捉えきれなかった新しい問い合わせパターンをAIが検知し、新たなカテゴリ候補として提示してくれるメリットもあります。
感情分析で顧客の不満や満足度を把握する
AIを活用することで、問い合わせ内容に含まれる顧客の感情を精度高く読み取ることが可能です。例えば、「強い不満がある」「困っている」「疑問を感じている」「満足している」といった感情別に分類・抽出できます。
同じ問い合わせカテゴリであっても、顧客の感情によって対応の優先順位は変化します。例として「料金について確認したい」という問い合わせと、「請求額が違う。すぐに対応してほしい」という問い合わせを比較すると、後者の方が緊急性が高いと判断できます。問い合わせ内容に感情軸を組み合わせることで、顧客の不満が高まっているテーマを早期に把握することが可能になります。
大量のVOCから傾向や原因を抽出する
生成AIは、大量のVOCを横断的に分析する用途でも大きな効果を発揮します。例えば数千件の問い合わせ内容をもとに、「最近増えている問い合わせテーマを整理する」「顧客が不満を感じている要因を5つにまとめる」「解約に関連する問い合わせの共通点を抽出する」といった多角的な分析が可能です。
従来のキーワード分析では、担当者があらかじめ「どの単語に着目するか」を検討しておく必要がありました。一方、生成AIを活用すれば文章全体の文脈や意味合いを踏まえてテーマを整理できるため、人間では見落としがちな課題の発見にもつながります。
ただし、AIの分析結果が必ず正しいとは限りません。実際のVOCや数値データを確認しながら、人間が分析結果を検証することが重要です。
分析結果から改善施策を提案する
AIは、VOCを分析するだけでなく、分析結果をもとに改善案を整理する用途にも活用できます。例えば、「パスワード再設定に関する問い合わせが多い」「再設定メールが届かないという声が多い」といった分析結果をもとに、「再設定画面の導線を改善する」「メール送信時の案内を見直す」「迷惑メールフォルダを確認する案内を追加する」「FAQを改善する」といった施策案を効率的に整理することが可能です。
これにより、分析担当者が施策を検討する際の初期整理をスピーディーに行えるようになるでしょう。ただし、最終的な施策の判断にあたっては、開発コストや顧客への影響、事業への効果なども総合的に考慮しながら進めていくことが大切です。
VOC分析に使えるツール
VOC分析で必要となるツールは、分析対象のデータ量や目的によって変化します。小規模な分析であればExcelやGoogleスプレッドシートでも十分に対応可能ですが、数万件以上の問い合わせや通話データといった膨大な情報を扱う場合には、専用ツールやAIの活用が欠かせません。

Excel・Googleスプレッドシート
ExcelやGoogleスプレッドシートは、VOC分析を手軽に始めたいケースに適したツールです。問い合わせ内容にカテゴリを付与することで、カテゴリ別件数や月別推移、顧客属性別・チャネル別の件数などをスムーズに集計できます。さらにピボットテーブルを活用すれば、簡単なクロス集計にも対応可能です。
一方で、数万件に及ぶ自由記述データや通話ログなどを扱う場合、手作業による分類・処理には限界が生じます。そのため、分析対象の規模が拡大した段階で、専用ツールやAIへの移行を検討していくと良いでしょう。
テキストマイニングツール
テキストマイニングツールは、大量の文章データを分析・解析するためのシステムです。主に、頻出キーワードの抽出や言葉同士の共起関係の可視化、文章の自動分類、感情分析などの機能を備えています。アンケートの自由記述をはじめ、メールやチャット、口コミといった膨大なテキストデータを効率的に分析したい場面で大きな効果を発揮するでしょう。
音声認識・通話分析ツール
コンタクトセンターのVOCを分析したい場合には、音声認識や通話分析機能を持つツールが有効です。通話音声をテキスト化するだけでなく、「通話内容の要約」「問い合わせ理由の分類」「特定キーワードの抽出」「感情分析」「応対品質の分析」を行える製品も存在します。従来は担当者が通話を聞いて分析する必要がありましたが、音声認識を活用することで、より多くの通話を分析対象として網羅できるようになるでしょう。
生成AI
ChatGPTをはじめとする生成AIも、VOC分析の強力なツールとして活用可能です。例えば、個人情報や機密情報の取り扱いに留意したうえで、「問い合わせ内容の要約」「カテゴリ分類」「テーマの整理」「不満要因の抽出」「改善施策のアイデア出し」といった幅広い業務に役立てられます。
ただし、大量のVOCを継続的に取り扱うにあたっては、システム連携やセキュリティ、分析結果の再現性などの検討が欠かせません。企業で本格導入を図る際は、社内システムとの連携や強固なセキュリティ要件を満たした環境を整えると安心です。
CRM・CDP
VOC単体だけでなく、顧客属性や購入履歴などと組み合わせて分析したい場合には、CRMやCDP(Customer Data Platform:社内に分散している顧客データを収集・統合・一元管理するためのプラットフォーム)にデータを統合する方法が効果的です。
例えば、「解約について問い合わせた顧客は、どのプランを利用しているのか」「問い合わせ回数が多い顧客ほど解約率が高いのか」といった傾向を詳細に把握できます。VOCと顧客データを紐付けることで、問い合わせ内容だけでは見えてこない顧客行動との関連性をより深く分析できるようになるでしょう。
VOC分析ツール
VOCの収集・分析に特化した専用ツールも存在します。製品によって備わっている機能は様々ですが、「複数チャネルのVOC統合」や「問い合わせ内容の自動分類」、「テキストマイニング」、「感情分析」、「ダッシュボードでの可視化」といった高度な機能を利用可能です。
電話やメール、チャット、アンケートなど、多岐にわたるチャネルに分散したVOCを一つの基盤に集約することで、全体の分析が格段にしやすくなります。なおツールを導入する際は、単に機能の豊富さだけで選ぶのではなく、「どのVOCを分析対象とするのか」「得られた分析結果をどのような業務改善に結びつけたいのか」を明確に整理しておくことが重要です。
VOC分析を成功させるポイント
VOC分析を実施しても、分析結果を実際の改善施策につなげられなければ十分な効果は期待できません。VOCを継続的に事業改善へ活かすためには、いくつか押さえるべきポイントが存在します。

分析する目的を明確にする
VOC分析をスタートするにあたっては、「何を改善したいのか」という目的を明確に定義することが不可欠です。というのも、「問い合わせ件数を減らす」「解約率を下げる」「顧客満足度を向上させる」「新たな商品ニーズを発掘する」といった目標に応じて、集約すべきVOCの内容や注目すべき指標が大きく変わってくるためです。
明確な目的を持たないまま「ひとまずVOCを分析してみる」といったアプローチをとると、膨大なデータをただ可視化すること自体が目的化してしまうおそれがあります。まずは改善を目指すべき課題を整理し、達成基準となるKPIを事前に定めたうえで分析へ取り組むことが大切です。
VOCの件数だけで判断しない
問い合わせ件数が多い課題が、必ずしも最優先で改善すべき内容とは限りません。例えば、「A:月1,000件発生するが顧客への影響が小さい問い合わせ」「B:月100件しか発生しないが重大な解約につながる問い合わせ」を比較した場合、後者のBを優先すべきケースも考えられます。そのため、「発生件数」だけでなく、「顧客への影響度」「売上や解約へのインパクト」「改善に必要なコスト」「改善の実現可能性」などを総合的に考慮して優先順位を見極めることが肝心です。
定量データと定性データを組み合わせる
問い合わせ件数やNPSなどの定量データのみでは、「なぜその数値に至ったのか」という要因まで把握できないことがあります。一方で、顧客の会話ログや自由記述といった定性データだけを眺めても、その課題がどの程度頻出しているのか判断がつきません。
例えば「料金への不満」というVOCに着目した場合は、「料金関連の問い合わせ件数」「解約率」「アンケートの満足度」「実際の問い合わせ内容」などを複合的に分析します。定量データから課題の規模感を掴み、定性データからその背景を探ることで、より精度の高い分析を実現できるでしょう。
収集したVOCの偏りを考慮する
収集したVOCが、すべての顧客の意見を代表しているとは限りません。例えばコンタクトセンターに届く声は、「困っている」「不満がある」といったケースが多いため、ネガティブな傾向に寄りやすくなります。
一方、アンケートでは回答者の属性や姿勢によって偏りが生じる可能性も否定できません。またSNSにおいては、極端に強い感情を伴う意見が目立ちやすい特徴もあります。したがって、単一チャネルのデータのみで判断せず、複数の情報源を多角的に組み合わせることが重要です。
改善施策の優先順位を決める
VOC分析では多くの課題が見つかることがありますが、すべてを同時に改善するのは現実的ではありません。そこで、「顧客への影響が大きいか」「発生件数が多いか」「売上や解約につながるか」「改善コストはどの程度か」「短期間で対応可能か」といった観点から優先順位を定めます。例えば、「問い合わせ件数が多く、改善コストが小さい課題」は、早期に効果が得られやすいテーマと言えます。
一方で件数は少なくても顧客離脱への影響が大きい課題については、重要度の高いテーマとして優先的に対応する必要があるでしょう。
分析結果を部門横断で共有する
VOCの活用範囲は、カスタマーサポート部門だけに留まりません。例えば「商品開発部門における商品や機能の改善」「マーケティング部門での訴求内容やコンテンツの見直し」「営業部門における提案内容のブラッシュアップ」「Web担当部門でのUI/UXの改善」「経営層による事業課題の把握」など、多岐にわたる場面で威力を発揮します。
コンタクトセンターに届いたVOCをサポート部門内だけで閉じて処理してしまうと、同様の課題が繰り返し発生しかねません。定期的なレポート作成やダッシュボードの構築を通じ、VOCを部門横断でスムーズに共有できる仕組みを整えることが極めて重要です。
該当する導入事例が見つかりませんでした。分析して終わらず継続的に改善する
VOC分析で最も重要なのは、分析結果を実際の改善施策へ確実に落とし込むことです。さらに、施策を実行して終わりにせず、想定通りの成果が得られたかを見極めるプロセスも欠かせません。例えばFAQを改善した場合なら、「該当する問い合わせ件数が減少したか」「FAQ閲覧後の問い合わせ率が低下したか」「自己解決率が向上したか」といった多角的な観点から成果を検証します。仮に期待したような効果が確認できない場合は、再度VOCに立ち返って分析を行い、原因を捉え直すことが大切です。
このように「VOCの収集→分析→改善→効果検証→再分析」という一連のサイクルを粘り強く回していくことで、VOCを一回限りの調査に留めず、継続的に顧客体験(CX)を向上させる仕組みへと昇華させられるでしょう。
VOC分析をAIで効率化するならMooA
コンタクトセンターには、日々大量の顧客との会話が蓄積されています。これらの通話には、商品やサービスに対する要望、不満、問い合わせ理由など、企業にとって重要なVOCが含まれています。一方で、すべての通話内容を人が確認し、分類・分析を行うには大きな工数を要するのが実情です。
モビルスが提供する「MooA」は、生成AIを活用してコンタクトセンター業務を支援するサービスです。大量の応対データを効率的に活用でき、VOC分析やオペレーター業務の効率化へと強力につなげられます。
モビルス株式会社
コンタクトセンターに蓄積されたVOCを分析できる
コンタクトセンターの通話やチャットには、顧客が実際に感じている課題が数多く含まれています。「MooA」を活用することで、応対データを手際よく整理・分析し、問い合わせ内容や顧客の声を把握しやすくなるのが大きなメリットです。
例として、「どのような問い合わせが多いのか」「どのような顧客の不満が発生しているのか」「問い合わせ内容にどのような傾向があるのか」などを捉えられます。こうした動向を可視化することで、FAQやWebサイト、さらには商品・サービスの具体的な改善へつなげられるでしょう。
生成AIを活用してVOC分析を効率化できる
生成AIを活用すれば、大量の応対データを人手ですべて確認する必要はありません。通話内容の要約や問い合わせ内容の整理などを自動化することにより、オペレーターや分析担当者の業務負担を大幅に軽減可能です。
さらに、これまで人手では十分に分析できていなかった大量の会話データも分析対象に含められるため、顧客の声をより幅広く活用しやすくなります。VOC分析を効率化し、コンタクトセンターに蓄積された顧客の声をサービス改善へ活用したい場合は、AIを活用した分析基盤の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事では、VOC(顧客の声)分析の基礎知識から、実践的な進め方、成功のポイントまでを解説しました。VOC分析は、顧客の声を単に集計するにとどまらず、「なぜ起きているのか」という深層まで分析し、具体的な改善施策へつなげることが欠かせません。定量データと定性データを組み合わせ、「VOCの収集→分析→改善→検証」というサイクルを継続して回すことで、顧客体験の向上につながります。
しかし、日々蓄積される大量の問い合わせや通話データを、人手のみですべて確認し分析するのは困難になりつつあります。そこで活用したいのが、生成AIなどを活用したVOC分析です。
モビルスが提供する「MooA」は、生成AIを活用して大量の応対データを手際よく整理・分析し、顧客の抱える課題や傾向をスピーディーに可視化します。オペレーターや分析担当者の業務負担を軽減しつつ、VOC分析を効率化したいとお考えの場合は、ぜひAIを活用した分析基盤の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
MooA
MooA®(ムーア)は生成AIや独自のAI技術を取り入れて、対話ログからAIがQAドラフトを自動生成し、ナレッジのメンテナンス作業を大幅に効率化するオペレーション支援AIです。高精度な文字起こしで応対中の回答を支援しながら、現場の暗黙知を抽出したナレッジの継続改善を自動化し、属人性に左右されない応対品質を実現します。
また、業務プロセスや専門要件にあわせた出力で後処理時間(ACW)を大幅に削減し、改善に直結するVOC分析でCX向上やリスクマネジメントを強化します。
MOBI BOT
国内シェアNo.1のAIチャットエージェント「MOBI BOT GenAI(モビボット ジェンエーアイ)」は、RAGやVector Searchなど多彩なAI・シナリオ型を、業務特性に合わせて自由に組み合わせられるフルパッケージサービスです。導入前のアセスメントから稼働後の定着支援まで、専任チームが一気通貫で伴走するカスタマーサクセス機能も標準搭載しています。
CRMや基幹システムとの連携はもちろん、チャットボットで解決が難しい問い合わせは有人チャット「MOBI AGENT」へシームレスに引き継ぎ、個人情報を扱う場面はセキュリティ「Security Suite」とも連携可能。柔軟なシステム連携により、チャットボットからオペレーター対応、本人確認を伴う手続きまで、あらゆる顧客接点にワンストップで対応します。






















